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ドリーズーム効果で緊迫したシーンを演出

映画やドラマの緊迫したシーンでよく使われる「ドリーズーム」効果。被写体はそのままに、背景だけが迫ってきたり遠ざかったりする、印象的な演出です。SNSで人気のチュートリアル動画を発信している「あくしょんプラネット」さんが、Premiere Proを使ったドリーズーム効果の作り方をわかりやすく解説します。

まずは、下記の1分動画で制作の工程をご確認ください。

 


このサンプルファイルは、このチュートリアルの練習⽬的でのみご使⽤できます。

本チュートリアル内で使⽤する主な機能:

エフェクトコントロールパネル(位置、サイズ)、ガイド

 

手順

  1. ドリーズームの撮影

  2. サンプルファイルを開く

  3. 人物に合わせてガイドをひく

  4. 人物の位置とスケールにキーフレームを打つ

  5. クリップの先頭の人物の位置とサイズをガイドに合わせる

⼿順1/5 ドリーズームの撮影

ドリーズームは、ビデオカメラのレンズをズーム(ズームアウトあるいはズームイン)しながら、カメラ自体を前後に移動(ドリー)させることで、被写体を一定の大きさに保ちながら、背景の大きさを変化させる撮影方法です。



とはいえ、ズーム操作を同時に行うのは、撮影に慣れていない人にとっては少し難しいかもしれません。そこで、Premiere Proを使えば、シンプルな撮影だけでドリーズーム効果を再現することができます。撮影は、カメラを被写体に向かって近づけていく(ドリーイン)、またはカメラを人物から遠ざけていくように(ドリーアウト)撮るだけです。

※ 映像を拡大する際には、撮影素材はできるだけ高画質のものを使用することをお勧めします。

手順2/5 サンプルファイルを開く

  1. Premiere Proを起動し、スタート画面の左上「プロジェクトを開く」をクリックします。ダウンロードしたサンプルファイル「dolly_zoom.prproj」を選択して「開く」をクリックします。

  2. プロジェクトパネル(ウィンドウ/プロジェクト)には、現在タイムラインに表示されている練習用の「edit」と、完成サンプルの「edit_final」の2つのシーケンスがあります。完成サンプルを参照したい場合は、「edit_final」をダブルクリックしてシーケンスを開き、随時タブを切り替えながら作業を進めましょう。

手順3/5 人物の位置に合わせてガイドをひく

  1. タイムラインのインジケータを動かして、動画の中で人物が一番大きく映っているところ(04:23)で止めます。

  2. プログラムモニターの下にあるレンチマークをクリックし、メニューから「定規を表示」を選択します。

  3. プログラムモニターに定規が表示されたら、ドラッグしてガイドを引き出し、人物の位置の目印をつけておきます。

手順4/5 人物の位置とスケールにキーフレームを打つ

エフェクトコントロールパネル(ウィンドウ/エフェクトコントロール)を開き、ビデオ/モーション/位置およびスケールのストップウォッチマークをクリックしてキーフレームを打ちます。

手順5/5 クリップ先頭の人物の位置とサイズをガイドに合わせる

タイムラインのインジケータを映像の頭(00:00)まで戻し、小さく映っている人物をガイドに合わせて位置とスケールを調整します。エフェクトコントロールパネルで、位置およびスケールのスライダーを動かして調整すると、そこでキーフレームが打たれます。


再生して確認してみましょう。今回はドリーインで撮影した動画をPremiere Proで編集し、人物の背景だけが遠ざかっていくドリーズーム効果の作り方を解説しました。同じように、ドリーアウトで撮影した動画を使って、人物の背景だけが迫ってくるドリーズーム効果を作成することもできます。


ドリーズーム効果が作成できたら、さらにシネマ風のカラーを適用したり、好みのエフェクトなどを追加したりして、映画やドラマの1シーンのような作品に仕上げてみましょう。

 

あくしょんプラネット

登録者数11万人以上のYouTubeチャンネル「あくしょんプラネット」を運営する映像クリエーター。国内外で監督、脚本、撮影、編集などを手掛け、「入門×実践 Premiere Pro 作って学ぶ動画編集」など著書多数


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