デザイン
InDesignとIllustratorの違い:最適な選び方
Illustrator はグラフィックを作成して、印刷デザインを作ることに用いられます。インデザイン は、レイアウトとデスクトップパブリッシング(DTP)に用いられます。Adobe Creative Cloud アプリの正しい使い方について、それぞれ学んでいきましょう。
グラフィックとテキストの調和
良質の雑誌や新聞は、文章だけで読者に物事を伝達していません。よく読まれる出版物は、レイアウトや視覚的要素も使って情報を伝えます。読者は見出しを読むまでもなく、一見しただけでその出版物の重要なポイントをつかむことができます。見出しのフォントサイズ、ページのデザイン、写真の配置、そして文字のフォントであるセリフまたはサンセリフなどは、読書に重要な情報を伝える手段となります。
Adobe のIllustrator とインデザインはそれぞれ、印刷物とデジタル出版物の作成において、違う役目を持っています。Illustratorを使えば、読者の注意を引きつけるグラフィックや様々なアセットを作成することができます。一方、 インデザインを使えば、すべての情報、テキスト、視覚的要素を1ページの中に調和させてレイアウトすることができます。
Illustratorの使い方
Illustrator は ベクター画像を作成するためのグラフィックデザインおよびイラストレーション用のアプリです。使い方は簡単で、特にデジタル出版物に適しています。ロゴ、グラフ、ブランドアイコンなどは、様々なアセットの中でそれぞれ違ったフォーマットで表されるので、通常はベクター画像として作成されます。ベクター画像は、ピクセルベースのグラフィックに比べて簡単にサイズを変更できます。Illustrator は、ロゴの印刷仕上げを調整したり、わかりやすいグラフにするために線をより鮮明にしたい時に頼れるアプリです。
ベクターとラスターのグラフィック
ベクターグラフィックは、数学的フォーミュラにもとづいた画像なので、自由にサイズを変更できます。ラスター画像(例えばピクセルをベースとした画像)は、サイズをあまり極端に変更すると、ぼやけたり、ディテールが損失されることがあり、そのためサイズが大きい場合はピクセルが見えてしまいます。
ベクター画像を用いると、名刺ほどの小さなスペースでも、ビルボードのような大きなスペースでも画像を収めることができます。ベクター画像の場合、点と点の間の比率がスペースの大きさにかかわらず常に同じなので、ラスター画像に比べて自由に使うことができるのです。
アイデアをすぐに描画する
グラフィックデザイナーや他のアーティストは、Illustrator でスタイラスなどのツールを使って、何種類ものベクター画像を作成しています。また、電子ペンで簡単に描画し、それをロゴ、ポートレート、漫画などにすることができます。Illustrator で色々なデジタルペン、ブラシ、ペンシルを使い、紙やキャンバスの種類を選んでデジタル環境でアナログのような雰囲気の外観を出してみましょう。
InDesignの使い方
インデザインは、本、雑誌、リーフレットなどを印刷、デジタル出版するための、デスクトップパブリッシング(DTP)とレイアウト用のアプリです。インデザインは、標準編集ソフトとして、長方形の複数ページドキュメントのレイアウトに使われていますが、用途はそれだけではありません。インデザインを使えば、便箋、年間報告書、名刺、インタラクティブなデジタル出版物など、文字とグラフィックを同時に使うことができます。
グリッドをカスタマイズして、テンプレートを作る
インデザインにはカスタマイズ可能なグリッドとガイドがあるので、レイアウトと文字を組む際に大変役に立ちます。マスターページ機能のエディターを使えば、それぞれのセクション、章、出版物で共通に使えるテンプレートを作成できます。このほか、Illustrator のグラフィックを各章のヘッダー、タイトル、ロゴなどに繰り返し使うことができます。
希望するタイプを見つける
インデザインは、何百ものフォントから適切なものを選択し、カーニング、サイズ、スタイルを調整して、仕上がりを色々と試したりカスタマイズするのに優れた働きをするアプリです。段落スタイルの機能を使えば、段落のスタイル、カーニング、行間送りを、作業している出版物全体を通して統一することができ、社内独自のスタイルガイドをアレンジすることができます。最初のページの見出しから小さな脚注まで、個性的なレタリングで文書を思い通りの外観に仕上げましょう。
IllustratorとInDesignを同時に使う
文字と画像の両方を含む作品なら、この2つのアプリを同時に使うとよりすばらしい効果が得られます。IllustratorとInDesignはCreative Cloudに組み込まれていて、同時に使用することができます。Illustratorを使って、本やその他の出版物のビジュアル要素を作成し、InDesignを使ってそのグラフィックと文字のレイアウトを作成していきます。
IllustratorとInDesignの同時使用による効果
従来の長方形のメディアプロジェクトなどは、IllustratorとInDesignを使えば良い効果を出すことができます。例えば、以下のような作品をつくることができます。
- Illustratorでインフォグラフィックとチャートを作成し、InDesignを使ってテキストをレイアウトした年間レポート
- Webグラフィックや画像を、綺麗に整え読みやすくした文章と共に表示しているデジタル出版物
- リーフレット、パンフレットなど、その他の小型出版物
- 画像と文字を使った看板や掲示板
- 自費出版物、招待状、お知らせなど個人の作品
Creative Cloud に組み込まれる他のアプリと同様に、 Illustrator とインデザインも、Adobe Photoshopや Photoshop Lightroomなどその他のアプリとスムーズに使うことができます。グラフィックデザイナーであれば、Photoshop をイラストのベースとして使うことができ、エディターも、良質の写真を簡単にページのレイアウトに組み込むことができます。
アーティストやライターのノウハウとアドビ製品の優れた機能が見事な出版物を作り上げます。