IGESファイル

IGESは、コンピューター支援設計（CAD）プログラムのファイル形式です。エンジニアやデザイナーは、CADソフトウェアを使用して、図面や設計図などの様々な形式の画像を作成します。IGESの詳細情報、その強みと制限、およびIGESファイルを開く方法を説明します。

学習内容

IGESファイルとは
IGESファイルの歴史
IGESファイルの用途
IGESファイルのメリットとデメリット
IGESファイルを開く方法
IGESファイル：よくある質問

IGESファイルとは

IGES図面ファイルは、様々なCADアプリケーション間で2Dおよび3D情報を転送するためにベクター画像ファイルとして保存されます。メーカーやデザイナーは、建設プロジェクトやデザインプロジェクトの詳細の計画、価格設定、仕様決定をおこなう際にCADを使用します。.igsというファイル拡張子を持つIGESファイルには、ワイヤーフレーム、ソリッドモデル、および回路図など、設計図の様々なタイプの情報を保存できます。

IGESは Initial Graphics Exchange Specification（初期グラフィックス変換仕様）の略語で、ASCII形式で情報を保存する場合の規格のひとつです。

IGESファイルの歴史

1980年に、効率向上とコスト削減のために、ICAM（Integrated Computer-Aided Manufacturing）と呼ばれる米国空軍プロジェクトにより、航空宇宙製造に関わる様々なソフトウェアの部分やプロセスがまとめられました。その結果、IGESが生み出され、まもなく、軍事アプリケーションだけでなく、他のタイプの製造にも使用されるようになりました。

誕生してからかなりの時間が経っており、1996年以降はほとんど変更されていないにもかかわらず、現在も多くの人々がIGESを使用しています。STEPなどの比較的新しい形式も、よく使われています。

IGESファイルの使用方法

数十年前、IGESは、米軍のデザインにおける最初のコンピューター支援の画期的な出来事のひとつでした。現在は、次の用途で使用できます。

エンジニアリング図面

IGESファイルで、コンポーネントの製作に必要な形状が指定されます。製図者は、IGESを使用して、複数のビューと特定の寸法で技術図面を作成します。

サーフェス変換

比較的単純なデザインの場合、エンジニアはIGESを使用して、ソリッドモデルではなく、特定のファイルのサーフェス変換を共有します。これは、2Dコンポーネントには効果的ですが、他のCADファイル形式（DWGやSTLなど）より制限が多い場合があります。

他のベクターファイル形式を見る

IGESファイルのメリットとデメリット

次回のプロジェクトでのIGESの使用を決定する前に、そのメリットとデメリットを確認してください。

IGESファイルのメリット

ASCIIテキスト形式で保存されたIGESファイルはサイズが小さく、容易に共有できます。
IGESは、最も古いCAD形式のひとつであるため、多くのCADアプリケーションでサポートされており、互換性のあるソフトウェアで簡単にファイルを開くことができます。

IGESファイルのデメリット

IGESは1996年以降は標準化されていないため、より新しい他の形式と比べて真新しいものではなく、革新的でもありません。CADはIGESが初めて使用されてから飛躍的な進歩を遂げてきており、1990年代にも既にはるかに洗練されたCADデータ保存方法が存在していました。
IGESファイルを別のファイル形式に変換したり、逆に再変換したりすることは困難です。このようなファイルの基盤はASCIIデータです。つまり、変換の余地は多くはありません。変換中にデータが変更されると、エラーが発生して修復が必要になるおそれがあります。
IGESは、表面形状を処理しますが、ほとんどのCADアプリケーションは、ソリッドモデルの処理の方が適しています。このためにエラーが発生する場合があり、適時に修正しないと、製品デザインに影響する可能性があります。