XVLファイル
XVLファイル形式は、3D画像やデザインを高画質で表示するために使用されます。XVLは、共有と表示が難しい場合がある平均的な3D形式よりもサイズが小さく、アジャイルなファイル形式として作成されました。ここではXVL形式のメリットとデメリット、用途のほか、自分でXVLファイルを作成する方法を紹介します。

XVLファイルとは
XVLは、Extendable Virtual World Description Languageの略語です。エンジニアリング、製造、建築の分野で3Dデザインを共有するためのファイル形式として一般的に使用されています。ベクターファイルであるため、線、点、数学アルゴリズムの複雑な式によって構成されており、無限に拡大しても画質が低下することがありません。
ひとつのXVLファイルには、1ギガバイトを超えるCADデータを格納できます。また、非常に正確な形状に加え、マテリアルや組み立て手順などの追加情報が含まれます。複数のCADファイルおよびCAD形式のデザインをひとつのXVLに保存することもできるため、非常に用途の幅が広いデザイン形式です。
XVLファイルの歴史
XVLは1997年に開発したチームによって発表されました。CADの図面や設計のファイルサイズの扱いにくさを解消することが目的でした。
XVLファイルを開発したチームは、ある大手自動車メーカーと密接に連携しています。これにより、CATIAやCREOで設計された自動車部品や列車部品など、複数のCADプログラムによる設計を、様々な自動車関連分野と共有し、一貫性を確保することができます。
XVLは元の開発元が所有権を持つファイル形式ですが、XVLビューアは無料であるため、誰でもライセンス料を支払うことなく、XVLファイルを開いて表示することができます。
XVLファイルの用途
XVLは、多種多様な業界で使用されています。なぜこれほど普及しているのでしょうか?
CADファイルの圧縮
XVLファイルの主な用途のひとつは、CAD設計データを、はるかに小さいサイズのファイルに圧縮できることです。XVLを使用すると、設計、組み立て、サービス、部品、カタログの重要なデータをすべて保持したまま、元のサイズの1%まで設計データのサイズを軽量化できます。
このようにファイルサイズが小さいことから、設計者はプロジェクトでの共同作業、関係者とのファイルの共有、顧客へのファイルの送信を容易におこなうことができます。
マルチCADの使用
XVLファイル形式を使用すると、設計ファイルを任意の3D CAD形式から変換したり、更新したりできます。また、様々なプログラムで作成された設計を、ひとつのXVLファイルに統合することもできます。これは、様々な設計分野の作業をおこなう製造業およびエンジニアリング業の大規模組織にとって、非常に貴重です。
他のユーザーや作者とCAD設計を共有し、そのファイルに指示、インタラクティブドキュメント、カタログを追加できます。
XVLファイルのメリットとデメリット
XVLには、様々なメリットとデメリットがあるため、それらを考慮して使用する必要があります。
XVLファイルのメリット
- XVLファイルでは 可逆圧縮 がおこなわれ、元のCAD設計と同量のデータが保持されますが、ファイルサイズははるかに小さくなります。
- 様々なCADプログラム で作成されたファイルをXVLとして保存して、共有、公開、共同作業をおこなうことができます。
- XVLは、様々なオペレーティングシステム、webブラウザー、プログラムでXVLビューアを使用して 簡単に表示 できます。
XVLファイルのデメリット
- XVLファイルは、元のCAD設計データよりもはるかにサイズが小さくなりますが、それでもほとんどのラスターファイル形式よりもコンピューター上でより多くのスペースを取ってしまいます。
- XVLファイルを表示および編集するには、専用のXVL再生ツール、変換ツール、Studioプログラムをダウンロードする必要があります。
XVLファイルを開く方法
Adobe Acrobat 9 Pro Extendedでは、以下の手順に従って、XVLファイルを簡単に開くことができます。
1. Adobe Acrobatを開きます。
2. ファイル/開く をクリックします。
3. コンピューターでXVLファイルを選択します。
4. 「開く」を選択します。
XVLファイル:よくある質問
XVL Playerとは何ですか?
XVL Studioとは何ですか?
XVLファイルは、ラスターとベクターのどちらですか?
他のすべてのCADファイル形式と同様に、XVLはベクターファイルです。つまり、複雑な数学アルゴリズム、グラフ、線、点によって構成されているため、無限に拡大しても画質が低下することがありません。このため、複雑な設計用の貴重なツールでもあります。ラスターファイル形式は一定数のカラーピクセルで構成されており、一般的にデジタル写真に広く使用されています。
ラスターファイルとベクターファイルの違いの詳細を見る