「エディトリアルデザインは時間も予算も限られているなかで、読者が何十ページ読んでも飽きがこないように、変化をつけることが求められます。デザインに変化をつける方法は、レイアウトに動きを出す、テクスチャで質感を増す、イメージ写真を加える、フォントで変化をつける、文字に動きを与える、目を引く色や飾りを入れる等、選択肢はさまざまです。これまでは自作の素材や紙を撮影して素材にしたり、使えそうなフォントを購入するしかありませんでしたが、最近ではまず、Adobe StockとAdobe Fontsをチェックしています。
正直言うと、サービススタート当時のAdobe Stockはいまほど点数もなく、クオリティも高い印象はありませんでしたが、あらためて見てみると品質、点数、素材としての使いやすさ、どれも非常に充実していてコスパもいい。イメージカットに使える写真、地に敷くテクスチャやパターン、アイコンやピクトグラム等、デザイナーが使いやすい素材が揃っているので、Adobe Stockに契約してからは、“もう少し質感、素材感、リアリティがほしいな”というとき、素材を気軽に買うようになりました。以前ならいくつものストックサービスを吟味していましたが、いまはAdobe Stockがあれば十分ですね。
デザインに常に変化を出すために、同じフォントを何度も使うのはなるべく避けているのですが、このときもAdobe Fontsがあれば、新しいフォント、イメージに合うフォントが見つかります。
Illustratorの新機能やAdobe Stock、Adobe Stockによってデザインの効率はあがりましたが、一方で利便性ばかり求めて品質が下がってしまっては意味がありません。時間をかけるべきところに注力するために、こうした機能・サービスを使って、それ以外の部分を効率化する。使いどころの見極めが何より重要だと思います」