動画にエフェクトをつけて、クオリティをアップさせよう

動画編集を行う際、完成品のクオリティを高めるためにエフェクトを使うことも多いでしょう。エフェクトは、映像だけでなく音声やテキストにもつけられるので、どのような効果のエフェクトがあるのか、どのようなときに使えばいいのかを学ぶと、より良い作品に仕上がります。

ここでは、Adobe Premiere Proで利用できるビデオエフェクトの種類や使い方のほか、YouTubeなどで活躍するDAIGEN TVさんおすすめのエフェクト利用のコツなどをご紹介します。 

エフェクトでできることとは?

エフェクトとは特殊効果のことで、映像や音声、動画に差し込んだテキストなどを装飾することで、自分が表現したいイメージに加工するときに使います。

まずは、エフェクトをつけることで、どのような効果が得られるのかを見ていきましょう。

 

映像に変化を与える

 

尺の長い動画の場合、同じテンポが続くと飽きてきてしまいます。そこで、画面の切り替え時などに変化のあるエフェクトを適用することで、映像のテンポに緩急をつけることができます。

 

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エフェクトによっては、画面を点滅させたり反転させたり、視聴者にインパクトを与えることができるエフェクトもあります。

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映像のカラーを補正する 

 

カラー補正をするエフェクトには、2通りの効果があります。撮影時の映像のカラーを修正する「カラーコレクション」と、色調を補正することでイメージどおりの色彩を持つ映像にする「カラーグレーディング」です。

 

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撮影時にホワイトバランスの調整に失敗したり、曇り空だったために思ったより画面が暗かったりしたときのように、映像素材の色に問題があった場合、カラー補正のエフェクトを適用することで、カラーを調整できます。

 

写り込んでしまった物を消去する・隠す 

 

映像素材によっては、撮影時に映ってはいけない物が入っている可能性もあります。例えば、映像内に著作権法上、NGの商品が映り込んでしまった場合、エフェクトの「不透明度」のツールを適用させて消すことができます。

 

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屋外で撮影する場合、背景に歩行者などが映り込む場合もあるでしょう。この場合も、プライバシーを侵害しないように、エフェクトの不透明度を適用させて顔を隠すといった処理が可能です。

 

音声にエフェクトを適用する 

 

音声にエフェクトを適用することで、水中でしゃべるような声を作ったり、機械的な声にしたりといった表現ができます。

 

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音声のノイズを除去したり、音量を調節したりするのも、エフェクトでできることのひとつです。

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文字にエフェクトを適用する

 

映像に差し込んだ文字にエフェクトを適用することで、文字自体をメインにしたり、映像の内容を補完するものとしたりすることができます。

 

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例えば、俳優が登場する際の映像に、役名をシュッと素早く入るエフェクトならアクティブなキャラクターという印象を与えられますし、ジワリと浮き上がるエフェクトなら落ちついたキャラクターであると表現できます。文字にエフェクトを適用することで、このような効果も狙えるのです。

 

エフェクトを上手に使いこなすためには? 

 

 

エフェクトは、上手に利用すれば作品のクオリティがアップします。続いては、エフェクトを上手に使いこなすためのコツや注意点をご紹介しましょう。

 

エフェクトを適用させるべきかどうか考える 

 

Premiere Proなどの動画編集ソフトのプリセットを利用すれば、簡単にエフェクトを適用させることができます。しかし、本当にエフェクトを適用させることに効果があるのか、客観的に作品を見直すことも大切です。

 

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知っているテクニックがあれば使いたくなりますし、自分のスキルを披露したくなるかもしれません。ですが、動画のイメージに合わないエフェクトを多用すると、自分よがりな作品になってしまい、評価されない可能性があります。エフェクトを適用させる理由や効果を考えて使いましょう。

 

エフェクトの知識を増やす 

 

エフェクトにはたくさんの種類がありますが、どのエフェクトがどのような効果があるのか学ぶのは大変です。エフェクトの使用に慣れるまでは、どのエフェクトをどのようなシーンに適用させるべきか選択に迷うかもしれません。しかし、失敗を恐れずさまざまなエフェクトを適用させてみることで、どの映像にどのエフェクトの効果が最適なのかが理解できるようになります。まずは、利用頻度の高いエフェクトを一通り覚えましょう。

 

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エフェクトの知識を増やすためには、国内外の映像クリエイターのカッコいいエフェクトをまねしてみるのも、ひとつの方法です。海外のクリエイターの動画であれば、「Premiere Pro effects glow」など、適用されている効果から推測して検索してみると、チュートリアルサイトなどを見つけることができます。ぜひ、たくさんの動画を見て、いろいろエフェクトにふれてみてください。

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エフェクトの流行をチェックする 

 

エフェクトには流行もあります。過去に流行したエフェクトを使うと、その動画は少し古臭いイメージになってしまうかもしれません。

そのエフェクトが自分のイメージに合っているかどうか、注意して使いましょう。

 

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新しいエフェクトは次々と登場します。最近ではドローンを利用した空撮画像を使い、キャンプ用のテントを抜けたら別世界に見えるようなエフェクトが人気です。撮影機材などの進化で新しいエフェクトが生まれることもあれば、ソフトウェアによって新しいエフェクトも生まれます。使い慣れたエフェクトだけでなく、常に新しいエフェクトに目を向けていきましょう。

 

 

初心者が知っておきたいAdobe Premiere Proのエフェクト 

 

Premiere Proには、たくさんのエフェクトが用意されています。そこで、初心者が知っておくと便利なエフェクトをご紹介しましょう。

 

クロップ

 

クロップは、映像素材の一部を切り抜きできるエフェクトです。切り抜く範囲を自由に決められるので、四角形だけでなく、円状に切り抜くことも可能です。

例えば、最下層レイヤーに黒画像を置きます。そして、撮影した映像素材の中心だけを切り抜くことで上下に黒い帯ができるので、映画のような映像になります。

 

ブラー(ガウス)

 

ブラー(ガウス)は、映像素材にぼかしを入れることができるエフェクトで、見せたくない物を隠すときなどに使われます。ぼかしは、画面全体でも一部でも適用させることができる上、適用範囲をトラッキング機能で移動させることも可能です。例えば、通行人の顔などを映したくない場合は、トラッキング機能と連携させれば、その通行人が画面上で動いているあいだ、ずっとそのブラーもいっしょに動きます。

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モザイク 

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Lumetriプリセット・Lumetriカラー

 

Lumetriプリセットは、映像素材に適用することで、映画のような表現やモノクロ表現など、カラー補正ができるエフェクトです。

また、自分のイメージに合ったカラーにする「カラーグレーディング」を行いたい場合は、Lumetriカラーと色調レイヤーを使ってカラー補正をすることもできます。

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ドロップシャドウ 

 

ドロップシャドウは、映像やテキストなどの素材に、影の効果を入れることができるエフェクトです。例えば、白文字にドロップシャドウを適用させることで、背景が白でも文字を浮かび上がらせることができます。

 

クロスディゾルブ・ディゾルブ 

 

クロスディゾルブは、映像と映像が切り替わる際に、一度ブラックアウトしてスムーズに画面転換させらせるエフェクトです。ディゾルブは、映像のスタートや終わりに入れることで、黒い画面からフェードインしたり、フェードアウトさせたりすることができます。

 

ワイプ 

 

ワイプは、映像と映像の切り替え時に、さまざまな映像効果を入れることができるエフェクトです。映画「スター・ウォーズ」のように、時計の針が回るように画面転換させるのもワイプの一種です。明らかに場面が切り替わったときなどに使われます。

 

ワープスタビライザー

 

ワープスタビライザーは、映像の揺れを補正するエフェクトです。ビデオカメラを手持ちして撮影した際に、揺れてしまった映像を修正することができます。

 

ワープスタビライザーについては、下記の記事で詳しく説明しています。

フッテージのスタビライズ | Adobe

ノイズ

ノイズは、画面を荒らす効果を持つエフェクトです。例えば、VHSや8ミリフィルムで撮影したような、古めかしい映像に見せることができます。

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ポスタリゼーション時間 

 

ポスタリゼーション時間は、映像のフレームレートを落すことで、カクカクした映像にできるエフェクトです。例えば、コマ撮りのアニメーションのような映像に見せることができます。

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Ultraキー

 

Ultraキーは、映像から指定した色を透過し、背景画像と合成できるエフェクトです。例えば、最下層のレイヤーに星空を置き、上のレイヤー画像から青空の部分を透過すれば、昼の空ではなく、星空の映像に見せることができます。

 

クロマノイズ除去

 

クロマノイズ除去は、音声から不必要な雑音を除去するオーディオエフェクトです。音声データに雑音がある場合に適用することで、クリアな音声に近づけることができます。

 

Premiere Proでのエフェクトの適用方法と使うときのコツ 

 

 

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映像にエフェクトを適用する方法については、下記の記事で詳しく説明しています。

エフェクトの適用と削除 | Adobe

 

調整レイヤーを使って作業する 

 

エフェクトの種類によっては、クリップに直接エフェクトを適用させる代わりに、「調整レイヤー」にエフェクトを適用させることもできます。

 

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調整レイヤーにエフェクトを適用させた場合、元のクリップにある情報は変更されていないので、調整レイヤーを削除すればすぐに元に戻すことができます。特に、カラー調整などを行う場合は、クリップのカラーを直接調整するよりも安心です。

また、調整レイヤーを複製することで、カラー調整を行ったエフェクトを別のクリップにそのまま適用させることもできますから、エフェクトを適用させるときは調整レイヤーを使うのが効率的です。

 

エフェクトパネルのパラメーターを調整し忘れない 

 

エフェクトを適用させたときに注意したいのがパラメーターです。パラメーターの調整によって、エフェクトのイメージが変わることがあります。

 

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イメージに合ったエフェクトを適用させたつもりが、思うような効果が出ないケースもあります。思うような映像になっていないと感じたときは、パラメーターをチェックしてみてください。

 

エフェクトは編集作業の最後に適用させる 

 

編集作業上の流れとして、エフェクトは最後に適用させるとスムーズに進みます。

 

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エフェクトを適用させたクリップを再度編集するのは、二度手間になってしまいます。クリップを再編集した後、その再編集した箇所に再度エフェクトを適用させなければならないからです。

エフェクトを適用させる際には、動画の編集を終えてから順次必要なエフェクトを適用させたほうが効率的です。

 

エフェクトの効果を知り、思いどおりの動画を作ろう 

 

普段、何気なく目にしているテレビや映画、YouTubeといった映像には、実はさまざまなエフェクトが適用されています。エフェクトをつけることで映像のクオリティが上がり、見やすいものになるだけでなく、制作者の意図を演出として加えることが可能です。

動画のエフェクトに注意して映像作品を見ることで、さまざまなエフェクト効果を実感することができます。ぜひ、エフェクトを学んで、思いどおりの動画を作ってみてください。

 

(取材協力:DAIGEN TV