画像も動画も、このアプリひとつで。アートの魅力をいつでも発信
化学メーカーに勤務する傍ら、NPOの講座を通して現代アートを学び、週末は美術館や芸術祭などのボランティアスタッフとして作品ガイドやイベント企画を行ってきた、ぷらいまり。さん。2014年4月、noteのサービス開始直後から、ライフワークとしてアート関連情報を発信するためnoteでの執筆を開始しました。
その活動がきっかけとなり、さまざまな媒体からライターとしての執筆依頼を受けるように。現在はアート系・カルチャー系のwebメディアを中心に、美術館やギャラリーの取材レポート、インタビュー、ニュース解説などを手掛けています。さらにnoteのガイドブック執筆も手がけ、その経験を活かして「Adobe Expressスタートブック 無料で使えるデザインツール」の著者としても執筆活動を展開されています。
「Adobe Expressとの出会いは、約1年前です。noteとAdobe Expressが機能提携し、記事の見出し画像をAdobe Expressで作れるようになったと知り、生成AI機能に興味を持って使い始めました。その後、画像や動画編集の機能を使っているうちに、どんどん楽しくなっていきましたね」
多彩な発信方法を、これ一つで可能に
ぷらいまり。さんは現在、主にnoteの見出し画像の制作と動画編集にAdobe Expressを活用されています。
「noteで展覧会の情報を発信するときは、自分用にテンプレートを作って写真を入れ替えて使っています。Adobe Expressのテンプレート機能を活用すると、目を引く画像がかんたんに作れるのが魅力ですね」
特に展覧会情報の紹介では、毎週のように記事を公開するため、ビジュアルを効率的に作成することが重要なのだとか。ぷらいまり。さんは、記事をより多くの人に読んでもらうための工夫として、Adobe Expressを活用して目を引くグラフィックを作成しています。
「今週末の展覧会や今月始まる展覧会など、シリーズ記事を書くことが多いので、テンプレートを活用することで効率的に作業できています。また、展覧会ごとの雰囲気やテーマに合わせて、テンプレートをカスタマイズすることで、それぞれの特徴を視覚的に表現することができます」
動画編集においても、Adobe Expressならではの利点を活かしているそうです。
「展覧会の様子を紹介する動画は、長すぎず、ポイントを丁寧に伝えることを心がけています。以前は『テキストの表示スピードが速すぎる』というフィードバックをいただいたので、テンポよく、かつ飽きずに見られるよう工夫しています。制作時間は1~2時間程度で、写真にアニメーションを追加したり、テキストを配置したりしながら、見やすい動画に仕上げています」
SNSでの発信では、プラットフォームごとの特性を考慮することが重要だと指摘。YouTubeやXなど、投稿するプラットフォームに合わせてAdobe Expressでサイズや尺を編集し、動画制作を行なっています。
「例えばXでは、長尺の動画はあまり好まれない傾向があります。そのため、30秒程度でダイジェスト的に面白いポイントを詰め込むように心がけています。YouTubeでは、写真が転がるようなアニメーションを加えたり、テンポよく場面を切り替えたりすることで、視聴者が最後まで楽しめる動画を目指しています」
制作の「最初の一歩」を後押ししたい
「Adobe Expressスタートブック 無料で使えるデザインツール」では、Adobe Expressを使ったYouTubeのサムネイル作成やInstagram投稿用の画像制作、チラシやプレゼンテーション資料の作成など、実践的なデザイン制作について詳しく解説されています。ぷらいまり。さんに、本書のポイントについて伺いました。
「Adobe Expressは多機能ゆえに、『何ができるのか』わかりにくい印象がありました。そこで、手順通り進めれば何かしら完成できる、という形式にこだわりました。
私自身、他のAdobe製品の使い方を書籍で学んできた経験があります。そこで感じた『自分で「作った」達成感にたどり着くまでの道のりが長い』という課題を解決できるよう、具体的な制作例を多く盛り込みました。
本の最初に、『とにかくまず何か1つ自分で作ってみよう』というところを、 『この通りやれば作れる』という形の制作手順で示しています。また、Adobe Express単体の操作説明だけでなく、作品の投稿方法も解説しているので、初心者の方でも使いやすいんじゃないかと思います」
さらに、本書ではSNSのプラットフォームごとの最適な画像サイズや効果的な演出方法についても触れています。
「ただツールの使い方を説明するだけでなく、実際の活用シーンを想定した実践的なノウハウも共有できるよう心がけました。SNSでの画像作成や投稿の仕方など、実践的な内容を結構入れ込んでいます。初心者の方でも使いやすいよう、操作手順を細かく説明していますので、ぜひ活用していただければと思います」
やりたいことがある人の「可能性」を広げる
Adobe Expressは「本格的なデザイナーでなくても、やりたいことがある人、いろんな手段で発信したい人におすすめです」とぷらいまり。さん。
彼女自身、現在はライターとして活動していますが、その原点には「魅力的なアーティストや展覧会を紹介したい」という純粋な思いがあったといいます。そのため、文章や写真だけにとどまらず、マンガを描いてみたり、美術館でボランティアとしてトークをしたりと、さまざまな方法を試してきました。
そんな彼女がAdobe Expressを使い始めたのは、「できることの幅が広がる」という点に魅力を感じたからだそうです。テンプレートを活用してInstagramでの発信を始めたり、手軽に動画制作に挑戦したりと、これまで「難しい」と感じていたことがかんたんに実現できたことが、大きな転機となりました。
「こんなこともできるんだ、じゃあ動画を始めてみよう」「Instagramもチャレンジしてみよう」と、ツールそのものがクリエイティブな挑戦を促す存在になっているのだとか。
「やりたいことがある人が、いろんな手段で発信してみたいと思ったときに、すごくおすすめできるツールだと思います。例えば、テンプレートを活用してInstagram用の画像を作成した後、レイアウトを変更してnoteの見出し画像に転用し、Instagramでは画像主体、noteでは文章主体で投稿するなど、効率化しながら様々な方法での発信を試しています」
▲投稿先に合わせてサイズを調整
実は、ぷらいまり。さんは学生時代からAdobe PhotoshopやAdobe IllustratorなどのAdobe製品を使用されてきました。しかし、社会人になってからは制作時間が限られる現実を痛感していたそうです。そんな中、Adobe Expressはテンプレートの充実度や使いやすさで「やりたかったことがかんたんにできる」と感じられたと話します。
「ひとつのアプリだけで、画像編集や動画編集、画像生成AIなど、ひととおりのことが出来るのが大きいです。あと、他のAdobe製品に比べると、やはりテンプレートの種類が豊富であることも大きいですね。Photoshopでゼロから画像を作ろうにもずっと迷走して1時間くらいにらめっこ、みたいなことも多くて(苦笑)。それがかんたんにできるようになりました」
彼女にとって、Adobe Expressは単なるデザインツールではなく、表現の可能性を広げてくれる重要な存在になっています。
アートの魅力を、より多くの人に伝えたい
最後に、今後の活動について聞いてみました。
「アートに関わる情報発信を、さまざまな手段で続けていきたいと思っています。常設展示が魅力的な美術館や、新しくオープンした博物館などを、Instagramのカルーセル投稿で紹介していく予定です。もちろん、おすすめの展覧会の紹介も、noteやXで見せ方を工夫しながら発信し続けていきたいと思っています」
▲ぷらいまり。さんが制作したInstagram投稿
「また、Adobe Expressの魅力をより多くの人に知ってもらいたいので、noteで見出し画像の作り方などの記事も発信していく予定です。noteはユーザーも本当に多いですが、たくさんの記事の中でもぱっと目を引く見出し画像があるとクリックしやすいと感じます。そういう意味でも、noteでの執筆での見出し画像の重要性を実感しています」
多くの人々に新しい発見や感動を届けるため、これからも幅広い手段で挑戦を続けていく姿勢を見せるぷらいまり。さん。これからの活躍がますます楽しみです。
ぷらいまり。|@plastic_candy
アートライター。展覧会レポートやインタビュー記事を中心に、複数のwebメディアで執筆。
著作『Adobe Expressスタートブック 無料で使えるデザインツール』(技術評論社)