Adobe InDesign Serverとは何ですか？

Adobe InDesign Serverは、パワフルな自動パブリッシングソリューションを実現するレイアウトおよび組版エンジンです。デスクトップアプリのInDesign をベースとしており、スクリプトやプラグインを使用したり、パブリッシングワークフロー、素材ファイル管理システム、製品情報管理システムなどの他のシステムに統合したりすることによって、そのデザイン機能、レイアウト機能、タイポグラフィ機能を活用できます。

InDesign Serverは、アドビのパートナーとデベロッパーの広範なネットワークにより実証され、テストされたアプリです。このネットワークは、以下のような様々な方法でお客様の投資利益（ROI）の拡大を支援するソリューションを生み出しています。

• 繰り返し作業の自動化
• ブランド素材作成の自動化による、マーケティングキャンペーンの有効性の向上
• ポータルやwebサイトへの統合により、マーケターやお客様がInDesignを使用することなく、webブラウザーでInDesignテンプレートを変更し、ローカライズ、翻訳、またはカスタマイズが可能
• DAM、PIM、またはeコマースシステムなどのデータソースへの接続により、カタログ、チラシ、大きな構造化ドキュメントなど数多くのドキュメントタイプの作成を自動化

InDesign ServerはInDesignデスクトップ版に対応していますか？

アドビは、毎回デスクトップ版をリリースした直後に、InDesign Serverの新バージョンをリリースしています。お客様のソリューションで、InDesignファイルがデスクトップ版のInDesignおよびInDesign Serverに対応する必要がある場合は、最初に、どのバージョンのInDesignデスクトップ版をワークフローで使用しているか（使用する予定があるか）を特定していただくことをお勧めします。

最適な互換性を実現するには、InDesign Serverとデスクトップ版のInDesignのバージョン番号を一致させる必要があります。現在ご使用のInDesignデスクトップ版のバージョンは、InDesign／「InDesignについて」で確認できます。

現在利用できるInDesign Serverのバージョンを確認するには、必要システム構成ページをご覧ください。

InDesign Serverを既存のCreative Cloudワークフローに統合する方法を教えてください。

InDesignなどのソフトウェアをお使いであれば、そのデスクトップアプリのコンテンツはほとんどがInDesign Serverに読み込むことができます。また、InDesign Serverから、Creative Cloudで使用する様々なフォーマットへコンテンツを書き出すこともできます。

InDesign Serverは、Adobe InDesignやInCopyと何が違うのですか？

InDesign Serverはデスクトップ版のInDesignをベースとしていますが、重要な違いがいくつかあります。

• InDesign Serverにはユーザーインターフェイスが内蔵されていません。
• InDesignと同様に、InDesign ServerはスクリプティングおよびC++のプラグインによって操作できます。さらに、InDesign Serverの場合は、SOAPインターフェイスやJava™ APIでも操作することができます。
• InDesign Serverを利用したソリューションは、複数サーバー上で稼動している複数のインスタンスにより、要件の変化に応じて拡張することができます。
• 厳しい動作確認テストを経たInDesign Serverは、長時間連続稼動が可能です。
• InDesign Serverは、サーバーバージョンのWindows®およびMac OSのオペレーティングシステムで稼動するように設計され、テストされています。
• 同じくInDesignをベースとしたInCopyは、パブリッシングワークフローで使用する文書作成および編集ツールです。InDesign ServerはInCopyの代わりにはなりませんが、自動パブリッシングソリューションという部分では、多くの場合、webベースのエディターというかたちで同様の機能を提供します。これらのソリューションは、単独でも、デスクトップ版InCopy ワークフローの一部としても利用できます。

InDesign Serverはどのような出力形式をサポートしていますか？

InDesign ServerはInDesign と同じエクスポート機能を備えており、INDD、PDF、EPUB、EPS、PostScript®、FLA、JPEG、XHTML、SWF、IDML、InDesignスニペットなど様々な形式に書き出せます。

InDesign Serverエンジンを実行するために最低限必要なシステム構成を教えてください。

InDesign Serverエンジンの必要システム構成は、必要システム構成ページでご覧いただけます。

InDesign Serverと、InDesign Serverを利用した自動パブリッシングソリューションの違いは何ですか？

InDesign Serverはレイアウトおよび組版エンジンです。他のソフトウェアコンポーネントと組み合わせることによって、初めてエンドツーエンドの自動パブリッシングソリューションを構築できます。多数のDAM、PIM、およびパブリッシングワークフローシステムのベンダーが、InDesign Serverとの統合を提供しています。

Web to Printとは何ですか？

Web to Printは、webブラウザー上の簡単なwebインターフェイスを使用して、InDesignで作成したテンプレートを変更するソリューションです。デザイナーでなくても、InDesignファイルのカスタマイズ、パーソナライズ、翻訳をおこなうことができます。印刷業者が開発したB2CソリューションやブランドグッズのB2Bソリューションが数多くあります。

バリアブルデータパブリッシングとは何ですか？

バリアブルデータパブリッシング（VDP）は、データベースの情報を使用して自動的にテンプレートを生成し、受け取る相手に応じて1つひとつ異なるバージョンを単一のドキュメントから作成するソリューションです。InDesign Serverは、VDPソリューションの多くで有効であり、大量生産要件に応じるために拡張することができます。 

InDesign Serverにはどのようなアドビのサポートがありますか？

アドビでは、I/Oサイトで数多くのデベロッパーソリューションを提供しています。InDesign用のSDKとInDesign Serverは基本的に同じものです。デスクトップ版で開発したスクリプトをサーバー版で実行できます。多くのデベロッパーはデスクトップ版から使い始めています。

このブログでは、InDesign Serverの基本を学ぶ方法について様々な質問に回答しています。

アドビはExchangeプログラムを通じてデベロッパーサポートを提供します。これはソリューション開発をおこなうデベロッパー向けのサポートで、必要に応じてサポートケースを購入できます。

独自の自動パブリッシングソリューションを開発するにはどのようなスキルが必要ですか？

構築するパブリッシングソリューションの実績と、C++、スクリプト作成、SOAP、XMLについての実用的な知識が必要です。デスクトップ版InDesignでのソリューション開発経験もあれば、自動パブリッシングで何が難しいかということも分かるので、理想的といえます。

InDesign ServerにはIDMLサポートも含まれており、XML形式でパブリッシュしたリッチなInDesignドキュメントを完全なかたちで表現できます。これにより、XMLでの作成・編集経験のあるデベロッパーに、新たな機会が開けることになります。IDMLを使用することで、InDesignスクリプトやプラグインを使わずに、ソリューションの大部分を構築できます。作成したIDMLドキュメントは、InDesignまたはInDesign Serverを使用して、INDDやPDFといったInDesignファイル形式で表示することができます。

独自ソリューションを開発する場合、詳細情報はどこで入手できますか？

InDesign Serverのカスタムソリューション構築について詳しくは、InDesign Serverチーム（sharewithIDS@adobe.com）に直接お問い合わせください。

InDesign Serverはどの言語に対応していますか？

InDesign Serverはデスクトップ版と同じ言語に対応しています。サポートしている言語については、InDesign Serverの必要システム構成をご覧ください。

InDesign Serverは拡張可能ですか？

InDesign Serverは、個々のビジネスニーズに応じて拡張可能です。購入したライセンスによって、シングルプロセッサーで単一のインスタンスを実行できるか、マルチコアまたは複数のサーバーで複数のインスタンスを実行できるかが異なります。

InDesign Serverの体験版はありますか？

はい。アドビでは、このプレリリースサイトで、フル機能を90日間試せるInDesign Server体験版を無料提供しています。体験版を利用することで、アドビパートナーの自動パブリッシングソリューションを購入前に評価することができます。

InDesign Server体験版は、デベロッパー版とは異なります。アドビは、テクノロジーパートナープログラムに参加しているデベロッパー向けに、透かし入り版を無料で提供しています。お客様は、透かしのない、テストおよびステージングに使用するための開発用バージョンを購入できます。

InDesign Serverの機能を説明したドキュメントには、どのようなものがありますか？

InDesign Serverの技術資料を、InDesignデベロッパーセンターでご覧いただけます。

デスクトップ版のInDesignをサーバーエンジンとして使用すると、エンドユーザー使用許諾契約（EULA）に違反したことになりますか？

はい。デスクトップ版InDesignのEULAでは、自動パブリッシングソリューションを稼動させるサーバーエンジンとして使用したり、他のユーザーを共有したりすることは認められていません。スクリプト用のデスクトップ版InDesignは、サブスクリプションを購入した指定ユーザーのみが使用できます。

ソリューションやテクノロジーは、土台から開発するよりも他のパートナーからライセンス供与を受けたほうがメリットがありますか？

ソリューション全体を自社開発すると、開発コストの管理やInDesign Serverの専門スキルの習得が可能であり、完成後も管理を維持できます。しかし、他のパートナーのテクノロジーを使用すれば、リスクの低減と早期の製品化が可能なうえ、自社以外の開発経験を活用することができます。アドビはコンサルティングやトレーニングを提供していません。社内に専門知識がない場合は、パートナーとの協力を検討してください。 

InDesign Serverには、ロードバランシングとキュー管理の機能がありますか？

アドビはロードバランシングを提供していません。複数のパートナーの標準的なロードバランシングソリューションが市販されています。

InDesign Serverの処理速度は？

InDesign Serverは非常に処理速度の速いサーバーエンジンとして設計されており、例えば何千ファイルものPDFを1時間で作成できます。ただし、お客様とデベロッパーの皆様には、InDesign Serverと、InDesign Serverで稼動するソリューションの違いをご理解いただく必要があります。InDesign Serverで稼動するソリューションには、処理速度や拡張性に影響を与える他のテクノロジーや要素が含まれています。

InDesign Server SDKに含まれているのパフォーマンスとスケーラビリティに関するツールキットを利用すると、InDesign Server単独の処理速度を計測できるうえ、より広範なパブリッシングソリューションに組み込まれたInDesign Serverの処理速度を計測する方法も利用できます。このツールキットには、このようなテストをモニタリングし、結果のレポートが生成されるコンソールが含まれているほか、すぐにテストを実行できるスクリプトもあらかじめ用意されています。パフォーマンスとスケーラビリティに関するツールキットには、InDesign Serverのパフォーマンス最適化方法についてのガイドも含まれています。

InDesign Serverを使用しているデベロッパーは、他にどのようなリソースを利用できますか？

アドビフォーラムにも役立つリソースがあります。こうしたフォーラムでは、他のInDesign Serverデベロッパーに質問することができます。ただし、フォーラムは正式なサポートに代わるものとして作られているわけではありませんので、必ず質問に対する回答が得られるとは限りません。

初めてInDesign Serverを使用するデベロッパーの皆様には、サポートやガイド、あるいは有償で開発コンサルタントサービスを提供する他のパートナーとの提携をお勧めします。InDesign Serverのパートナーについては、パートナーファインダーでリストをご覧いただけます。

アドビにパートナーとそのソリューションを宣伝・販売してもらうために、パートナーは何をすればよいですか？

Exchangeプログラムに参加してください。ソリューションを市場に出す際に、アドビのアカウントマネージャーまたはパートナーマネージャーがそのソリューションを詳細まで理解できるようにご協力いただければ、パートナー様をパートナーファインダーに掲載するよう検討させていただきます。

InDesign Serverのパートナーファインダーにパートナーとして掲載されるには何が必要ですか？

ユーザーの推薦コメントをお出しいただける出荷製品があるか、他のパートナーまたはお客様に開発トレーニングやサポートサービスを提供している必要があります。Exchangeプログラムに既に参加している場合は、ヘルプデスクに問い合わせて、ソリューションの掲載を依頼してください。