よくある質問

ラスター画像プロセッサー(RIP)は、印刷システムにおいて不可欠なソフトウェアコンポーネントです。ドキュメント(通常、テキスト、写真、イラスト、グラフィックを含む)を印刷する場合、最初のステップは、ドキュメントデータをプリンターが扱える形式に変換することです。この形式はページ記述言語(PDL)と呼ばれます。プリンタードライバーソフトウェアは、テキスト配置、フォント選択、グラフィックレンダリング、カラーマネジメントなどの指示を含むPDLファイルを生成します。

PDLファイルが印刷用に送信された後、RIPが引き継ぎます。プリンターの頭脳として、RIPは入力されたPDLから、ラスター画像(ビットマップ画像)を生成し、それをプリンターが用紙にマーキングします。ラスタライズプロセスでは、PDLファイルに存在するドキュメントデータ(線、曲線、テキストなど)をラスター画像に変換します。ラスター画像は、最終的な印刷ページの外観を表し、各ピクセルにはトナーやインクの色、濃さ、位置に関する情報が含まれています。

RIPは、元のデザインの複雑さと豊かさを印刷で忠実に再現します。RIPはまた、正確なカラーとフォントの管理や、透明度、ハーフトーンなどを調整して印刷で忠実に再現します。

Adobe Embedded Print Engineは、A4、A3、およびエントリーレベルのラージフォーマットプリンター向けのアドビの最先端RIPテクノロジーです。多様なデバイスタイプに対応する世界中の数百万台のプリンターで活用され、すべての印刷が元のデザインの品質で、意図した通りに反映されるようにします。

現在、世界中で何兆ものPDFドキュメントが流通しています。ドキュメント形式として注目される理由は、画面上で見ても、印刷物として出力しても、ドキュメントの品質と外観を正確に再現できる点にあります。PDFはデバイスの独立性を体現しており、コンテンツの完全性と書式を保持したまま、さまざまなデバイスでドキュメントを複製することができます。PDFはまた、最終段階でのオブジェクトレベルの操作や最適化を可能にし、比類のない柔軟性を提供します。

PDFはドキュメント形式であるだけでなく、現在使用されている多くのプリンターや複合機(MFP)で扱えるPDLでもあります。これにより、PDFは世界共通の言語となり、エンドツーエンドの印刷ワークフローが標準化され、クロスプラットフォームやハードウェアの互換性が問題になることはありません。すべてのモバイル印刷サービスは、PDFへの変換をサポートしています。さらに、PDFはDigital Rights Management(デジタル著作権管理)にも対応しています。PDFのサポートをデバイスレベルのPDLとしてプリンターに組み込むことで、印刷速度や出力精度などのパフォーマンス属性に一貫性が生まれ、信頼性の高い均一な印刷エクスペリエンスがもたらされます。

デスクトップデバイスは、あらゆるドキュメントをPDFとして印刷し、Microsoft IPPクラスドライバー、Mopria認証プリンターと互換性のあるWindowsのプリンタードライバー、およびmacOSのAirPrintを介してプリンターにジョブを送信できます。PDF対応プリンターを使用することで、ユーザーはデスクトップ表示に忠実な印刷出力を得ることができます。現在および将来にわたるPDFの利用に影響を与えるもう一つの重要な要素は、モバイルおよびクラウドコンピューティング環境におけるPDFのサポートです。AirPrint(AppleのiOSデバイス用)やMopria(Androidデバイス用)などのサービスや、クラウド印刷プラットフォーム(Microsoft Universal Printなど)を使用して、モバイルデバイスからプリンターにPDFを送信するケースが増えています。PDFは従来のオフィス印刷の規範を守るだけでなく、モバイルやクラウドコンピューティングの動的な環境とシームレスに統合します。

ネイティブPDF印刷に対応したプリンターがあれば、さまざまなメリットを享受できます。これらのメリットは、印刷パフォーマンスの向上、迅速な処理、思い通りの出力(特にカラー)につながります。その他のメリットは以下の通りです。

  • 正確な出力:画面に表示された内容を出力で正確に再現します。当社の「what you see is what you get」(通称、「WYSIWYG」)テクノロジーにより、印刷結果がデスクトップまたはモバイルデバイスの画面に表示されるコンテンツと一致します。レポート、画像、プレゼンテーション、エンジニアリング図面など、PDFネイティブプリンターは、コンテンツを紙上に忠実に再現します。
  • デバイス間で安定した印刷出力:ネイティブPDFの統合により、ホームオフィスの個人用プリンターや従来のオフィス環境でのエンタープライズクラスのデバイスなど、さまざまなデバイス間で安定した印刷出力を実現します。
  • 優れたカラー品質:インターナショナル・カラー・コンソーシアム(ICC)プロファイルをサポートし、カラーを正確に表現することで、カラー印刷エクスペリエンスを向上させます。
  • シームレスなクラウド印刷とモバイル印刷:クラウドとモバイルのサポートにより、どこからでも簡単に印刷できます。2つの重要な処理効率:
    • PDFのコンパクトなドキュメントサイズは、帯域幅の限られたモバイルネットワークでの効率的な伝送を可能にします。
    • 特にモバイルデバイスを使用する場合、デバイスの解像度で印刷することで、(ラスター形式よりも)優れた印刷品質を実現します。
  • 変換の手間を排除:形式変換に頭を悩ませる必要はありません。ネイティブPDFのサポートにより、PDFと、PCL、PostScript、ラスターなど、印刷でサポートされている他の形式との間の変換が不要になります。処理効率の向上と印刷時間の短縮が実感できます。

Embedded Print Engineは、比類のないパフォーマンスと信頼性でマーケットを席巻しています。A3 RIP分野では他の追随を許さないリーダーであり(マーケットシェア70%以上)、2026年までにA4 RIPマーケットの65%以上を占めると予想されています。

印刷OEMメーカーはEmbedded Print Engineを厚く信頼しています。Adobe Creative CloudやAcrobat、Adobe Expressの基盤となるコアテクノロジーを使って、高い価値のコンテンツを期待どおりに正確に提供することに特化しています。

アドビプリントチームは、数十年にわたるコンサルティング経験を生かし、パートナーに最高レベルのガイダンスとサポートを提供します。当社のアプローチには、2名体制の専任アカウント管理が含まれ、シームレスなコミュニケーションと問題解決を確実にするため、2名のテクニカルアカウントマネージャーを配置しています。

Embedded Print Engineは、イノベーションと未来への備えを重視し、最新の業界やテクノロジーのトレンドを取り入れ、効果的に活用することに注力しています。あらゆる印刷ニーズにワンストップのソリューションを提供し、オフィスのあらゆる印刷デバイスで安定した印刷エクスペリエンスを実現します。

アドビの財務基盤は、研究開発への継続的な投資を可能にします。柔軟で競争力のあるライセンスモデルとの組み合わせにより、Embedded Print Engineは、自社の製品を進化させ、競走の激しい業界で優位に立とうとする印刷メーカーにとって最適な選択となります。また、アドビの高いブランド価値を活かし、パートナー各社のマーケティング戦略にアドビブランドを活用することができます。

Embedded Print Engineは、さまざまな印刷デバイスに組み込むことができる汎用性の高いRIPソリューションであり、比類ないパフォーマンスと信頼性でマーケットをリードしています。A3 RIPセグメントでは他の追随を許さないリーダーであり(マーケットシェア70%以上)、2026年までにA4 RIPマーケットの65%以上を占めると予想されています。A3/A4セグメントで選択される業界きってのRIPテクノロジーであることに加え、最近のEmbedded Print Engineの強化により、複雑さを最小限に抑えながら、自己完結型LFPの機能を最大限に活用できるようになりました。したがって、Embedded Print Engineは、オフィスのワークグループプリンターで最高のパフォーマンスを発揮し、個人向けプリンターで最小限のリソースで効率的かつ高品質な印刷を提供し、ラージフォーマットプリンターで最高の印刷忠実度を実現するための最適なテクノロジーです。  

Embedded Print Engineの機能をご検討中のプリンターメーカー様には、評価プロセスを開始するための便利なオプションをご用意しています。すでにアドビプリントチームのアカウントマネージャーが配属されている場合は、まずは直接ご連絡ください。これまでのお取引や具体的なニーズに基づき、貴社に合ったアドバイスやサポートをご提供いたします。

専任の担当者がいない場合でもご安心ください。当Webサイトの「お問い合わせ」フォームにご記入いただくか、aepe@adobe.comまで電子メールをお送りください。その際、ご関心のある内容、具体的なご要望やご質問の概要をお知らせください。

お問い合わせいただきましたら、専任チームがすみやかに折り返しご連絡させていただきます。貴社固有のニーズとご期待を徹底的に理解することをお約束します。包括的なプレゼンテーションを用意しておりますので、Embedded Print Engineの革新的な機能とパフォーマンスについてご案内します。印刷ワークフローへの導入と統合について、十分な情報に基づいて決定していただくために必要な情報をすべて提供したいと考えています。

印刷機器バイヤーの皆様は、当社のプリンターメーカーパートナーが提供するさまざまな印刷デバイスをご覧になり、要件に最も適したものをお探しください。

Adobe RIPやクローンテクノロジーを使っているかどうかにかかわらず、プリンターメーカー様はEmbedded Print Engineにスムーズに切り替えることができます。既存のAdobe RIPからの移行は、簡単なプロセスとなりますのでご安心ください。インターフェイスへの変更は最小限に抑えられ、スムーズな移行を確実にするため、包括的な文書と専任サポートをご提供します。移行のタイムラインは、実装するカスタマイズによって異なる場合があります。新しいアーキテクチャやコアテクノロジーのメリットをご活用いただけるよう、カスタマイズの移行を当社チームがお手伝いします。Adobe以外のテクノロジーからEmbedded Print Engineに移行する場合、すみやかで手間のかからない移行を可能にするために、包括的な技術ワークショップ、豊富な文書、世界水準の継続サポートをご提供しますので、安心してAdobe Embedded Print Engineへの移行を進めることができます。

Embedded Print Engineは、リソースに制約のある個人向けプリンターから使用量の多いオフィスのワークグループプリンター、ラージフォーマットプリンターまで、さまざまなデバイスに対応します。私たちは、貴社が特定のマーケットや地域向けにさまざまなデバイスを開発しており、それぞれに独自のビジネスモデルやニーズがあることを理解しています。このことを念頭に置いて、私たちは要件に合わせた柔軟なライセンス条件を提供しています。私たちの長期的なビジョンは、Adobe Embedded Print Engineをベースとした製品をマーケットに導入し、貴社の成長をサポートすることです。

Appleでは、Appleデバイスからのシームレスな印刷のための厳しい基準を満たしたプリンターおよび複合機(MFP)にAirPrint認証を付与しています。これらの基準には、AirPrintのワークフローに不可欠なさまざまなデバイスのテストが含まれています。重要な基準の1つとして、デバイスで印刷されるRIP処理後のPDFの品質とパフォーマンスの評価があります。

アドビはAppleと緊密に協力し、Embedded Print EngineのAirPrint認証を取得しました。これは貴社にとって何を意味するのでしょうか?貴社の印刷機器にEmbedded Print Engineが搭載されているとします。その場合、AirPrint認定テストスイートに必要なPDF印刷の品質とパフォーマンスについて保証されます。AirPrintの厳しい標準に対応できるかどうか心配する必要はありません。Adobe Embedded Print Engineがそれらすべて対応しているからです。

アドビでは、世界水準のエンジニアで構成されるチームが、世界有数のプリンターメーカーとのコラボレーションにおいて重要な役割を果たし、さまざまなマーケットセグメントに合わせた優れたデバイスを製造できるよう支援してきました。私たちの取り組みは、貴社のプリンタープラットフォームへのEmbedded Print Engineの実装を保証するだけではありません。

貴社のニーズは、Embedded Print Engineの範囲を超えていることもあります。そこで私たちは、貴社の印刷サービスにさらなる価値を付加するエンドツーエンドのソリューションを提供します。カスタマイズされたソリューション、高度な機能、包括的なサポートなど、どのようなご要望にもお応えします。  

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お問い合わせについては、aepe@adobe.comまで電子メールをお送りください。