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ADOBE DESIGN MAGAZINE

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小江戸からの情報発信を裏で支えるAdobe®  Creative Suite® 4

川越市の広報室では、DTP環境を刷新させた。スタッフの入れ替えが定期的に行われる自治体において、常に安定したクオリティを維持しなければならない川越市広報室が選択したのは、Creative Suite 4だった。今回は川越市役所を訪れ、広報紙作りの現場を取材した。

埼玉県川越市は、県の中央部のやや南部に位置し、34万人もの市民が生活する閑静な住宅街だ。近年は東京のベットタウンとして注目を浴びている川越だが、江戸時代には江戸の経済を支える物流の要所として重要な役割を担ってきた。江戸との縁が強く、その繋がりや反映ぶりから川越は“小江戸”とも呼ばれ、商人が行き交う賑やかなまちとして栄えてきた。

今でも当時の面影を残す"蔵造り”の町並みが残されており、東京からわずか1時間ほどの立地条件の良さもあって、国内外から訪れる観光客でいつも賑わっている。 そんな川越市の“現在”を伝える広報紙の制作現場でCreative Suite 4が活躍しているという。今回は川越市役所に訪問し、自治体が発行する広報紙の制作現場を取材した。

埼玉県川越市役所

埼玉県南部に位置し、古くから残る蔵造りの町並みは“小江戸”と呼ばれ、近年では、都心から近い観光地として人気を集めている

http://www.city.kawagoe.saitama.jp/


職人技にこだわるのではなく、内容にこだわりたい。

市民の目線から見た広報紙作り

多くの自治体で地元住民に向けて広報紙を発行しているが、その多くは、自治体の施策や活動報告、イベントの告知を主な目的としている。川越市でも、広報紙“広報川越”を月2回発行し、市民や市外からの移住者、観光に訪れた人たちに川越市がどのようなまちであるかを伝えている。

広報紙作りの難しさは、行政から情報を一方的に伝えるのではなく、市民の目線で見た現在の"川越"を伝えるための工夫が求められる点だ。現在、“広報川越”の編集・制作を担当する同市広報室の矢野雄一氏は、広報紙における紙面構成の難しさについて、次のように語ってくれた。

「川越市は東京に近く、商業、農業、工業のバランスが整ったまちとして知られています。もちろん良いことなのですが、情報を伝える側にとっては、読者ターゲットが絞りにくいということでもあります。市の広報紙は、読者を制限しないことが重要ですので、幅広い読者に興味を持ってもらえるようなテーマ作りに一番気を使っています。」

普段、私たちが何気なく手にしている広報紙に、読み手には意識させない気遣いや工夫が凝らされていることがわかった。

フォーマットとクオリティの維持に注力

自治体における広報紙作りでは、行政機関ならではの課題が残されている。それは人事異動により、制作スタッフが入れ替わる可能性があるという点だ。市役所では、毎年、人事の入れ替えが行われ、それまで編集や印刷に携わったことのない職員が、突然、広報の編集担当となるケースも珍しくはない。現在、広報紙の編集を担当している矢野氏の場合も、水道関連の事業部からの転任だったそうだ。

「広報室に転任してきて、まず初めに苦労したのはMac OSの操作でしょうか。」

矢野氏が赴任したばかりの広報室では、当時一般的であったMac OSを利用したDTP環境だった。Windowsの操作には慣れていた矢野氏だったが、勝手の違うPCでの作業は予想以上に困難だったと言う。加えて、写真撮影から文字校正までこなさなければならない編集業務は、初心者にとって戸惑うことも多かっただろう。

ようやく慣れてきたMac OSもDTP機材のリース契約が終了を迎えることになり、広報室が次なるDTP環境として、WindowsとCreative Suite 4を軸とした環境を視野に入れることになったのは必然的な流れと言えよう。

 

川越市庁舎

蔵造りの町並みからほど近い場所に位置する埼玉県川越市役所庁舎

広報川越

Adobe InDesign CS4を利用して制作された広報川越。週ごとに4色カラー版と2色版が交互に発行されている


「制作環境を刷新するにあたって、既存のMac OSの環境をアップグレードして従来のソフトウェアを継続利用する案も検討されました。市のイントラネットなどは基本的にWindows環境を想定して構築されており、職員の多くは、Windows環境での操作に慣れていました。広報紙を担当するスタッフは、まず不慣れなMac OSの使い方を勉強した上で、編集や写真撮影の仕事にも慣れなければならないので、二重の苦労が必要になります。ちょうど、機材のリース期間が終了を迎える時期でもあったので、この機会にDTP環境をWindows環境に移行することを考えました。」

基本システムをWindowsにすれば、異動により新たに広報編集の担当者になった職員は、少なくともOSの違いで悩むことはなくなる。その分の手間を内容作りに活かすことができれば、作業効率の向上にも役立つと考えた結果の決断だった。とは言え、制作するスタッフやDTP環境によって紙面の内容や体裁が大きく変わってはならない。以前と変わらないクオリティを維持することが絶対条件だった。こうした様々な条件を加味し、かつ入念な調査を経た結果、Creative Suite 4が採用されたわけだ。

Windows Vista上で稼働するInDesign CS4

Windows Vista上で稼働するInDesign CS4。段落スタイルや表組の作成機能など、多くの機能が作業効率の向上に 役立っているそうだ