優れた組織の一員になる

以前は、一度就職したら何年も同じ職場に留まるのが普通でした。今ではどの職種においても、キャリアを通じて仕事から仕事、あるいは業界をまたいだ転職までもが一般的になりました。雇用市場は変化し、就労者は自分のライフスタイルに合わせ、職場を問わずにスキルを発揮したいと考えています。

プロフェッショナルスキルの重要性

新しい仕事を探す理由が何であれ、幅広いスキルで秀でていれば業界に関係なく成功する可能性が高いでしょう。現在、就ている職においても、プロフェッショナルスキルを向上させていけば、従業員としての自分の価値を高めることにつながり、また、将来、別のキャリアに転換するチャンスが訪れた時にも、それに備えておくことができます。

では、どのようなプロフェッショナルスキルを身につけるべきでしょうか。現在の仕事や業界にこだわったスキルである必要はありません。さらに広い範囲に適用できるスキルを考えましょう。

ハードスキルが必要か、あるいはソフトスキルが必要か考慮してみましょう。ハードスキルは通常、具体的に得られるスキルです。基準に定められた知識や、技術的な知識及びスキルを伴います。こうしたスキルは、正式なトレーニングコースを受講することで得られますが、経験を通して、または自己学習で得ることもできます。

ソフトスキルも同様に重要です。ソフトスキルは通常、個人の性格や他の人々への反応に関係してきます。ソフトスキルは履歴書に書いても説得力はそれほどありません。それは、毎日の仕事環境において示し、周りに良い印象を与えるものでなければなりません。ソフトスキルはプロフェッショナルな関係やネットワーキングに、大きな影響を及ぼします。

既に自分が「人当たりの良い人間」かどうか、分かっているかもしれません。プロフェッショナルの世界は、それが高度にテクニカルな業界であったり、リモートワークであったとしても、人々のつながりで成り立っています。この分野の実践的な知識を得るために、時間とエネルギーを費やすのは賢明と言えるでしょう。

現在の仕事においてさらに向上したい場合も、新しい分野のキャリアに転向したい場合も、毎日のスケジュールをこなしながら、プロフェッショナルスキルを開発するにはどうしたらいいでしょうか。全てを同時にする必要はありません。2つか3つのスキルを選び、それを現在のルーティーンに組み込んでいくと良いでしょう。プロジェクトやプロフェッショナルスキルを伸ばせる機会を探し、優先的するスキルを向上させていきましょう。

A businessperson sits at a desk working on a desktop computer

仕事で成功につながるハードスキル

ハードスキルとは、特定のソフトウェア技能や基本的なITトラブルシューティングなど、教育や訓練で習得し、測定できる技術的なスキルを指します。

多くのハードスキルは技術的な特質を有しているため、求職者の中には大学で特定の教科を学んだ人、あるいは研修プログラムを受けた人だけが習得できるものだと思っている人もいます。しかし、STEM学位と技術的な研修だけがハードスキルを習得する手段ではありません。プロフェッショナルな人は、多くの優れたオンラインリソースで、時間を有効に使って新しいスキルを習得しています。これから身につけたい、あるいは継続して習得したいハードスキルをいくつかご紹介します。

デジタルリテラシー

デジタルリテラシーには、コンピューターと関連技術に関する知識が含まれます。コンピューター、タブレット、モバイル機器の使い方に関する知識は大半の仕事に不可欠です。入力、Webブラウザ、データの保管や移動に関する知識はすべてデジタルリテラシーに含まれる事柄です。

今日の就労者の多くは、デジタルリテラシーを低学年の頃から習得しています。しかし、テクノロジーが変化し続ける時代では、デジタルリテラシーを当然のことと考えてしまいがちです。そのため、例えばフロッピーディスクの時代に仕事を始めた労働者が、クラウドベースの職場環境に移行する際にいくつかつまずくことがあるかもしれません。最新のテクノロジーの進歩を常に確認して、テクノロジーの専門用語に遅れを取らないようにしておくことが大切です。

コミュニケーション技術

コミュニケーションとコラボレーションはどの仕事でも重要です。電子メール、インスタントメッセージ、ビデオチャット、クラウド文書のノートの使い方を知っていれば大半の職場で役に立ちます。リモートワークをする人が増え続けるにつれ、コミュニケーション技術の使い方を理解してリモートワークをスムーズにこなすことのできるスキルが益々重要です。

分析及びリサーチのスキル

基本的なインターネットのリサーチの方法を知っている場合、それだけでこのスキルを持っていると思いがちです。しかし、確固とした分析及びリサーチのスキルを習得するには、特定のテクニックとベストプラクティスを理解する必要があります。

自分が携わる業界での、情報収集の方法、報告書の書き方とプレゼンテーションの方法、情報の理解の仕方を学びましょう。それぞれの分野で何が最適な情報源なのか学び、情報の記述者、オーディエンス、目的、時間、形式が、自分の疑問にどれだけ正確に答えてくれるか判断して下さい。あるトピックについて役に立つ新しい見解を生み出すために、リサーチ課題を形成し、データを収集し、情報を分析するのは、スキルを伸ばすため練習として、またそのスキルを人に示すためにも良い方法です。

Two photos: A businessperson works at a desk with a cup of coffee and headphones; A businessperson engages in a video conference on their laptop

一般的なソフトウェアとアプリケーション

さまざまなオペレーティングシステム(MacやPC)やソフトウェアを使用できるスキルがあれば、一度に多くの新しい知識を学習せずとも、転職をスムーズに行うことができます。

さらに高度なソフトウェアスキルがあれば、役職や専門スキルのレベルによっては、広告、IT、会計などさまざまな業界で就労できる機会が増えます。広範囲に対応できるソフトウェアのスキルは、給与に反映されることはいうまでもなく、個人の成長や進歩の機会が広がるため、履歴書の充実を図ることができます。新しいソフトウェアに慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、以下のような基本的事項を理解しておけばスムーズに学習を進めることができます。

ワードプロセッサーの使用:

ワードプロセッサーの使用: 文字で書かれた文書は、考えを表現する最も基本的な手段です。Microsoft Wordは標準的なワードプロセッシングソフトですが、企業によってはGoogle Docs やまったく別のアプリケーションを使用していることもあります。そのため複数のソフトの使い方を知っておくのもよいでしょう。

プレゼンターション:

優れたプレゼンテーションは見る人の注意を引くことができ、主張したいことを視覚的に訴えることができます。文章を飾りたてる必要はとくにありませんが、PowerPointやKeynote を使って効果的な伝え方を知っていれば、画面上で文書を共有するよりも、言いたいことが伝わりやすくなります。

スプレッドシート:

スプレッドシートは散乱しているデータを明確な情報に変えます。ExcelやGoogle Sheets のようなスプレッドシートソフトの基本的な知識を持っておくことで、仕事で知識を活用する機会がなくても、職場で優位に立つことができます。

メディア編集:

オーディオ、動画、画像ファイルは、プレゼンテーションや出版物に深みを与え、洞察を加えることができます。Photoshop のように普及している画像編集ソフトやJPG画像やPNG の基本を理解していれば、さまざまな画像を処理する際に役に立ちます。

コミュニケーション:

コミュニケーションソフトウェアは、どこにいても同僚と意思の疎通ができるソフトです。Slack やSkype、Zoom のようなツールがあれば、他の人とプロジェクトや業務で共同作業をしている時に、アイデアや考え方、意見などを口頭や文字で効果的に伝えることができます。

文書管理:

文書管理は同じ業務に従事している人や、製品を使用しているエンドユーザーと情報を保存、共有できる機能です。Adobe Acrobatのようなソフトウェアがあれば、ほんどのデバイスを介して他の人と連携でき、チームメンバーは必要に応じてファイルの編集パスワード保護署名を行うことが可能になります。また、便利なことに ファイルを、 外出先から携帯電話でAcrobat Readerの無料モバイルアプリを使って見ることができます。

基本的なITトラブルシューティング

コンピューターの予期しないトラブルは発生するものです。よく起こる問題の解決法や基本のITツールの使い方を理解しておけば、精神的な動揺を大幅に抑え、業務に支障をきたす事なく問題解決ができることを周りに示すことができます。各種機器のクラッシュに対応できれば、小さなエラーが起こるたびにITサポートを呼ばなくてもよくなります。重要なコツ:予期せぬことが起こったら機器を再起動してみることです。それだけでかなり多くのITトラブルを解決できます。

A businessperson sits at a desk working on a desktop computer

仕事にかかわらず成功をもたらすソフトスキル

ソフトスキルとは、他の人と円滑かつ効果的に交流できる能力を意味します。コミュニケーション、チームワーク、適応力、対人能力のようなスキルがあれば、属している業界、抱えている問題に関係なく、人との共同作業や連携がスムーズにできるようになります。

コミュニケーション

FlexJobs 社のキャリア開発マネジャー兼キャリアコーチであるブリー・ウェイラー・レイノルズ氏は「コミュニケーションはリモートワークを成功させる真の基盤です」と語ります。オンラインでのコミュニケーションは対面での会話より難しいかもしれませんが、必要なスキルなのです。

多くの雇用主が優れたコミュニケーションスキルを重要視しています。仕事の相手と実際に会えない場合、どのようなコミュニケーションの方法を使っていますか?Eメール、電話、オンライン会議などをどのように使いこなしていますか?オンラインであろうと対面であろうと、コミュニケーションスキルの高さをアピールできれば、将来の雇用先で注目を浴びるかもしれません。

チームワーク

不要な衝突を避け、またそれが実際に起こった場合には解決し、友好的に仕事を進められるスキルは重要です。

組織で働く人にはさまざまな個性、仕事のスタイル、背景、主張があります。さまざまな人とうまく仕事ができなければ、仕事は思う通りに進まなくなるでしょう。しかし、他人が持つ価値観を理解し、各自が業務に貢献できることを認識し、それぞれの役割のつながり方を把握できれば、精神的な負担を抱えることなく組織全体がスムーズに運営されます。

タイムマネジメント

タイムマネジメントのスキルは大切です。このスキルがあれば、労働時間を最適化し、期限を厳守して仕事を順調に進めることができます。また、ワークライフバランスをうまく保つためにもタイムマネジメントは重要です。

柔軟性

仕事は時に最悪のタイミングで変更されるものです。仕事の大きな変更は必然的に起きるものだと想定して備えておくことが大切です。これまで経験したことのない状況でも、それを把握する力を持つこともストレスを緩和するのに役立ちます。変化に対応する能力に自信があれば、自身の仕事、業務、チームに余裕を持って対応できます。

細かい点に注意を払う

これは多くの人々が履歴書に書き、使い古された長所となっているかも知れませんが、実際にこのスキルを示すことができれば、それは非常に貴重なことです。自分の専門が、財務、マーケティング、HR、法律、カスタマーサービス、などその他何であれ、細かい点に注意を払うことができれば、クライアント、顧客、同僚に大きなインパクトを与えることができます。

このスキルを向上させるには、自分の仕事によって影響を受ける人々に注意を向け、彼らに対して最高の仕事をしようという態度を育てていくようにしましょう。さらに実践的なことを言えば、時間をかけて仕事を分析的に考察し、系統立てて作業をするのが良いでしょう。責任を持った態度で注意深い行動をとることにより、細部にまで注意を払うということを、実際に目に見えるスキルとして伸ばしていくことができます。

A female business professional develops the professional skill of public speaking by presenting at an event.

公の場でのスピーチ

公式のスピーチかどうかにかかわらず、公の場で話すということは、企画提案を共有したり、または企画の発表をしたり、会議を主催したり参加したり、こうした多くの状況において必要となる重要なスキルです。決定が下され、自分の影響力を他に与える必要がある時、公の場で話すスキルが役立ちます。

公の場で話す技術はソフトスキルですが、簡単なことではありません。声や体を使った表現に意味を持たせ、伝えたいメッセージや訴えたい疑問点を、戦略的かつ分析的に考察しなければなりません。

このスキルを磨くには、自信を持ったボディランゲージについてリサーチし、練習しましょう。適切な声の大きさで、はっきりと発声し、バラエティとリズムのある話し方を練習して下さい。このトピックについては、本やYouTubeの動画から資料が得られます。

もし時間があるなら、前もって時間を計りながらリハーサルをしておきましょう。簡潔で、覚えやすく、簡単に理解できるようにすることを心がけて下さい。最終的なゴールを念頭に置き、スピーチの詳細をゴールに向けて関連づけるようにしましょう。オーディエンスにも気を配って下さい。あまりに多くのことを考慮しないといけない、と思うかも知れませんが、実際にその通りなのです。しかし、誰にでもできることです。習得するのに1番良い方法は、練習することです。

自信を持つ

自信の量を測ることはできません。しかし、周りの人々はそれを感じます。そして自信を持つことで、努力が成功へとつながります。このスキルを習得する上で、あらゆること全てにおいて完璧に自信を持つ必要はありません。

このリストのそれぞれのスキルを伸ばしていくことが自信につながりますが、他にも自信をつける方法はあります。いつも楽にやっている仕事から飛び出して、新しい企画にチャレンジしてみましょう。何か難しいことを達成したら、そのあとで振り返る時間を作り、何が上手くいったのか、どんなスキルをそこから得たか、を考えてみて下さい。信頼できる友人や同僚に、ポジティブで、特定の事柄に関するフィードバックをもらいましょう。

着る服からも自信は得られます。自分自身と周りの人々に対して、ポジティブな言葉を使いましょう。自分を多少卑下したユーモアを見せると、驕り高ぶった印象にはなりませんが、自分のアイディアや能力に対して自信を持って表現するのは重要なことです。自信を持つということは、他より優れていることを見せるのとは違います。周りの人達に親切にし、気をつかってあげると、そこに自分の気持ちが反映されます。

固定した考えと、成長を促す考え方の違いを理解しましょう。固定した考え方において、人は自分の能力や自信はコントロールすることができない要因によってきます、と考えがちです。一定の何かに秀でているか、そうでないか、という考え方です。成長を促す考え方とは、少しの努力と好奇心があれば、人はほとんどの事において、それについて学び、新しいスキルを身につけることができる、という考え方です。成長を促す考え方を持っていると、自分の間違いを許すことができ、特定の分野において真の自信を培うことができるまで、何度もトライする辛抱強さが生まれます。

改善する機会は、知識や経験に関係なくどこにでもあるものです。ひとりで何でもこなせる人はそういませんが、スキルを生かし、自分に合う仕事を見つけ、楽しく充実感を得られるような仕事につける可能性は誰にもあるものです。自分の長所と関心事は何かを知り、それらを追求し続け、成長すること意欲的である限り、職場に関係なくプロフェッショナルとして成功することができるのです。

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