予期せぬ事態が発生した場合でも、重要なファイルや身分証明書、金融関係の書類が紛失するのを防ぐためにこのガイドを利用しましょう。
重要な文書を災害から守る

デジタル文書の緊急時対応計画を作成する
押し寄せる洪水や予期せぬ火事のように、一瞬にして人生を変えてしまう出来事は考えたくもないことです。ファイルを安全に保つためのポリシーを常時備えておくことは重要なことです。外付けハードディスクのような電子バックアップも万全ではありません。災害が起こった時に家に置いてあれば喪失してしまうでしょう。直接影響を与えない事象であっても、送電網やバックアップサーバに被害が及ぶことで電子文書が影響を受けることがあります。
自然災害による保険金請求処理が100%デジタル化していると保険会社のUSAAが伝えています。このことは、デジタル文書とバックアップがいかに重要視されていることの証左です。重要文書を保管するデジタルファイリングキャビネットの作成については、以下のリストを参照しましょう。
まず重要文書のチェックリストを作成する
文書の保護やバックアップができるのは、追跡を必要とする場合のみであるため、文書の緊急時対応計画の第一段階としては、最重要書類をすべて保管することです。以下のリストを利用して、重要書類を見落とさないようにしましょう。
文書を識別する
- 社会保障カード
- 出生証明書
- 結婚証明書
- パスポート
- 住所を証明できる書類
- 氏名変更に関する書類
- 軍籍身分証明書
- 民族の身分証明書
- 市民権に関する書類
- 査証
- 職業に関する証明書
金融関連の書類
- 税金に関する情報
- 保険に関するポリシー
- 銀行の取引明細書と記録
- 請求書
- 給与明細
- 保証書関連情報
- 高額購入の領収書
- 投資取引明細書
- 支払い済み医療費の控え
- 受取人書式
- 退職金と年金プラン
- 相続文書

不動産関連書類
- 賃貸契約書
- 不動産契約書
- 住宅ローン取引明細書
- 車両関連文書
- 評価額に関する情報
- 高額品目購入証明
- 入居・退去点検レポート
法的書類
- 遺言書
- 委任状関連文書
- 信用文書
- 死亡証明書
- 法的申告書
- 子供の親権に関する文書
- 養子縁組に関する文書
- 離婚に関する文書
- 帰化に関する文書
医療に関する書類
- 健康保険証
- 予防接種の記録
- 支払い済み医療費の控え
- 障害に関する文書
- 退役軍人管理局(VA)文書
次のような文書保管に関するベストプラクティスに留意していきましょう
紙と電子文書をどのように保管しているかによって保護対策を決めておく必要があります。すべての文書を安全に維持するには、コピーと複数の保管場所が確実に必要となるため、以下の手順に従いましょう。
紙の書類の保管についてのコツ
近年では多くの文書が電子化されるようになりましたが、社会保障カードように紙のままで維持されているものも多少あります。紙は火事や洪水が起こると簡単に紛失したり損傷したりするため、再発行する必要性が出てきます。
あらゆる状況を想定できるソリューションはありませんが、紙の書類をハードコピーしてバックアップできる方法として以下のような方法があげられます。
- 文書を防水加工の容器に保管する
- 同じ種類の文書を同じ場所に保管する
- 直感的に使用できる簡単なファイリングシステムを構築する
- 可能であれば、電子バックアップコピーを作成する
- 重要文書を封鎖する
- 緊急時対応キット の一部としてコピーを封印バッグに入れておく
- コピーを安全で確実な外部の場所に保管する

重要書類の電子コピーをバックアップする方法
文書の電子コピーなら、アクセス、保管、検索がとても簡単です。また多くの場合、紙のコピーよりも安全です。ただし電子コピーですら事故で紛失することもあります。サーバー室の損壊、メンテナンスの不備、あるいはサイバーセキュリティ対策の弱さなどが電子文書をリスクにさらします。
災害が起こった時に重要な電子文書を保護するには、次のような対策を検討しましょう。
- 重要な画像ベース文書をスキャンしてPDFに変換する
- PDFや他のファイルを保管するため簡単なシステムを構築する
- PDFをわかりやすく整理して各ファイルにある各項目を検索しやすくする
- クラウドバックアップとコラボレーションツールを利用して 安全なデジタルコピーを作成する
- 電子ファイルストレージを専門とする管理会社を検討する
- 使用を検討しているリモートファイル管理会社に災害などの緊急時の対応が確立されているかを確認する
- パスワード保護を利用する
- 多要素認証を利用する
- 電源のバックアップ対策を策定しておく
- オンラインバンキングなどのオンラインオプションを利用する
- 組織における効果的なファイル共有システムがあることを確認する
- コピーを外付けハードディスクに保存して安全な外部施設に保管する
文書やデータを将来にわたって保護する
最も安全なデジタルバックアップを利用しても、文書がよく整理されていなければ、時間の経過と共に文書の追跡機能を失ってしまうこともあります。Adobe Acrobat のツールがあれば、デジタルファイルのキャッシュを整理された状態に保つことができるのでファイルを使いやすくなります:
- PDFや関連ファイルを統合し、明瞭なラベル付けをすることで、重要な情報を検索する
- PDFや他のファイルを圧縮し必要に応じてストレージスペースを削減する
- 定期的にリスクアセスメントを実施する
- ファイルの精度、品質、ファイリング基準への遵守について定期的に確認する

小規模企業経営者や起業家がファイルを保護する方法
規模の大きな企業よりも少ないリソースで事業を運営している小規模企業経営者や起業者、起業家の方にとって、使いやすいシステムによるバックアップやファイルの保護は、経費が負担となるかもしれません。しかし、ファイルを保護するための対策が不可欠であることに変わりはありませんので以下のような対策をとりましょう。
- 事業者登録やライセンス、帳簿、税関連書類、クライアント情報、ビジネス文書など、ビジネスの運営に関わる法的文書を確認してバックアップをとる
- 連絡先や請求書などクライアントや財務関連の情報を保護する
- 個人的な文書とビジネス上の文書を別々に保管する
- リスクアセスメントを実施する
- スタッフ全員が使いやすく基準を満たしたファイリングシステムを構築する
- 文書をデジタル化して、重要なファイルの電子記録を残らずに備えておく
- クラウドコラボレーションとバックアップシステムを利用する
- 多要素認証を利用して、各文書とそれらが保管されているクラウドシステムを保護する
- 文書の電子コピーを外付けハードディスクに保管するか、文書の紙のコピーを別の安全な場所に保管する
予期せぬ出来事に備えるために利用できるその他のリソースは以下の通りです
- Adobe Business Continuity and Disaster Recovery:大規模な混乱が生じた際に企業が通常のビジネスオペレーションを再開するのを支援するために作られたプログラムです
- FEMA.gov: 米連邦緊急事態管理局(Federal Emergency Management Agency)は災害発生時とその後に国民を支援するために発足しました
- Ready.gov: Readyは自然災害のような緊急事態に国民が適切に対応できるよう支援する公的サービスキャンペーンです
- Ready.gov (リスクアセスメント): このページはリスクアセスメントに関する説明と大規模な緊急事態に関するリスクを評価するための勧告、事例、リソースを提供しています
- DisasterAssistance.gov: 災害の発生後に利用できる地域支援を見つけ申請できる検索ツールです
最善の計画が予期せぬ状態に陥った時に、最重要書類がクラウドで安全に維持されていると考えるだけで安心できるものです。Adobe Document Cloudのようなデジタルバックアップ技術は、問題が起きた時のライフセーバーとなります。このクラウドはデジタル文書のあらゆるニーズにすばやく簡単に応じることのできるソリューションです。重要なファイルや文書を紛失することもなく、安心することができます。
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