誰かが作ったPDF形式の文書をチェックするときや、自分で使うPDF資料の重要な箇所を目立たせたいときは、PDFにマーカーを引いてみましょう。基本的にPDFはそのままでは編集出来ませんが、編集用のツールを使うとPDFにマーカーを引けます。
この記事では、無料の「Adobe Acrobat オンラインツール」を使って、PDFにマーカー(ハイライト)を引く方法と、うまく引けない場合の対処法をご紹介します。
Acrobat オンラインツールは、無料でPDFの編集や圧縮、他形式に変換できるツールです。PCからはページにアクセスするだけで、ブラウザでカンタンに作業できます。スマホで作業したい場合は、無料アプリ「Adobe Acrobat Reader」をインストールすると編集できます。デバイスにあわせてご使用ください。
無料ツールでPDFにマーカーを引く方法
ここでは、PCおよびスマホでPDFにマーカーを引く方法について紹介します。作業したいデバイスに応じて、必要な見出しを参照してください。
【PC】Acrobat オンラインツールでPDFにマーカーを引く方法
PCでPDFファイルにマーカーを引く場合は、Acrobat オンラインツールの「PDFの編集」機能が便利です。
以下で手順を紹介します。
【手順1】「PDFを編集」にアクセスしファイルをアップロードする
「PDFの編集」のページにアクセスします。画面中央の「ファイルを選択」をクリックし、PCに保存されているファイルを選択、またはボタン付近のエリアにファイルをドラッグ&ドロップしてください。
PDFファイルがアップロードされたら、Googleアカウントやメールアドレスでログインします。(ログインは無料で、すぐに完了します)
【手順2】ペンマークを選択し、マーカーを引く
画面左上にあるペンアイコンをクリックして「ハイライト表示」を選びましょう。アイコンの列の最下部から、マーカーの色や太さを変えられます。
色や太さを調整したら、後はマーカーを引きたい場所をマウスでドラッグするだけです。
【参考1】一度引いたハイライトを削除したい場合
ハイライトをクリックし、画面右側に表示されるコメントの三点リーダーから「削除」を選択しましょう。
【参考2】連続してマーカーを引きたい場合
複数箇所に続けてマーカーを引きたい場合は、マーカーのツールを選んだ状態で、画面左下にあるピンのアイコンをクリックしましょう。ピンが青色に変わったら、マーカーのツールを選んでいる状態が保持され、連続して複数箇所にマーカーを引けるようになります。
再度ピンをクリックすると、ピン留めを解除できます。
【手順3】ファイルをダウンロードする
画面右上の「ダウンロード」をクリックします。さらに、表示されたポップアップの「PDFをダウンロード」をクリックすると、マーカーを引いたPDFファイルをダウンロードできます。
【参考】PDFファイルをリンク(URL)で共有する
第三者にPDFファイルを共有する場合は、リンクでの共有がオススメです。「ダウンロード」の左にあるリンクのアイコンを選択し「リンクを取得」をクリックすると、共有用のリンクをコピーできます。
リンクを共有された相手は、リンク先にアクセスするだけでPDFファイルの内容をブラウザ上で閲覧できます。また、ブラウザ上でマーカーやコメントを付けることもでき、変更内容はリアルタイムで反映されるので確認もスムーズです。
誤って別のファイルを共有してしまった場合は、クラウドストレージからファイルを削除しましょう。リンクが無効になり、PDFファイルの内容を閲覧できなくなります。
【スマホ・タブレット】Acrobat ReaderのアプリでPDFにマーカーを引く方法
スマホやタブレットでPDFファイルにマーカーを引く場合は、無料アプリ「Adobe Acrobat Reader」が便利です。
以下で手順を紹介します。
【手順1】アプリをインストールし、ファイルをアップロードする
以下のリンクより、作業するOSに応じてアプリをインストールしてください。
【Android版】Acrobat Readerをインストールする
インストールしたら、画面右下の「+」アイコンをタップし「ファイルを開く」を選択します。ファイルの保存先が複数表示されるので、編集したいPDFファイルを選択しましょう。
【手順2】ペンマークを選択し、マーカーを追加する
ファイルをアップロードしたら、画面下部の「ハイライト」をタップしましょう。ペンアイコンが青色に変わったら、マーカーを引きたいテキストを指で選択し、マーカーを引きます。
画面右下の丸いアイコンをタップすると、マーカーの色を変えられます。マーカーを引き終えたら、画面左上の「完了」をタップして内容を保存してください。
【参考】一度引いたハイライトを削除したい場合
削除したいマーカーを選び、三点リーダーをタップします。「削除」の表示をタップすると、マーカーを削除できます。
【手順3】編集後のファイルを保存する
編集後のPDFファイルをデバイスに保存する場合は、画面右上の三点リーダーをタップし、「コピーを保存」を選択します。保存先を選択してファイルを保存してください。
【参考】PDFファイルをリンク(URL)で共有する
第三者にPDFファイルを共有する場合は、リンクでの共有がオススメです。画面右上の上向き矢印のアイコンをタップし、「リンクを取得」→「リンクを作成」の順に選択します。
※スマホの機種によっては「リンクを取得」をタップするだけで共有用のリンクをコピーできます
共有用のリンクが発行されるので、コピーしてチャットツールやメールに貼り付けて相手に伝えましょう。共有されたリンクにアクセスするだけで、PDFファイルをすぐに閲覧できます。相手が「Acrobat Reader」のアプリをインストールしていれば、アプリ上で閲覧やコメント追加などをしてもらうことも可能です。
ここまで、PCおよびスマホ、タブレットでPDFファイルにマーカーを引く方法を紹介しました。PDFファイルの状態によっては、テキストを選択できなかったり、思い通りの位置にマーカーを引けなかったりする場合があります。
続いて、そうした場合の対処法をお伝えします。
PDFにマーカーをうまく引けない場合の対処法
PDFファイルにマーカーを引こうとしたときに、以下のような問題が生じて困ったことはないでしょうか。
- 連続してマーカーを引けない
- テキストを選択できない
- 「読み取り専用」と表示され編集できない
- 図形にきれいにマーカーを引けない
このような問題について、ひとつずつ対処法を解説します。
1.連続してマーカーを引けない
Acrobat オンラインツールの「ハイライト」機能は、最初の設定では一度マーカーを引くと自動でツールの選択が解除されるようになっています。
複数箇所に続けてマーカーを付けたい場合は、マーカーのツールを選んだ状態で、画面左下にあるピンのアイコンをクリックしましょう。ピンが青色に変わると、連続して複数個箇所にマーカーを引けます。
なお、再度ピンをクリックすると、ピン留めを解除できます。
2.テキストをまっすぐ引けない、またはテキストを選択できない
PDFファイルのテキストを、マウスでドラッグしたりタップしても選択できない場合があります。これは、PDFファイルがテキストデータを持っていない、つまりテキストとして認識されていないためです。
テキストを選択できるようにするには、「OCR(文字認識機能)」を使って、PDFファイル内のテキストをテキストデータとして認識させる必要があります。有償の「Adobe Acrobat Pro」を使えば、OCRを使ってPDFのままファイル内のテキストを認識できます。
その結果、テキストを選択してマーカーを付けられるようになります。
Acrobat ProでPDFファイルのテキストを認識させる方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
3.「読み取り専用」と表示され編集できない
PDFファイルを開くと、以下のように表示されPDFを編集できない場合があります。これは、PDFファイルがパスワードによって保護されているためです。
このようなPDFファイルを編集したい場合は、パスワードの設定を解除する必要があります。
有償の「Adobe Acrobat Pro」を使えば、パスワード設定を解除できます。なお、解除するには、設定されたパスワードが必要です。PDFファイルを自分で編集する必要がある場合は、あらかじめPDFファイルの作成者にパスワードを聞いておきましょう。
4.図形にきれいにマーカーを引けない
図形を囲むようにマーカーを引くことも可能ですが、真っ直ぐ線を引けない場合があります。
このような場合は、図形を使ってみましょう。画面左の「A」のアイコンを長押しし、「丸で囲む」を選択します。線を好みの色に変更したら、囲みたい画像の上に配置し、形を調整しましょう。
この方法なら、カンタンにきれいな線で囲めます。
PDFの編集や変換に便利な「Adobe Acrobat オンラインツール」
ここまで使い方をご紹介してきた「Adobe Acrobat オンラインツール」は、「PDF」というファイル形式を開発したアドビが提供しているツールです。あまりPDF編集ツールを使わない方でも、直感的な操作でカンタンにPDFの編集や変換ができます。
最後に、Acrobat オンラインツールがPDF編集にオススメといえる3つの理由をご紹介します。
【理由1】無料でPDFに関する20以上の機能を使える
この記事でご紹介した機能を含め、Acrobat オンラインツールにはPDFに関する20以上の様々な機能が備わっており、すべて無料で使えます。
例えば、以下のような機能も活用すると、PDFファイルの内容のチェックや第三者への共有を、よりスムーズに行えます。
文書や資料にフィードバックする際に、PDFファイルにコメントを付けられる機能です。
PDFファイルをクラウドストレージに保存し、共有用のリンクでPDFファイルを共有すれば、複数人で同時にアクセスしてコメントすることも可能です。
● PDFを圧縮する
圧縮レベルを3段階から選んで、PDFファイルのサイズを軽量化できます。
WordやExcel、PowerPoint、JPGといった様々な形式のファイルを、PDFに変換できます。
【理由2】安全にPDFを編集できる
Acrobat オンラインツールにアップロードされたファイルは暗号化されます。その後、ログインせずにAcrobat オンラインツールを利用した場合、アップロードしたファイルはサーバーから削除されるようになっています。ログインして利用した場合は、アップロードや変換したファイルは暗号化されたのち、クラウドストレージに自動で保存され、いつでも削除できます。
【理由3】WindowsやMacといったOS、スマホやタブレットといったデバイスを問わず使える
Acrobat オンラインツールは、ブラウザ上で動くオンラインツールです。そのため、インターネット環境があれば、WindowsやMacといったOSや、スマホやタブレットといったデバイスを問わず使えます。(一部の機能は、スマホやタブレットで使うときにアプリのインストールが必要です)
また、ソフトのインストールが不要なので、会社の規定でソフトをインストールできなくても、ブラウザを開くだけでPDF編集ができます。
なお、Acrobat オンラインツールは、無料の場合、利用回数に制限があります。有償版のAdobe Acrobat Proなら、Acrobat オンラインツールの全機能を回数無制限で使えます。それに加えて、電子署名やOCR(文字認識)といった機能もご利用可能です。
(※Creative Cloudのコンプリートプランを既にご契約中の方も、回数の制限なく全機能をお使いいただけます)
PDFファイルのレビューをはじめ、PDFファイルの整理やパスワード保護など、PDFに関するあらゆる作業で、Acrobat オンラインツールをぜひお役立てください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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