【PDFをOCRでテキスト認識】オンラインでWordやExcelに変換も

昨今、ビジネスシーンや日常生活の中でペーパーレス化が進み、様々な書類をPDF形式で扱うことが増えてきました。
その中で、PDFファイルのテキストをコピーしたり検索したりして、資料の作成や管理を効率よく行いたいという場面もあるでしょう。
そんなときに便利なのが、OCR(文字認識機能)です。
本記事では、OCRの基本やメリットをわかりやすく解説しながら、無料のオンラインツールを使って、PDFをOCRでテキスト認識・検索可能にする方法を紹介します。
また、PDFのテキストを抽出して、Microsoft WordやMicrosoft Excelですぐ使いたいという方のために、PDFをWordやExcelへ変換・編集する方法もご紹介します。
オンラインツールへアップロードしたファイルは暗号化され、短時間でサーバーから削除されるので、安全にお使いいただけます。
無料のAcrobat オンラインツールを使って「OCRでテキスト認識」する
OCRとは
OCR(オーシーアール)とは、光学文字認識(Optical Character Recognition)の略で、PDFファイルの中からコンピューターが文字を自動で識別し、デジタルのテキストデータに変換する技術のことです。
通常、PDFファイルに記載された文字は画像データの一部となり、基本的にはテキストのコピーや検索はできません。
しかし、OCR機能がついたツールを使ってスキャンすれば、テキスト情報が自動で文字認識され、テキストのコピーや検索が可能なPDFファイルとして保存できます。
また、OCRを使えば、PDFだけでなくJPEGやPNGといった画像内の文字認識もできます。
レシートや領収書をスマホのカメラで撮影するだけで、自動で内容を読み取ってデータ化する家計簿アプリや経費精算アプリなどは、OCRを使っている場合があります。
OCRを使うメリット
次に、OCRのメリットを具体的に見ていきましょう。
OCRのメリットは、大きく分けて2つあります。
1.データ入力や資料作成を効率化できる
OCRを使えば、データ入力にかかる時間や労力を大幅に削減できます。
例えば、単純に紙の書類をスキャンしてPDFデータにしても、文字が認識されないため、テキストをコピーすることはできません。
そのため、紙の書類をデジタルデータへ変換しようとすると、手入力の作業が必要です。
しかし、OCR機能がついたスキャナーを使えば、紙の書類をスキャンするだけで文字をテキストデータとしてコピーできるようになり、他の文書へ利用できます。
あわせて、手入力の際に起こりがちなデータの読み間違いや打ち間違いなどの人的ミスを減らせるメリットもあります。
2.PDFでの文書管理を効率化できる
OCRにより、PDF内のテキストを検索できるようになります。
一般的なPDFファイルの場合、ファイル名や日付での検索はできますが、PDFに記載されている内容までは検索できません。
そのため、PDFの内容を検索したい場合は、一つひとつ目視での確認が必要です。
しかし、OCRを使ってスキャンや保存をしたPDFであれば、PDF内の文字がテキストデータとして認識されます。
WordやExcelなどと同様に、PDFファイル内のテキストを検索でき、短時間で目的の情報や資料を見つけることが可能です。
情報の検索性が大幅にアップするため、これまで資料を探すのにかかっていた時間を削減し、効率的に文書管理ができます。
また、情報や資料の共有もスムーズになるため、業務全体の効率化にもつながるでしょう。
ここまで、OCRを使うメリットについて解説しました。
次の章では、無料のAcrobat オンラインツールを使って、OCRでPDFのテキストを認識する方法を紹介します。
【無料】PDFをOCRでテキスト認識・検索可能にする方法
ここからは、Acrobat オンラインツールの「PDFをOCR処理」機能を使い、PDFファイルのテキストをコピーや検索可能な状態にする方法を紹介します。スキャンしたPDFファイルのテキストもコピー可能になるため、とても便利です。ぜひ試してみてください。
【手順1】Acrobat オンラインツールにPDFをアップロードする
Acrobat オンラインツールの「PDFをOCR処理」のページにアクセスし、PDFファイルを以下いずれかの方法でアップロードします。
- グレーの破線で囲われたエリアに、PDFファイルをドラッグ&ドロップする
- 中央の「ファイルを選択」ボタンをクリックして、PDFファイルを選択する
【手順2】PDF内の言語を選択して「テキストを認識」をクリックする
【手順3】無料でアカウント作成・ログインする
テキスト認識が完了したら、画面左のボタンからAcrobat オンラインツールに無料登録・ログインします。GoogleやFacebookアカウント、Apple IDがあれば、すぐにログインできます。
【手順4】テキスト認識後のPDFをダウンロードする
ログイン後の画面右上に表示される「ダウンロード」ボタンをクリックし、テキスト認識処理済みのPDFファイルをダウンロードします。これで、PDFファイルのテキストがコピーや検索可能な状態になりました。
続いては、「PDFファイルのテキストをコピーして、WordやExcelで使いたい」という方に、オススメの方法を紹介します。それは「PDFをWordやExcelへ変換する」という方法です。PDFファイル内のテキストをコピーし、WordやExcelに貼り付けて使うのであれば、OCRを使うよりも、ファイルの形式ごと変換してしまう方がスムーズに編集できて便利です。
【無料】PDFのテキストをWordやExcelで使用する方法
PDFファイル内のテキストをWordやExcelで使いたい場合は、PDFをWordやExcel形式に直接変換しましょう。
特に、何ページにもわたるPDFファイルの場合、1ページずつテキストをコピーするより、PDFを丸ごとWordやExcelに変換する方が効率的です。
Acrobat オンラインツールの「PDFをWordに変換」や「PDFをExcelに変換」といった機能を使えば、あっという間にPDFファイルをWordやExcelファイルに変換できます。
変換方法は「PDFファイルをアップロードするだけ」と、とてもカンタンです。
ここからは、PDFからWordへの変換手順を解説しますが、基本的にExcelの場合も操作手順は同じです。
以下の動画でも手順を解説していますので、お好みの方法でご確認ください。
【手順1】変換したいファイルをアップロードする
「PDFをWordに変換」のページへアクセスします。
ExcelやPowerPointへ変換したい場合は、以下のリンクから同じ手順で変換してください。
変換したいPDFファイルを、「ファイルを選択」から選択するか、グレーの破線で囲われたエリアにドラッグ&ドロップしてください。
すると、自動的にPDFファイルがアップロードされ、あっという間にWordファイルに変換されます。
【手順2】Wordファイルをダウンロードする
画面左上に「ダウンロード」のボタンが表示されるので、クリックしてWordファイルをダウンロードしましょう。
ダウンロードしたWordファイルは、PCにインストールされているWordソフトを使って編集や保存ができます。
ここまで、無料のAcrobat オンラインツールを使って、OCRでPDFのテキストを認識する方法や、PDFをWordやExcelへ変換する方法を紹介しました。
次の章では、OCR機能でテキスト認識がうまくできない場合の対処法について解説します。
テキストがうまく読み取れない場合の対処法
OCRを使ったものの、テキストがうまく認識されなかったり、読み取り後のテキストが間違っていたりする場合もあります。
そんなときは、元のPDFファイルや画像を補正したり、スキャンし直したりしてみましょう。
以下で紹介する3つの対処法を試してみてください。
対処法1.Adobe Acrobat Proの補正機能を使う
元のPDFや画像が暗かったり、文字がゆがんだりしている場合は、テキストが正確に認識されません。
そんなときは、有償版「Adobe Acrobat Pro」の「スキャンとOCR」の補正機能を使ってみましょう。
元のPDFや画像を調整して、テキストを読み取りやすく補正できます。
Acrobat Proには7日間の無料期間があるので、この機会にお試しください。
Acrobat Proを7日間の無料お試し期間で使ってみる
画像補正の詳しい方法は、以下のリンク先を参照してください。
Adobe Acrobat Proの「カメラ画像を補正」機能を使用する
対処法2.高解像度でスキャンする
紙の書類をスキャンしたPDFファイルや画像の場合、スキャン時の解像度が低いと文字がぼやけてしまい、テキストがうまく認識されないことがあります。
その場合、400〜600dpi程度の高解像度でスキャンし直してみましょう。
また、スキャンする際は、できるだけ書類が傾かないよう真っ直ぐにすると、読み取り精度が上がります。
対処法3.OCR機能がついているスキャナーでスキャンする
手元に紙の書類がある場合は、OCR機能がついているスキャナーでスキャンし直すのも一つの手です。
OCR機能がついた無料のスキャンアプリ「Adobe Scan」なら、スマホで撮影するのと同じ要領で、紙の書類やホワイトボードの内容を、テキストデータが読み取れるPDF形式で保存できます。
お使いのスマホのOSに合わせて、以下のリンクからAdobe Scanのアプリをダウンロードしてお試しください。
【iOS版】無料のAdobe Scanをダウンロードする
PDFをOCRでテキスト認識・編集するなら「アドビ」ツールが便利
OCRを使えば、PDFファイルを見ながら手作業でテキストを入力したり、目視で検索したりする必要はもうありません。
本記事で紹介したアドビツールを使ってPDFに関する作業を効率化し、時間やコストの削減に役立てましょう。
用途別に使いやすいツールをそれぞれご紹介します。
PDFのまま、OCRでテキスト認識・検索する/PDFのテキストをWordやExcelで使用するなら「Adobe Acrobat オンラインツール」
「Adobe Acrobat オンラインツール」は、ブラウザでPDFの変換や編集ができる無料のオンラインツールです。
WindowsやMacなどのOSや、PC・スマホといったデバイスを問わず、手軽に利用できます。
⚫️Acrobat オンラインツールの特長
1.オンラインで安全に使える
Acrobat オンラインツールは、アップロードされた情報を暗号化します。ログインせずにAcrobat オンラインツールを利用した場合、アップロードしたデータはサーバーから削除されるので安全です。ログインした場合は、アップロードや変換をしたファイルは暗号化してクラウドストレージに自動で保存され、いつでも削除できます。
(セキュリティに関する取り組みについて詳しくはこちらもご確認ください)
会社の規定でインストール型のツールは使用できない、という人にもオススメです。
2.ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる
基本操作は、ツール画面にファイルをドラッグ&ドロップするだけ。
画面上で目的に合った機能を選ぶだけで、細かな操作を覚えなくてもPDFの変換があっという間に完了します。
3.無料で25種類以上のPDF編集作業ができる
以下のような、PDFに関する25以上の機能を無料で使えます。
以下の記事では、Acrobat オンラインツールで使える機能と詳しい使い方を紹介していますので、PDFの効率的な編集にぜひお役立てください。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
紙の書類を撮影してOCRでテキスト認識するなら「Adobe Scan」
無料のスキャンアプリ「Adobe Scan」は、スマホで手軽に紙の書類をPDFに変換できるツールです。
AIによる鮮明なスキャン機能や、PDFファイル内の文字認識ができるOCR機能を兼ね備えているため、クリアで読みやすく、テキストのコピーや検索が可能なPDFファイルに変換できるのがメリットです。
⚫️Adobe Scanの特長
1.紙の書類をスマホでカンタンにPDFに変換できる
スマホのカメラで撮影するのと同じ要領で、紙の書類やホワイトボードなどの内容を手軽にPDFに変換できます。
AIによる画像補正で、読みやすく鮮明なPDFを作成します。
2.OCRによりPDFのテキストを文字情報として認識する
OCR機能がついているため、Adobe Scanでスキャンしたデータは、テキストのコピーや検索が可能なPDFファイルとして保存できます。
3.変換後のPDFファイルをPCでも編集できる
Adobe ScanでPDFに変換したデータは、自動でアドビのクラウドストレージに保存されるため、同じアカウントでPCからアクセスして編集することも可能です。
OCRやファイル形式の変換機能を使えば、どなたでもスピーディーにPDFを活用した資料作成ができます。
PDFの作業にかかる時間やコストの削減にぜひお役立てください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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