Firefly AIで生成されたモダンな住宅のスケッチ

建築に役立つAIプロンプトを書く方法

適切なテキストプロンプトと少しのノウハウさえあれば、建築家は生成AIを活用してアイデアを探究し、ビジョンを形にしてさらにレベルアップさせることができます。

建築に関するプロンプトを書くための3つのヒント

  1. プロンプトを書き始める前に、生成AIがプロセスのどこに適合するかを理解します。これで、特定のニーズに合ったプロンプトを書くことができます。
  2. プロンプトはできるだけ具体的かつ詳細に記述します。予期しない結果が生成されても前向きに受け止めます。
  3. 短時間でアイデアを突き詰めてディテールを確定できるように、自分なりのプロンプト作成の公式を確立します。

ボーナスヒント:既存の画像について普段の言葉で説明するプロンプトを書く練習をします。

プロンプトをデザインし、環境をデザイン

これまでに画像生成AIを使用した経験があれば、わずかな単語だけで精細かつスタイリッシュな画像を作成できることを既にご存じでしょう。しかし、楽しく探究する(土星の環にいるユニコーンやルネッサンス風のペットの絵画を想像してください)にも環境デザインに使用するにも、生成AIプロンプトの活用にはある程度の経験が必要です。

 

建築家にとって、生成AIについての実践的な知識は、2Dデザインや3Dモデリングのような他のデジタルスキルと同じくらい重要になってきています。ただし、ビジュアルデザインのスキルとは異なり、生成AIは言語表現に依存して、求められる結果を生み出します。

 

少しのノウハウと実践の積み重ねで、建築家は、ビジュアルデザインに注いでいるようなこだわりやディテールを取り込んだプロンプトをデザインできるようになり、その成果を新たな高みに押し上げることができます。

Firefly AIで生成したモダンなロフトアパートメント

Adobe Fireflyのテキストから画像生成モジュールで生成

プロンプト:大都市の中心にある豪華で都会的なロフトの室内

建築に関する生成AIプロンプトの基本

建築家にとって必須の生成AIスキルは非常にシンプルで、「作成したいイメージを言葉で説明する」に尽きます。最初は、次のベストプラクティスに従います。

1 3つ以上の単語を使用する

テキストベースの画像生成AIは、ユーザーの入力、つまりプロンプトで使用された単語にもとづいて新しい画像を作成します。提供できる情報が多ければ多いほど、生成される結果は、何であれユーザーが想像しているものに近づく可能性が高くなります。

2 具体的に書く

生成型AIは驚くべきテクノロジーですが、人間の心を読むことはできません。大きさ、カラー、スタイル、建築運動、立地、建築材料、雰囲気など、思いつく限りのあらゆるディテールを含めます。

3 普段の言葉を使う

プロンプトを書く練習として、見慣れている画像をシンプルでわかりやすい言葉を使って説明する方法があります。例えば、「ピンクの2階建てのビクトリア様式住宅、タレット、切妻、ドーマー窓、緑と白のトリミング」とします。完全な文でなくても、また文法のミスがあっても構いません。友人や同僚が理解できるプロンプトであれば、おそらく画像生成AIにも理解できます。

4 オーディエンスを意識する

AIで生成した画像をクライアント、クラスメート、同僚と共有する予定がある場合は、その人たちがどのように反応するかを考えて、それをプロンプトに織り込みましょう。画像に人物を追加するとフレンドリーさが増す、または特定の風景を指定するとそのコンセプトに対するオーディエンスの共感が大きくなるといった具合です。

5 自分らしさをプラスする

生成AIを、自分のビジョンを新しくエキサイティングな方法で表現するのを助ける共同制作者と考えてください。自分らしさを出すためにはプロンプトに何を加えればいいでしょうか?使用するプロンプトに自分の価値観や美学を反映させるにはどうすればいいでしょうか?

環境デザインのために基本的なプロンプトを使っていろいろ試しながら、一歩引いて、実践で生成AIを使用する理由と方法を検討することを忘れないでください。何かしらの画像を生成することと、これだという画像を生成することには大きな違いがあります。それはこのテクノロジーがプロセスのどこに適合するかにも関係します。

Firefly AIで生成されたモダンな住宅のスケッチ

Adobe Fireflyのテキストから画像生成モジュールで生成

プロンプト:コンクリートとガラスで造られたモダンなミニマルスタイルの家の建築スケッチ、インクで手描き

生成AIを使うべきときとそうではないとき

現役の建築家、建築学生、関連業務に就いている人など、誰であってもおそらくプロジェクトで使用している標準的なプロセスがあるはずです。生成AIを自分のワークフローに取り入れる際には、過度に期待し過ぎないことです。

 

建築の実務に生成AIを導入する方法はいくつかあります。

コンセプト設定

設計の方向性をひとつに定めて多くの時間を費やす前に、奇抜なアイデアのプロンプトを書いてみて、実際にはどのようになるかを探ってみましょう。

基本設計

平面図、敷地計画、立面図などをどこまで拡張できるかを確認します。何度もプロンプトを試していけば、その過程で次のすばらしいアイデアが見つかるかもしれません。

画像編集

ゼロから始めるのではなく、生成AIプロンプトを使用して、空を置き換えたり景観要素を追加したりするなど、既存の画像の一部を変更します。

画像生成AIはそれぞれ異なるため、同じプロンプトであっても返される結果は様々です。使用するAIを最大限に活用するには、時間をとってその構築方法と仕組みを理解してください。例えば、Adobe Fireflyは、Adobe Stockなどの使用許諾を受けたコンテンツのデータセットおよび著作権の切れた一般コンテンツでトレーニングされており、商業利用可能です。

プロンプト作成を成功に導く公式

基本を習得し、建築プロジェクトでどのように生成AIを使用するかを把握できたとして、プロンプトから優れた結果を得るためにできることは他にもたくさんあります。プロンプト作成の公式、すなわち繰り返し使用できる応用の利く構成は、生成AIをプロセスに取り込むことを考えている建築家や建築学生にとって便利なツールとなります。

建築に関するプロンプトの公式の例

自分の公式を、穴埋め問題と考えてください。事前に組み立てをしっかり決めておけば、あとはディテールを追加するだけです。すぐに使える例をいくつかご紹介します。

1 コンセプト設定の公式

コンテンツのタイプ+建築様式+建築物の種類+特徴の定義+カラーまたは資材+場所

 

例:高解像度の写真、近未来的、大学の寮、アトリウム、木造、熱帯雨林

2 基本設計の公式

コンテンツタイプ+建築の成果物+建築物のディテール+建築様式+画像のスタイル

 

例:線画、立面図、屋内プール、アールヌーボー様式、ドラマチック

3 画像編集の公式

背景+景観要素+ライティング+周囲のディテール+コンテキスト要素

 

例:砂漠の空、サボテンがある庭、夕暮れ、石畳の小道、給水塔

 

(なお、画像編集では、公式の要素を数個ずつ何回かに分けて追加して生成した方が最適な結果につながる場合があります)

Firefly AIで生成された画像プロンプト:高解像度の写真、近未来的、大学の寮、アトリウム、木造、熱帯雨林

Adobe Fireflyのテキストから画像生成モジュールで生成

プロンプト:高解像度の写真、近未来的、大学の寮、アトリウム、木造、熱帯雨林

次のアイデアを参考にして、建築に関する自分なりのAIプロンプトの公式を作成してみてください。

 

  • コンテンツタイプ:写真、線画、油彩画、鉛筆画、水彩画
  • 建築様式:コンテンポラリー、ネオクラシカル、ボザール、バウハウス、ポストモダン
  • 建築物の種類:住宅、美術館、高層ビル、オフィス、共同住宅、モール
  • 建築物のディテール:煙突、タレット、アーチ道、屋外階段、ポーチ、出入口庇
  • 画像のスタイル: ドラマチック、穏やか、未来的、レトロ、ミニマリスト、険しい、大胆、クリーン、幾何学的
  • 景観要素: 池、生け垣、木、庭、茂み、灌木、芝生、水場
  • ライティング:月光、夕焼け、明るい、ゴールデンアワー、拡散、自然光、バックライティング
  • 周囲のディテール:小道、ベンチ、門、あずまや、パティオ、ファイヤーピット
  • コンテキスト要素:都市の風景、山並み、農地、送電線、商用環境
  • 場所:都会、田舎、森、郊外、海辺、砂漠、ツンドラ、雪、プラヤ、湿地、峡谷

 

時間とともに画像生成AIに対する理解が進み、何が自分のニーズに最適であるかもわかってきます。それに応じて公式を変更できますし、変更すべきでもあります。自分の公式以外のコンセプトもどんどん試してみましょう。想像してもみなかったほどうまく機能するものを発見できるかもしれません。

 

さらに深く掘り下げたい場合は、他のプロンプト作成のヒントを参照してください。

Fireflyで生成した、モダンなコートハウスの画像、曲線状の壁、緑豊かな景観、静かなプール

Adobe Fireflyのテキストから画像生成モジュールで生成

プロンプト:モダンなコートハウスの画像、曲線状の壁、緑豊かな景観、静かなプール

建築に役立つ最適なAIプロンプトを書くための鍵

建築に役立つ優れたAIプロンプトを作成するのに、作家、生成AIの達人、デジタルアートマニアである必要はありません。生成AIテクノロジーを最大限に活用する方法は、シンプルに自身のクリエイティビティを発揮すること、建築家の皆さんにとってはもうおなじみの話です。生成AIは、独自のアイデアや世界観を伝えるために使用できる単なるツールに過ぎません。

 

いろいろ試したり実践したりしながら、自分なりのプロンプトの公式を導き出し、時間をかけて改良してください。生成AIによってアイデアの世界の扉が開かれます。適切な言葉を使って、アイデアを現実のものにしていきましょう。

よくある質問

環境デザインを改善するには、求める結果が得られるように建築特有の情報を画像生成AIに提供するプロンプトを作成します。例えば、一般的なプロンプトを使用する代わりに、求める画像の建築様式、構図、カラーパレットを指定します。こうすることで、より正確でクリエイティブな結果を生成できます。

生成AIプロンプトは、初心者から専門家レベルまで、あらゆる人が活用できるものです。何度も画像生成AIを試すほど、求める結果をうまく生成できるようになります。初心者の方は、建築のための生成AIの基本効果的なプロンプトの書き方から学習を始めましょう。

未来への第一歩は、Adobe Fireflyから

生成AIとシンプルなテキスト入力を使用して、画像、テキスト効果、カラーパレットなど、最高品質の作品を制作できます。

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