ビジネスにおいて、名刺は、相手に自分の名前や肩書きを覚えてもらい、次のビジネスチャンスに繋げる重要な役割を果たします。これから名刺を作る方のなかには、「せっかくなら他の人とは少し違う、おしゃれな名刺を作りたい」という方もいるでしょう。一方で、「自分のセンスに自信がない」「自分で名刺をデザインするのは難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、無料のデザイン作成ツール「Adobe Express」のテンプレートを使って、おしゃれな名刺を作る方法をご紹介します。プロがデザインしたような名刺を誰でもカンタンに作成できるので、ぜひご活用ください。
なお、目を惹く名刺を作るには、デザインの基本を押さえることが重要です。そのため、本記事では、見やすくて洗練されたデザインにするための基礎知識も紹介します。
テイスト別のおしゃれな名刺テンプレート
名刺のデザインのテイストによって、相手に与える印象は異なります。名刺で自分自身や自社のイメージを適切に伝えられれば、相手が仕事の依頼先を検討する際に自分のことを思い出してもらいやすくなります。そのため、まずは「相手にどんなイメージを与えたいか」を考え、そのイメージを与えられるテイストの名刺を作りましょう。
ここからは、無料のデザイン作成ツール「Adobe Express」の名刺テンプレートを、テイスト別でご紹介します。テンプレートをクリックするとAdobe Expressの編集画面に移動し、会社名や名前などを変更すればすぐにおしゃれな名刺が完成します。
シンプル
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▼相手に与える印象
- 誠実そうな、落ち着いた、無駄のない、信頼できる
▼シンプルな名刺を作るときに意識したいポイント
- 無彩色(白・黒・グレー)以外に1色のみを使うなど、色数を絞る
- 装飾を少なくし、余白を大きくとる
- 装飾に使う図形を一種類に絞る
- クセの少ないフォントを使う
- 使うフォントを1つに絞る
スタイリッシュ
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▼相手に与える印象
- 先進的な、最先端の、かっこいい、クールな、流行にのった
▼スタイリッシュな名刺を作るときに意識したいポイント
- 黒や紺などの暗い色と、白や黄色などの明るい色を組み合わせる(コントラストの大きい色を組み合わせる)
- 装飾を少なくし、余白を大きくとる
- 水滴のような曲線が特徴的な図形や曲線を使う
- 斜めに要素を配置したり斜線を使ったりすることで、紙面に勢いを出す
- 明るい青と水色など、ビビッドな色でグラデーションを作る
モノトーン
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▼相手に与える印象
- 落ち着いた、シックな、かっこいい、上品な
▼モノトーンな名刺を作るときに意識したいポイント
- 白黒だけを使うのではなく、薄いグレー、濃いグレーなど明るさを調整することでデザインにメリハリをつける
- クセの少ないフォントを使う
- 背景にテクスチャー(紙の質感や木目、金属の質感を表現した画像など)を用い、デザインに深みを与える
カラフル
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▼相手に与える印象
- にぎやかな、楽しい、明るい、バリエーション豊かな、親しみやすい
▼カラフルな名刺を作るときに意識したいポイント
- 赤、黄、青など色合いが大きく異なる色を複数用いる
- グラデーションを使い、鮮やかな色彩を演出する
- 太字を使い、文字の視認性を高める
- 水玉やストライプなどのパターン柄を用い、にぎやかさを演出する
ポップ
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▼相手に与える印象
- 可愛い、今風の、若い、カジュアルな、個性的な、気さくな
▼ポップな名刺を作るときに意識したいポイント
- 赤や青、黄色や緑など、ビビッドなカラーを使用する
- 図形やテキストなどの要素で隙間を埋め、余白を少なくする
- 太字や手書き風など、個性的なフォントを用いる
- 線がはっきりしており、シンプルでわかりやすいアイコンやイラストを使う
- 丸、波線、曲線など複数種類の図形を用い、にぎやかな印象にする
ナチュラル
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▼相手に与える印象
- 自然な、優しい、ありのままの、穏やかな、おおらかな
▼ナチュラルな名刺を作るときに意識したいポイント
- 鮮やかな色ではなく、アースカラー(ベージュ、薄いグレー、暗い緑色など)のような落ち着いた配色を用いる
- テキストや図形などの要素に、彩度が低い、くすんだ色を用いている
- 草や花などの植物のモチーフが使われている
エレガント
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▼相手に与える印象
- 高級な、格式ばった、上品な、丁寧な
▼エレガントな名刺を作るときに意識したいポイント
- 黒や白などをベースカラーに、黄色やゴールドなどをアクセントカラーに用いる
- セリフフォントなどエレガントな印象を与えるフォントを使う
- 線が細く、華奢な印象のイラストやモチーフを装飾に用いる
- 紫、ピンクなどをアクセントカラーに用いる
- ジュエルトーン(深みのある青、赤、緑、紫)を用いる
おしゃれな名刺を作るには、背景色や使用するモチーフにこだわるだけでは不十分です。
デザインの基本を押さえ、文字の見やすさや色の統一感にも配慮することで、洗練した印象に仕上げることが重要です。
続いて、見やすく洗練された名刺を作るために意識したいポイントを紹介します。
洗練された名刺を作るための5つのポイント
洗練された名刺を作るには、デザインの基本となる次の5つのポイントを押さえましょう。
- 情報の優先度を決める
- デザインの4原則を意識して要素を配置する
- 配色に統一感をもたせる
- 読みやすいフォントを使う
- 英語、日本語を適切に使い分ける
ひとつずつ解説します。
【ポイント1】情報の優先度を決める
名刺に載せる主な情報には、以下のようなものがあります。
- 名前
- 肩書き
- 会社名(屋号)
- 連絡先
- ホームページのURLやQRコード
相手に覚えてもらいたい順番に沿って、これらの情報に優先度を付けましょう。一般的には、「名前」の優先度がもっとも高い場合が多いでしょう。しかし、特徴的な肩書きがある場合は、名前よりも肩書きを強調するほうが、相手に興味をもってもらいやすくなります。このように、名刺を渡したときにどの情報を覚えてもらいたいか、どんな会話を生みたいかをベースに考えると、優先度を決めやすくなります。
【ポイント2】デザインの4原則を意識して要素を配置する
情報の優先度が決まったら、「デザインの4原則」に沿って、情報を見やすくレイアウトしましょう。
- 近接:関連する情報は近づける
- 反復:要素や特徴を繰り返す
- 整列:要素を揃える
- 対比:情報の優先度に合わせて強弱をつける
上記のルールを意識することで、情報どうしの関係性や、各情報の役割が視覚的にわかりやすくなります。
近接
「近接」とは、関連する情報どうしを近づけ、各情報の関係性や役割をわかりやすくすることです。
下の図のNG例では、情報どうしの余白が揃っておらず、どの情報とどの情報が同じグループなのかがわかりにくくなっています。
OK例のように、「会社名」「肩書きと名前」「連絡先と住所」をそれぞれ近づけることで、情報をグルーピングでき、内容を理解しやすくなります。
反復
「反復」とは、同じ役割をもつ情報について、視覚的な特徴を繰り返し用いることです。そうすることで、デザインに暗黙のルールが生まれ、受け手が情報の役割やデザインの意図を理解しやすくなります。
以下のNG例では、各テキストの色がバラバラのため、情報の優先度がわかりにくく、テキストが装飾の一部のように見える可能性もあります。OK例のように、テキストの色を揃えると「テキスト=濃い緑色」という暗黙のルールが生まれ、情報の意味を理解しやすくなります。
文字色以外にも、文字の大きさや行間を揃えたり、要素を同じルールで配置する方法もあります。
対比
「対比」とは、文字の大きさや色で見た目に強弱をつけることで、情報の優先度を視覚的にわかりやすくすることです。例えば、以下のNG例のように、各情報がすべて同じサイズの文字で書かれていると、情報の優先度がわかりにくくなります。
名前(肩書)→会社名→連絡先の順で優先的に情報を伝えたい場合、OK例のように優先度に応じて文字のサイズを変えると、もっとも重要な「名前」が目に留まりやすくなります。文字のサイズ以外にも、文字色や背景色などで対比させることも可能です。
ただし、文字のサイズと文字色の両方に変化を付けると、色によっては強調箇所がわかりにくくなる場合があります。
そのため、まずは文字の大きさだけで対比できないかを考えてみましょう。
整列
「整列」とは、要素を見えない線に沿って規則正しく並べることです。要素が揃っている箇所に視線が集まりやすくなるので、視認性が上がります。例えば、下のNG例のように、文頭が揃っていないと視線が散らばってしまい、どこを見ればよいのかがわかりにくくなります。
とくに日本語の場合、文字は左から右に読むので、「左揃え」にすると読みやすくなります。中央揃え、右揃えにする方法もありますが、とくに右揃えの場合は文章の頭が揃わないので、読みにくくなる場合が多いです。そのため、どこを基準に揃えるか迷ったら、まずは左揃えで要素を整列させてみましょう。
【ポイント3】配色に統一感をもたせる
色をたくさん使うと楽しく明るい印象を与えられる一方で、伝えたい印象がわかりにくくなったり、ごちゃごちゃした印象を与えたりする場合があります。どんなテイストのデザインを作る際にも、配色に統一感を持たせるには次の点を意識してみましょう。
無彩色 + 似た色どうしを使う
伝えたいイメージを明確にするには、まずは「無彩色(白・グレー・黒)+1~2色」を使ってまとめてみましょう。また、無彩色以外の1~2色には同系色を使うと、デザインがまとまりやすくなります。
色のトーン(明るさと鮮やかさ)を統一する
色をたくさん使いたい場合は、同系色の色を複数使うか、明るさ(明度)や色の鮮やかさ(彩度)を統一しましょう。例えば、以下の図の左の名刺では、背景に複数の色が使われているものの、色の鮮やかさが統一されているので、全体的にレトロで落ち着いています。右の名刺では、使われている色の種類は多いものの、各色の明るさが統一されているので、まとまった印象となっています。
【ポイント4】読みやすいフォントを使う
おしゃれな名刺を作りたいからといって、名前や社名などメインの情報に装飾的なフォントを使うと、文字が視認できず、情報が伝わりにくくなります。例えば、英語の筆記体や日本語のポップ体などは、フォントによっては読みにくいだけでなく、フォントの個性が強くデザインとあわせにくい場合があります。
名刺は、いつ、どんな相手に渡すかわかりません。そのため、クセの少ない読みやすいフォントを選ぶとよいでしょう。
なお、日本語のフォントには、「うろこ」と呼ばれる装飾が付いた明朝体と、「うろこ」がないゴシック体の2種類があります。フォントにもよりますが、一般的に明朝体は線が細く「上品」「伝統的」といった印象を与え、線が太いゴシック体は安定感があるポップさや力強い印象を与えることが多いです。それぞれ印象が異なるので、作りたいデザインにあわせて選びましょう。
【ポイント5】英語、日本語を適切に使い分ける
英語を使う場合、渡された相手が理解できない表現はないか、注意しましょう。特に肩書きや役職については、会社によって呼び方が異なるので、社外の人が理解できない場合があります。そのような場合は、英語と日本語を併記するとよいでしょう。
ここまでご紹介したポイントを踏まえて、ぜひ名刺を見やすくデザインしてみてください。
それでは実際に、Adobe Expressを使って名刺を作る方法を解説します。
Adobe Expressで名刺を簡単に作る方法
Adobe Expressは、ブラウザ版とアプリ版があるので、PC、スマホのいずれでも使えます。ここでは、PCでブラウザ版のAdobe Expressを使って名刺を作成する方法を解説します。なお、アプリは以下のボタンからインストールできます。
【手順1】Adobe Expressにログインする
おもちのGoogleアカウントやSNSアカウント、メールアドレスをAdobe Expressにログインしてください。登録は無料で、30秒ほどで完了します。
ログインすると、以下の画像のように「新規プロジェクトを作成」の画面が表示されます。
【手順2】テンプレートを選択する
テンプレートを使う場合は、上部の検索窓に「name card」と入力し、表示されたテンプレートの中から作りたいデザインのイメージに近いものを選んでください。左下の「キーワードで絞り込み」にチェックを入れると、色やジャンルを絞り込めます。
今回は、以下のグレーのテンプレートを使ってご説明します。
【手順3】テンプレートの文章を編集する
テンプレートをクリックすると、編集画面が開きます。まずは、文字を編集していきましょう。
文字を編集する
編集したい文字をクリックすると、画面右側に「テキストを編集」というメニューが開くので、上部のテキスト編集エリア内の文字を編集してください。
文字がグループ化されている場合は、「グループ解除」をクリックしグループを解除して選びなおすか、編集したい要素をダブルクリックするとテキストを編集できます。
テキストの改行位置が上手くいかない場合は、テキストボックスの四隅にある丸をドラッグし、ボックスの大きさを調整するか、編集エリアで文字サイズを変えると改行位置を調整しやすいです。
文字を追加する
新たに文字を追加したい場合は、画面左にあるバーの「テキスト」をクリックし、上部の「テキストを追加」をクリックします。すると、テキストボックスが追加で表示されるので、テキスト編集エリアの文字を編集します。
【手順4】ロゴやモチーフを挿入する
テンプレート上のロゴをクリックし、画面右側に表示されたメニューの「置き換え」をクリックしてください。
すると、左側にシェイプ(モチーフやイラスト)を選べるメニューが開きます。他のシェイプを挿入したい場合は、メニュー上部の検索ボックスで好きなキーワードで検索し、使いたいシェイプをクリックすると置き換えられます。
シェイプの色の調整や画像の反転などは、画面右側の「シェイプを編集」のメニューでおこなえます。
なお、自分でアップロードするデータを挿入したい場合は、画面左側の「写真」のメニューを選び、「写真をアップロード」をクリックしてPCに保存されているデータを選択してください。
なお、Adobe Expressのロゴ用テンプレートを使うと、ブランド名入りのオリジナルなロゴを簡単に作れます。
これからロゴを作る場合は、ぜひ活用してみてください。
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【手順5】名刺の裏面を作る
もし両面印刷にしたい場合は、表のデザインを複製したものをベースに作ると、デザイントーンが保たれ、統一感を出しやすくなります。画面下部の左から2番目のアイコンをクリックすれば、表のデザインが2ページめに複製されます。なお、一番左のアイコンをクリックすると、真っ白な新規のアートボードの作成が可能です。
複製できたら、表側と同様に編集しましょう。
名刺データが完成したら、画面右上の「ダウンロード」からダウンロードしましょう。
Adobe Expressであなたのイメージが伝わるおしゃれな名刺を作りましょう
社内や取引先で、礼儀正しく挨拶をしてくれた人に対して、「一緒に仕事がしやすそうだな」と感じたこともあるでしょう。名刺のデザインを洗練させることは、気持ちのよい挨拶と同じです。見た目が整った名刺を受け取ると、自分に対してよい印象をもってもらいやすくなります。そのうえで、あなたの印象を適切に表すおしゃれな名刺に仕上げれば、あなたへのイメージとともに名前も覚えてもらいやすくなります。
ぜひAdobe Expressで、洗練されたおしゃれな名刺を作ってみてください。