事務作業に役立つPDF編集・変換機能
作業環境に制限されず閲覧できる、文書の改ざんが防げるなど、さまざまなメリットがあるPDF。請求書や見積書、報告書、納品書、発注書、提案書など、PDF様式で作成する必要のあるビジネス文書は多くあります。
今回は、PDF様式での書類の作成方法をご紹介。作成される書類の種類やPDFファイルの編集方法、PDFからWordやExcelなど別形式への変換方法、署名や印刷など事務作業に役立つ機能についてお伝えします。
PDFを使うメリット
そもそもなぜビジネス文書をPDF様式で作成するのか、ご存じでしょうか? 実はPDFには紙での管理やWordやExcelなどではカバーしきれない、さまざまな機能・効果があります。以下に代表的なメリットを記載しますので、ぜひご参考ください。
<PDFのメリット>
・さまざまな作業環境で閲覧できる
・オンライン上で編集・共有・押印・契約が完結でき、コストを削減できる
・セキュリティ機能を備えている
・電子署名を使うことで、手間が省けてPDF内の文書の改ざんが防げる
・ファイル容量が小さい
・ドキュメント内の検索ができる
より詳細なメリットは、以下ページからご覧いただけます。
PDFを使う主な書類
上記のメリットを踏まえつつ、PDFを使う主なビジネス書類を解説していきます。\
請求書・見積書
請求書や見積書、納品書など、お金がからむ書類は、金額の改ざんを防ぐ目的でPDFファイルが利用されています。
提案書・報告書
提案書や報告書、企画書なども、内容の改ざんを防がなければなりません。そのためPDFファイルが多く利用されています。
人事関連の書類
人事部門でPDFを使う書類としては、給与情報や雇用契約書、社内規程、従業員のハンドブック、保険関連文書などがあります。企業の人事部門では機密情報を扱うことが多いため、文書においても安全性とセキュリティを優先しなければなりません。
組織内で共同作業をする際の書類
共同作業で扱うPDF書類としては、マーケティング関連資料や売上レポート、経営計画書などが挙げられます。クラウド上にPDFを保存し、どこからでもアクセスできるようにすれば、従業員の共同作業が円滑に進みます。また、データの損失や破壊が起こった場合も、クラウドにバックアップされたファイルが残っているので安心です。
そのほか、PDF化によるメリットが考えられる重要書類については、以下ページをご参考ください。
PDFファイルを編集する方法
Adobe AcrobatのWeb版では、無料でPDFに注釈やコメントなどを追加できます。またAdobe Acrobatのソフト版の有料機能を活用すれば、PDFに直接編集できます。ただし、編集ができないように保護されている場合、作成者にパスワードを共有してもらう必要があります。詳細はこちらをご確認ください。
なお、公的な申請書類には入力専用のPDFファイルが用意されているものもありますので、そちらを活用するとよいでしょう。
以下では、Adobe AcrobatのWeb版にある「入力と署名」機能を使った、3つの編集方法をご紹介します。
文字入力の方法
PDF内に文字入力をする場合、Adobe Acrobatの「注釈を追加 」を利用します。ファイルをアップロードし、画面左側にあるツールバーの中から、「テキストコメントを追加」をクリック。任意の箇所で、文字が入力できるようになります。
書類内のチェックボックスにレ点を記載する方法
同じく「注釈を追加」で画面左側のツールバーの中から、「チェックマーク」を選択。任意の箇所でレ点が記載されますので、該当のチェックボックスをクリックしてください。
文字を枠線で囲む方法
同じく「注釈を追加
」で画面左側のツールバーの中から、「丸で囲む」を選択。強調したい文字や箇所を自由に囲むことができます。
PDFを他のファイル形式に変換する方法
PDFは、WordやExcelなど別のファイル形式に変換できます。変換した後は、通常のファイルと同じように編集することが可能です。Adobe Acrobatの、PDFを変換できます。
他のファイル形式からPDFに変換する方法
WordやExcelで作成したファイルをそのまま提出すると、ファイルの内容を改ざんされるリスクが発生します。PDF様式に変換すれば、ファイルの改変を防ぎやすくなります。
そのため請求書などビジネス文書を提出する際、PDFへの変換機能を利用することも少なくありません。Adobe Acrobat以下ページより、他のファイル形式からPDFに変換可能です。
※DOCX、DOC、XLSX、XLS、PPTX、PPT、TXT、RTF、JPG、PNG、TIFF、BMP、AI、INDD、PSDに対応
PDFファイルを微調整する方法
PDF様式は、複数のファイルを結合したり、特定のページを削除したりできます。元ファイルがない場合や、元ファイルの編集が面倒なときに役立ちます。
ファイルを圧縮
PDFファイルにページがたくさんある場合、ファイル容量が重くなることがあります。メールでファイルを添付する際、容量制限に引っかかってしまうことも。その場合は、PDFファイルを圧縮するのがおすすめです。
ファイルを分割
「PDFファイルの特定部分だけを提出したい」「1つのファイルにまとめていた情報を分けたい」といった場合は、PDFファイルを分割させるのがおすすめです。
ファイルを結合
「1つのファイルしかアップロードできない」「分けていたファイルの情報を1つにまとめたい」といった場合は、PDFファイルを結合させるとよいでしょう。
不要なページを削除
PDF化したファイルから不要なページを削除したいときに役立ちます。
新しいページを追加
PDF化したファイルに足りない情報があると気づき、後からページを追加したいときに利用できます。「あと1ページだけ足りない」といったケースにも対応可能。
特定のページを抽出
「PDFファイルの中から、必要なページだけを提出したい」「PDF化したファイルで特定のページだけを共有したい」といった場合に役立ちます。
ページを並べ替え
PDF化されたファイルのページの順番を並び替えたいときにおすすめです。
ページを回転
完成したPDFファイルをチェックしていると、本来は縦向きであるべきページが横向きになっているケースがあります。その場合は、特定のページを回転させることができます。
PDFにパスワードをかける方法
「機密情報が含まれているので、セキュリティを高めたい」「特定の人のみ閲覧できるようにしたい」という場合は、PDFにパスワードをかけることができます。社内共有フォルダーで管理したいケースに役立ちます。下記ページで、PDFファイルにパスワードをかけて保護することができます。
PDFに署名する/署名を依頼する方法
以下ページより、PDFファイルに署名したり、他の人に署名を依頼したりすることも可能です。簡単に電子サインができるので、電子契約を結ぶときに便利です。
機能を使って、事務作業を効率的に
近年は、書類を紙として印刷するより、データのまま保存するケースが多くなりました。ますますペーパーレス化が進むと、PDFファイルに編集したり、別のファイルに変換したりする機会はより増えていくはずです。
PDFファイルは、Adobe Acrobatの機能を使うことで、微調整、パスワード設定、署名などさまざまな編集が可能です。紹介した各機能を上手に使って、効率的にPDF文書を作成しましょう。
(編集:ノオト)