「受領書を発行してほしいと取引先に言われたけど、どう書けばよい?」
「受領書と領収書って何が違うの?」
こうした疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
受領書は、納品が確かに完了したことを示し、後々のトラブルを防ぐうえで欠かせない書類です。
ただ、こうした重要な書類だからこそ、作成の際には不安になることもあるでしょう。
本記事では、受領書の基本から書き方、類似書類との違いまでわかりやすく解説します。
さらに、すぐに使える無料テンプレートとAdobe Acrobat オンラインツールを使って、カンタンに受領書を作成する方法もご紹介します。
この記事を最後まで読めば、正確な受領書をスムーズに発行できるようになり、ビジネス書類の作成にも自信が持てるはずです。
目次
受領書とは
受領書とは、商品やサービスを受け取った側(買い手)が「確かに受け取りました」と証明する書類です。「受け取り証明書」とも呼ばれます。
法的な発行義務はありませんが、納品トラブルの防止や取引内容を明確にする目的で使われます。
⚫︎ポイント
✓ 発行者は商品・サービスの受け取り側(買い手)
✓ 法的な発行義務はないが取引証拠として重要
✓ トラブル防止に役立つ重要書類
受領書の目的
受領書を発行する主な目的は以下の3つです。
⚫︎納品完了を証明する:発注した商品やサービスが、契約どおりに確かに買い手の手元へ届いたことを証明します
⚫︎取引状況を見える化する:納品が完了したことを第三者にもわかるように記録し、双方の認識違いを防ぎます
⚫︎トラブル時の証拠となる:納品数量の不一致といった問題が生じた場合、「いつ、何を、どれだけ受け取ったか」を証明する客観的証拠となります
例として、B社からA社に100個の商品が納品されたケースを考えてみましょう。
この場合、A社が受領書を発行すれば、「〇月〇日に100個の商品を確かに受け取りました」という記録が残ります。
これにより、後から「80個しか届いていない」といった主張があった場合でも、受領書をもって事実関係を確認できます。
受領書と領収書・納品書・検収書の違い
「受領書」と似ている書類に、「領収書」「納品書」「検収書」がありますが、それぞれの書類は目的や発行するタイミングが異なります。
つまり、以下のように整理できます。
・受領書:「商品を受け取りました」という証明
・納品書:「これをお届けします」という明細
・検収書:「受け取った商品に問題ありません」という証明
・領収書:「お金を受け取りました」という証明
なお、一般的な取引の流れにおける各書類の位置付けは以下のとおりです。
受領書の記載項目と書き方
受領書が正式な取引の記録として機能するには、必要な項目を漏れなく正確に記載することが重要です。ここでは、受領書に記載すべき必須項目と記入例をご紹介します。
取引先の正式名称、担当部署名
企業間取引では略称は避ける
例:(株)→株式会社
上記に加えて、備考欄を設け、納品書番号や発注書番号を記載すると、関連書類との照合がしやすくなるでしょう。
これらの項目を漏れなく記載し、正確な受領書を作成するには、テンプレートを活用するのがオススメです。次の章では、すぐに使える無料テンプレートをご紹介します。
受領書の無料テンプレート(ひな形)をダウンロード
受領書には、主に物品の受け取りを証明する「物品受領書」と、金銭の受け取りを証明する「金銭受領書(預り証)」があります。ここでは、それぞれに対応したテンプレート(ひな形)をご用意しました。
フォーマットに沿って入力するだけで、カンタンに受領書が完成します。以下より、PDF形式のテンプレートをダウンロードし、ご活用ください。
PDFテンプレートをダウンロードしたら、無料のPDF編集ツール「Adobe Acrobat オンラインツール」を使って、受領書を作成してみましょう。
印刷して手書きで記入する手間が省け、見やすく整った受領書を手軽に作成できます。
PDFでカンタン!受領書の作成方法
ダウンロードしたPDFテンプレートとAcrobat オンラインツールを使って、カンタンに受領書を作成する方法をご紹介します。
【手順1】テンプレートをアップロードする
Acrobat オンラインツールの「PDFを編集」ページにアクセスし、受領書のPDFテンプレートをアップロードします。「ファイルを選択」ボタンをクリックするか、ファイルをドラッグ&ドロップしてください。
ファイルがアップロードされたらログインします。アカウントがない場合は、無料でアカウントを作成してください。GoogleやFacebookアカウント、Apple IDがあれば、すぐにログインできます。
【手順2】必要項目を入力する
ツールバーから「A」のアイコンを選択し、テンプレート上の入力したい箇所をクリックします。住所や品名、数量など必要な項目を入力しましょう。テキストサイズを調整し、見やすく仕上げます。
テキストを打ち直したい場合は、該当テキストを選択してから編集するか、ゴミ箱アイコンをクリックして削除できます。
【手順3】電子印鑑を押す(任意)
電子データの受領書には原則として印鑑を押す必要はありませんが、取引先が希望する場合や商習慣に応じて電子印鑑を追加します。
「電子サイン」を選択し、「署名を追加」をクリックしましょう。ツールバーのペンアイコンをクリックしてもOKです。
ポップアップが開いたら、「画像」を選択し、電子印鑑(画像)をアップロードしてください。その後、「保存」ボタンをクリックします。
電子印鑑をこれから作成したい方は、以下の記事をご確認ください。
【手順4】ダウンロードする
受領書が完成したら、「ダウンロード」ボタンをクリックしてPCに保存しましょう。
また、「共有」機能を使えば、完成した受領書をリンク(URL)形式で送ることも可能です。メール添付だけでなく、社内システムやチャットツールでも共有できるため、スムーズに連携できます。
なお、Acrobat オンラインツールなら、Microsoft ExcelやMicrosoft Wordで作成した受領書を、PDFに変換できます。
受領書をPDF形式に統一して保存しておけば、PCやスマートフォン、タブレットでも表示が崩れず、検索性も高まるため、書類の管理もスムーズです。
関連:無料でExcelをPDFに変換する方法(初心者向け・ソフト不要)
関連:【無料】WordをPDFに変換するカンタンな方法(ソフト不要)
ここまで、受領書の基本や作成方法についてご紹介しました。
次の章では、受領書を発行する際の注意点やトラブルを防ぐためのコツを解説します。
受領書に関する実務をスムーズに行うために、ぜひチェックしておきましょう。
受領書発行時の注意点
受領書は一見シンプルな書類ですが、初めて作成する方や経理業務に慣れていない方にとっては、ちょっとした疑問や迷いが不安材料になりがちです。
ここでは、実務で直面しがちな注意点やよくあるトラブルの対処法をわかりやすく解説します。
発行にまつわる注意点
実務担当者がよく直面する発行タイミングや印紙税の疑問について解説します。
いつ発行すればよい?
納品内容を確認した当日〜翌営業日以内の発行が一般的です。
契約に具体的な日数指定(例:納品後〇日以内)がある場合はそれに従いましょう。
印紙税はいつ必要?いくら必要?
物品受領書は原則として印紙税は不要です。
印紙税は、原則として「金銭の受領事実を証明する書類」にかかります。
そのため、金銭受領書(預り証)は印紙税法の課税対象となり、5万円以上の金額で「紙」の書類の場合のみ、下記の印紙税がかかります。
なお、電子データの受領書には印紙税は課税されません。これは印紙税法が紙の文書のみを対象としているためです。コスト削減のためにも電子化がオススメです。
電子データの受領書に印鑑は必要?
電子データの受領書は、原則として印鑑を押す必要はありません。
一般的に、受領書に担当者名を入力し、会社のメールアドレスから送信するだけで十分な証拠力を持ちます。メールの送信履歴が「誰が・いつ・どのような内容で送ったか」の証明になるためです。
ただし、取引先が慣習として電子印鑑や署名などを求めてくるケースもあります。その場合は相手の要望に合わせて対応しましょう。
保管・管理にまつわる注意点
受領書は法令により一定期間の保存が必要です。適切な保管・管理の方法を確認しましょう。
受領書の保管期間
法人:原則7年間(欠損金の繰越がある場合は10年)
個人事業主:5年間(青色申告・白色申告ともに)
期間は、事業年度の確定申告期限の翌日から起算します(電子保存も同期間)。
受領書を効率よく管理する方法
電子化し、一貫した命名規則で後からすぐに見つけられるようにするのがポイントです。
- 受領時点で電子化する(紙の受領書をスキャンしてPDFに変換し、保存)
- ファイル名を統一する(「日付_取引先_取引内容」の形式で検索性がアップ)
- 定期的にバックアップを取る(可能であればクラウドストレージに保存)
受領書の電子保存(電子帳簿保存法)
電子帳簿保存法により、メールやPDFなど電子的に受け取った受領書は、原則として電子データのまま保存することが義務付けられています。
保存にあたり、以下の要件を満たす必要があります。
- 真実性の確保:タイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残る仕組みを整えることにより、改ざんされていない原本の状態を保つこと
- 可視性の確保:データの保存場所が明確で、取引日付・金額・取引先名などで速やかに検索でき、誰もが確認できる状態を保つこと
詳しくは、以下の記事で解説しています。
よくあるトラブルと対処法
受領書に関するトラブルと具体的な対処方法を解説します。
受領書を紛失したとき
どうしても見つからない場合は、取引先にコピーの再発行を依頼しましょう。
再発行時には再度サインや印をもらい、紛失理由をメモに残しておくと税務調査時にも安心です。
納品数量や金額が合わないとき
納品書・検収書・受領書の3点を照合し、取引先へ速やかに連絡します。
電話でやり取りをした後も、確認内容や今後の対応についてメールで記録を残すことが重要です。受領書の訂正が必要な場合は再発行します。
税務調査で指摘されやすいポイント
税務調査で問題となりやすいのは、「印紙」「保存期間」「日付の矛盾」の3点です。
印紙税が必要な受領書への貼付漏れや金額間違い、法定保存期間(法人7年間・個人5年間)を満たさない早期破棄、そして受領日より発行日が前になっているなどの矛盾がないよう注意しましょう。
受領書の電子化でここまでラクになる
受領書は、紙でのやり取りが根強く残っているビジネス文書のひとつですが、電子化することで業務効率が飛躍的に向上し、コスト削減にもつながります。大きくは以下3つのメリットがあります。
受領書を電子化する3つの大きなメリット
【メリット1】保管スペースの削減
物理的な保管場所(ファイル、書庫など)が不要になり、オフィススペースを有効活用できます。
【メリット2】検索性の向上
ファイル名やキーワードですぐに検索できるため、特定の受領書を探す作業が格段に効率化されます。
【メリット3】紛失・破損リスクの低減
紙の書類と異なり、データとして適切に管理・バックアップすれば、紛失や火災・水害などによる破損のリスクを大幅に減らせます。
そのほか、印紙税のコスト削減(金銭受領書の場合)や、場所を選ばず受領書の確認や発行ができる(テレワーク対応)といったメリットもあります。
電子化を実現するアドビの便利なツール
受領書の電子化は、無料ツールを活用するだけでも手軽に始められます。特に初めて電子化に取り組む方にオススメの2つのツールをご紹介します。
⚫︎「Adobe Scan」で紙の受領書をカンタン電子化
Adobe Scanは、スマートフォンのカメラで紙の書類を撮影するだけで、高品質なPDFに変換できる無料アプリです。既に紙で保管している受領書も、Adobe Scanを使えばカンタンに電子化できます。
【Adobe Scanで紙の受領書を電子化する手順】
- アプリを開いて、スキャンしたい受領書にかざす(自動的に撮影される)
- スキャンの範囲を調整する
- スキャンデータをPDFで保存する
詳しい使い方は、以下の記事でも紹介しています。
⚫︎「Acrobat オンラインツール」で受領書作成を効率化
Acrobat オンラインツールは、ブラウザー上でPDFの編集や変換ができる無料ツールです。ソフトのインストールは不要で、インターネット環境があればどこからでもアクセスできます。
Acrobat オンラインツールには、受領書作成に便利な機能が揃っており、以下のリンクから今すぐ無料で使えます。
ほかにも、生成AIを使ってPDFを要約したり、複数のPDFをひとつに結合できたりと、ビジネス文書の作成・管理に役立つ機能が満載です。
25以上のPDF機能がすべて無料で使えるため、この機会にぜひお試しください。
受領書に関するよくある質問
最後に、受領書でつまずきやすいポイントをまとめました。気になる点があれば、ぜひ参考にしてください。
受領書は必ず発行しなければならないのですか?
法令で義務付けられてはいませんが、取引の証拠として発行するのが一般的です。特に高額な取引や初めての取引では、トラブル防止のために発行したほうがよいでしょう。
メールで受領通知を送るだけでも有効ですか?
はい、有効です。ただし、単に「受領しました」と記載するだけでなく、受領した商品名や数量、受領日、担当者名などを明記し、メールの送信履歴(送信済みフォルダ)を残しましょう。
なお、PDFの受領書をメールに添付する形、メール本文にテキストで明記する形、どちらでも有効ですが、前者のほうが形式が整っており、保存や第三者への提示にも適しています。
さらに高度な証明が必要な場合は、電子署名の利用を検討しましょう。
受領書と領収書の違いは何ですか?
受領書と領収書は、目的と発行者が異なります。
⚫︎受領書:「商品やサービス」を受け取ったことを証明する書類で、買い手(発注者)が発行する(金銭受領書/預り証は、前払い金や契約金など、最終的な代金決済の前に金銭のやり取りがある場合に使用されます)
⚫︎領収書:「代金(お金)」を受け取ったことを証明する書類で、売り手(受注者)が発行する
通常の取引では「納品→受領書発行→支払い→領収書発行」という流れになり、それぞれ証明する内容や発行のタイミングが異なるため、混同しないよう注意しましょう。
個人事業主も受領書を発行する必要がありますか?
発行義務はありませんが、取引先から求められた場合は発行しましょう。特に法人との取引では、相手の経理処理の都合上、必要となるケースが多いです。
発行・受領した書類は、青色・白色申告ともに5年間の保存義務があります。
アドビのツールで受領書作成・管理をスムーズに
受領書は取引をスムーズに進め、トラブルを未然に防ぐための重要な書類です。
本記事でご紹介した受領書の基本や注意点、テンプレート、そしてAcrobat オンラインツールを活用すれば、受領書業務を大幅に効率化できます。特に、受領書の電子化は、保管コストの削減や検索性の向上など多くのメリットをもたらすでしょう。
Acrobat オンラインツールは、ブラウザーから無料で利用できるため、専用ソフトのインストールは不要です。すぐに使い始められるので、この機会にぜひお試しください。
無料の受領書テンプレートをダウンロードする
(執筆:ウェブライダー)
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