魅力的なバラの描きかた

バラの構造

もっともベーシックで構造がシンプルなバラと言えるイヌバラ（ドッグローズ）には、花びらが 5 枚しかありません。イヌバラの花びら一枚ずつのかたちを見てください。バラの先端からどのように花が開いているのか、そして花の中央の花粉をつける雌しべと葯（やく）がどのように囲まれているかを調べます。ほかの花びらがたくさんある種類のバラも、この最小限のバラの構造が大げさになっただけのことなのです。

以下、バラの各部分の概観を紹介します。

• 茎：バラの茎は筒型です。トゲは鋭く、コーンのような形状で茎の周り全体を渦巻状に取り巻いています。ほとんどのバラにはトゲがありますが、なかには品種改良でトゲがない種類もあります。

• 胚珠：胚珠は、花びらがついている緑の丸い球根状の部分です。

• 葯（やく）：葯は花の中心にある小さな繊維質で、花粉が入っている部分です。

• 萼片（がくへん）：萼片は花びら下の胚珠から出ている、細い緑の葉です。

• 花びら：バラの花びらには、涙型、ハート型、少し先が尖ったかたちがあります。花脈のあるタイプのないタイプがあります。

• 葉：ほとんどの葉はギザギザになっていて、左右不対称の葉脈があります。バラのつぼみは、通常 1 枚から 3 枚の葉が茎から伸びていて、花が完全に開くと 5 枚ぐらいの葉がつきます。

花びらを更に増やすために新しいレイヤーを作る

Adobe Fresco で最初のレイヤーの不透明度を和らげ、新しいレイヤーを作ります。花びらを、外側から 1 枚ずつ加えていきます。花びらの 1 枚ずつを、中心のつぼみからゆっくりと剥がれていく、小さな紙だと思ってください。花びらは簡単な形から始めて、後で花びらの縁を修正します。または、スムースな丸型の花びらから始めて、後で細かい部分を加えます。 

いくつかのレイヤーを使って詳細を描く

それぞれの花びらを別々のレイヤーに描き、色をつけたり、1 枚ずつ動かしたりしてみましょう。バラのかたちを本当に理解するためにも、半透明のレイヤーを 1 枚加えて、葯や胚珠などバラの内部を、まるで花びらを通して透けて見えるかのように描いてみましょう。

レイヤーマスクを使って色や質感を加える

Adobe Fresco で別々のレイヤーにそれぞれの花びらを描いたら、レイヤーマスクを使って、線で描いた花びらにブラシで影や質感を加えてみます。または、ペンシルツールでハッチマークを使い、影をつけることもできます。「花びらのへこんでいる部分、膨らんでいる部分を考えてみてください。花びらの外側は、球体のように、光の当たる部分を見ながら影をつけます。花びらが曲がっている部分が、一番暗い部分になります」（イラストレーター・漫画家／ジョナサン•ケースさん）

完全な不完全性を練習する

オンラインのドローイングチュートリアルにしたがうことは、バラの描きかたを学ぶひとつの方法でしかありません。いろいろなテクニックを自分で練習し、あまり細かい点にとらわれすぎないようにしましょう。

「各部分を完璧に描こうとしてはいけません。花がどんな風に見えるか、全体の構図がどうなっているかを意識してください」（イラストレーター・ドローイングインストラクター／ルーカス•エリオットさん）自然のなかに完璧なバラは存在しません。1 本 1 本が違います。イラストのバラが少しぐらい変なかたちをしていても、多少、バランスが崩れていても、そのほうがかえって現実的に見えるものなのです。

バラを 12 本描いてみる

「もしうまく描けないなら、何度も何度も描いてみましょう。スケッチブックをバラでいっぱいにしてみましょう。こうしたときに非常に役に立つのは、決められた短い時間、たとえば30 秒から数分の間に描くというトレーニングです。これを繰り返すと、何が重要なのかを嫌でも考慮するようになり、物の本質をすばやく描けるようになります。バラを描くときも、こうした訓練を続けることで、バラのかたちを理解することができるようになるでしょう」（エリオットさん）

デジタルのスケッチを始める

Adobe Fresco でスケッチを学び始めると、スケッチをすばやく描けるようになるだけでなく、美しいドローイングを描けるようになります。Adobe Fresco を使って、作品をどこまで変えていけるか、追求をしてみましょう。