メモからアートの創作まで、デジタルツールを活用することでワークフローを高速化し、すばらしい作品を創作する方法を紹介します。
従来の芸術は、往々にしてゴミ箱からあふれるほどの下描きができてしまうものですが、デジタル描画ツールがあれば、試行錯誤、作成、修正がこれまでになく簡単になります。描画、スケッチ、ペイント、デジタルメモなど、何度でもやり直しができますし、デジタル保存が使えて便利です。タブレットやモバイルのアプリを使用すれば、いつでもどこでも創作できます。日々進化するデジタルメディアで創作する方法の全容についてお読みください。
タブレットとタッチペンでの創作は、今や多くのアーティストやデザイナーの作業工程に欠かせません。「マウスよりもコントロールしやすくて柔軟性が高く、鉛筆よりも選択肢があります。」とデザイナーのRobin Caseyさんは、説明しています。
デジタル描画ツールは、即時性があり、ミスに寛容で、ユーザーは物理的な補充を気にせず創作できます。ミスがあった場合にキャンバスを廃棄したり、高価な素材を無駄にすることを心配する代わりに、アーティストは「元に戻す」を押して、やり直すことができます。注意が必要なのは、充電式スマートペンのバッテリー寿命だけです。
描画に使うデジタルツールには、デスクトップ画面で使用するペンタブレット、iPadやWacomタブレットなどのタッチスクリーン機器、スマホなどさまざまで、それぞれに利点があります。たとえば、タブレットに直接描画すると、USBケーブルでペンタブレットとディスプレイを接続するよりも、より自然な描画体験が得られます。また、ディスプレイタブレット(液晶タブレット)を使用すると、従来の描画ツールを使用する場合と同様、作品に視線を落として描画することができるようになります。
どのような機材を選ぶかは予算にもよりますが、機材を整えることを最優先にする必要はありません。「持っているものを使いましょう。何十万円もする機材を購入する必要はありません」(アーティスト/Kevin Mellonさん)。デジタル描画テクノロジーはいま、初心者向けの機器でさえもすぐれた機能を持つところまで進歩しています。
Google Pixelbookペン、Livescribe 3、Neo Smartpen N2、または人気のWacom Bambooシリーズなどのスマートペンには、メモやスケッチをリアルタイムでデジタル化する機能があります。これにより、手書きのメモや描画の感触を維持しながら、デジタル保存の利便性を活用できます。
デジタルペンで快適に作業できるようになる一番の方法は、さまざまな設定を試してみることです。「感覚をつかむために、さまざまなツールへの反応を確認しましょう。実際に使用することは、扱い方を学ぶ最良の方法です。」とCaseyさんは言います。イラストレーターのAdam Bujorianさんは、最も慣れ親しんだ表現方法から始めることを勧めています。「よく知っているものから始めて、そこから発展させましょう。」
ペンを手に持つほうがはるかに自然ではあるものの、やはり手や手首に負担がかかります。Mellonは次のように説明します。「アーティストは、常に手根管症候群にならないよう気を付けています。細いペンは持ちにくいので、ペンにテープを巻き付けて太くする人たちもいます。」快適に効率よく作業できる環境を見つけましょう。
デジタル描画ツールは、手で持つ道具に限定されません。Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Frescoなどのプラットフォームには、さまざまなスタイルとテクスチャで描画やペイントができる、幅広いブラシオプションが用意されています。他のデザイナーが作成したブラシを購入して、自分でカスタマイズすることもできます。デジタルペンで使えるブラシの種類に制限はありません。デジタルブラシの使用と作成の詳細については、次のチュートリアルをご覧ください。
マットタイプの画面保護フィルムマットタイプのスクリーンプロテクターは、より紙に近い描画体験ができるため、タブレット画面でよく使われるアクセサリです。また、マットタイプのプロテクターは表面に凹凸があるため、ガラスに直接描いた場合よりもペンの摩擦と触感が大きくなります。
使用しているタッチペンの種類によっては、ペン先を交換できる場合があります。ペン先を変えると、ペンの感触と描画方法に大きな影響を与える可能性があります。Apple Pencilには、まだペン先のバリエーションがありませんが(2020年7月現在)、ほとんどのWacomおよびAnoto Livescribeスマートペンには、さまざまなオプションが用意されています。デフォルトのペン先に満足している場合でも、ペン先は時間とともに消耗することを忘れないようにしましょう。最高のパフォーマンスを継続的に得るには、ペン先を頻繁に交換する必要があります。
イラストレーター、デザイナー、スタジオアーティスト、いずれであっても、デジタル描画ツールで新しい創作方法を取り入れるのは心躍る体験となるでしょう。描画タブレットまたはペンをワークフローに取り入れたいときは、Illustrator、Adobe Animate、Photoshopで、ツールの使用方法の詳細をご覧ください。
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