唇の描き方
唇はいろいろな形に動いて、顔の中でも感情を豊かに表現する部分の1つです。プロのアドバイスを聞いて、美しい唇を描いてみましょう。
ローラ・ベビスさんの作品
本物の唇のように描くコツ
顔を上手く描けるようになりたい、ポートレートの腕を磨きたい、唇を描くテクニックを上達させたい場合は、このガイドで素敵な唇のスケッチを描きましょう。
始める前に、見ながら描くための参考写真を探します。「唇は人によってかなりの違いがあり、顔の中でも最もバラエティに富んだ部分です」とアーティストのジョナサン・ドッカリーさんは語ります。唇は、その形と顔の表情を色々と変えていきます。そのため、初めて唇を描く人も、何十回も描いている人も必ず参考写真を用意しましょう。
リアルな唇を描くための5つの手順
ローラ・ベビスさんのガイドに従って、美しい唇を描くためのコツを学びましょう。
ローラ・ベビスさんの作品
1. 唇の形をおおまかに描く
まず、上唇と下唇の境目の線は、唇の端よりずっと長く伸びていることに注意します。「この曲線でいろいろな表情が出せるんです。絶対に直線は描かないでください」とベビスさんはアドバイスします。
「頭というのは筒のような形をしています。まず、口の端にあたる部分に、2つの点で印をつけます」と彼は言います。次にその2つの点の間に線を引きます。普通、2つの点の位置は同じ高さではありません」とドッカリーさんは言います。顔の曲線に注意し、その曲線に沿って包み込むように線を描いていきましょう。これで解剖学的にも正確な描画ができます。
軽いタッチで描き、後で仕上げの線をしっかり描きます。そして、要らない線は消しゴムで消していきます。パソコンで描画をしている場合は、新しいレイヤーで下書きをトレースすることができます。
ローラ・ベビスさんの作品
2.個性を明確に描く
次に、唇の一番暗い部分に影を付けます。例えば唇の端、真ん中、下唇の中心の上の部分などです。唇の内側に小さな形状を描き入れます。「その部分は、ハイライト用のスペースをとっておくための目印とします」とベビスさんは説明します。
ローラ・ベビスさんの作品
3.ディテールを描き込む
唇の暗い部分と明るい部分周辺の影を付けていきます。最も暗い部分と最も明るい部分を隣同士にすると、リアルな唇になります。人中と呼ばれる、鼻と上唇の間の部分にも影をつけると良いでしょう。「ほとんどの人は唇だけ描くのではなく、顔の一部としての唇を描きます。唇とその周りの皮膚との相互関係性を描くことが大事です」とベビスさんは言います。
ローラ・ベビスさんの作品
4.影とディテールをさらに加える
「最も重要なことの一つはコントラストです。コントラストが無いと、唇は平坦に見えてしまいます」とベビスさんは言います。影のテクニックを上達させるには、ハイライトと影を配置する時に光源に注意を払います。唇の端が1番暗い部分です。唇の形、表情、光の位置など全ての要因が影の付け方に影響を与えます。下唇の上の部分は、通常の場合最も明るくします。
影を付ける時に、唇の皮膚に縦の線を入れます。この縦の線でさえも、中心から外に広がるように曲げて描きます。直線は唇を自然な感じに見せてくれません。
ローラ・ベビスさんの作品
5.ブレンドする
洗練された絵を描くには、絵全体をブレンドして直線をソフトな感じに仕上げ、明るい部分から暗い部分への変化をスムーズにします。ブレンディングペンシルまたは自分の指を使ってソフトな感じを出します。または、Adobe Frescoのようなデジタルドローイングプログラムでは、色々な種類のミクサーブラシが用意されています。
独自の唇の絵を描く
世の中に同じ唇は2つとありません。横から、前から、そして顔全体の一部として、時間をかけて唇の描画を練習します。異なる唇の形とユニークな表現の仕方を試してみます。手順に従った練習をしても、それにとらわれる必要はありません。さらに追加された手順で練習する、または自分のテクニックを駆使してオリジナルの絵を作成します。加えて独自の絵にすることもできます。他のアーティストから描画のアイデアや唇の参考画像を集めるには、Behanceを利用しましょう。自分なりのペースで何度か練習した後は、随分簡単に描けるようになったことに気付くことでしょう。
Adobe Fresco を使えば、グラファイトペンシル、インキングペン、マーカーなど、たくさんのツールでデジタル画を描くことができます。最高にリアルな唇でも、アニメスタイルの唇でも、必要なツールが揃っています。
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