テキストベースのSNSコンテンツと、フィードへのその復活について探る

2000年代初頭、FacebookやYouTubeがよく知られるようになるずっと前、オンラインコンテンツで最も人気のあるメディアのひとつがブログでした。おそらく既にご存じかと思いますが、この時期は長くは続きませんでした。SNSや他の形式のエンターテインメントがインターネットを席巻している今日において、ブログの運営はwebサイトに付随して、またはSNSチャネルの運営に加えておこなうものになっています。
しかし、オンラインブログから始まったワクワク感や流行を忘れてはなりません。今日のインターネットには、TikTokのダンストレンドからYouTubeのvログまで、様々なビデオコンテンツが溢れていますが、テキストベースのコンテンツが、ゆっくりとトレンドの主流に戻りつつあります。
誰でも自身を表現する方法には好みがあります。口頭でのコミュニケーションのほうが簡単だと感じる人もいますが、多くの人は自分の考えを文字で伝えるほうがはるかに簡単だと感じています。
文章を書くには、ビデオの撮影や編集と同じくらい多くのスキルや技術が必要です。しかし、多くの点で、これは外的要因に影響を受けることが少ない、より原型に近い形式のコンテンツであり、自分の外見や声で評価されることを避けたい人にとっては取り組みやすい形式でもあります。さらに、テキストを書くのにカメラや、マイク、照明、編集機材などを使用して質の高い映像を作成する必要がないため、コンテンツを作成するうえではよりやりやすい方法であると言えます。
ブランド、企業、インフルエンサーは、テキストベースのコンテンツの復活と、それがそれほど複雑でないことに安心したかもしれませんが、ビデオコンテンツ戦略を手離すのは時期尚早です。このような状況においても、ビデオコンテンツは依然として最も魅力的な形式であり、テキストベースのコンテンツは既存のSNS戦略と並行して導入すべきものです。いずれにせよ、具体的なメッセージを伝えたい、自分のストーリーを面白おかしく伝えたいような場合は、メッセージを意図した感情で明確に伝えるのに最適なテキストを使用することをお勧めします。
2022年4月にイーロン マスク氏に買収されて以来、X(Twitter)が先が読めない状況になっていることは周知の事実です。この所有権の明らかな変化により、長年のTwitterユーザーの多くは、コンテンツを公開するための代替プラットフォームとして、他のSNSを検討し始めた可能性があります。InstagramやTikTokなどのビジュアルが主流の多くのSNSでテキストベースのコンテンツが増えている理由は、これによって簡単に説明がつくでしょう。また、これらのプラットフォームでテキストベースの機能が増加している原因でもあるかもしれません。
多くのSNSチャネルでは、マーケティング担当者やユーザーである私たちが気づく前に、上昇トレンドを見つけることができます。そのため、MetaがTwitterに代わるテキストベースのSNS「Threads」をリリースしたことは、テキストベースのコンテンツが完全復活したことを示す大きな糸口となっています。
今すぐInstagramのフィードをスクロールしてみてください。そのきざしは簡単に見つかります。現在のInstagramの投稿の多くは、単に画像に文字を書き足したものか、X(旧称Twitter)からの投稿のスクリーンショットであるか、長文のキャプション付きの通常の投稿です。Instagramの新しい「ノート」機能も、Instagramのテキストベースのコンテンツのオプションを拡張する方法のひとつで、ユーザーがダイレクトメッセージ領域内に表示されるステータスの更新を書き込めるようにします。
しかし、テキストベースのコンテンツを増やす方向に転換しているプラットフォームは、Metaだけではありません。LinkedInも、ニュースレター機能に改善を加え、AIを使ってコンテンツのアイデアを提案する「投稿のアイデア」機能を導入するなど、テキストベースのコンテンツを増やす方向に進んでいます。
Reddit(大部分がテキストベースのプラットフォーム)がこのトレンドにどのように影響を受けているかも注目に値します。ここ数年、Redditの月間アクティブユーザー数が増えているだけでなく、Redditのコンテンツがナレーション付きの短編ビデオとして再利用されることで、TikTokやInstagramリールなどの他のSNSプラットフォームでも、Redditの認知度が高まってきています。
トレンドは繰り返すものであり、SNSに関してもほぼ同じことが言えます。このテキストに対する愛情の復活は、よりシンプルな時代に向けた第一歩や、過剰すぎないコンテンツへの憧れを示しているのでしょうか。同様に、無駄を省いたありのままのコンテンツへの憧れが高まるなか、テキストベースのコンテンツへの関心は、自分自身を飾らずに表現したいという欲求によるものなのでしょうか。
理由が何であれ、今後数か月から数年にわたって、SNS上でテキストベースのコンテンツが(特に短編コンテンツの形で)集中持続時間の短さにあらがう手段として、徐々に増加することが予想されます。また、特に画面上の文字やアフレコを使ってナレーションするInstagramリールやTikTokでは、2つの形式が合わさったコンテンツが増えていくのが見られそうです。