アドビのRussell Preston Brownです カラー写真から、ドラマチックな白黒画像を 作るための方法を紹介しましょう Adobe Lightroomを使ってこの作業を実行するための ヒントとテクニックです 具体的には「覆い焼き」「焼き込み」と呼ばれる昔ながらの手法で 銀塩写真の現像時に暗室でおこなわれる作業に似たものです Lightroomで覆い焼き、焼き込みの作業を実行するには 円形グラデーションツール、線形グラデーションツール、ブラシツールを使います 題材は、ニュージーランドで撮った2枚の写真です。
これが1つ目 こちらが2つ目です。
以前、パノラマ映像のチュートリアルを作ったときに撮影したものです これら2枚の写真を白黒にして ドラマチックな視覚効果を出しましょう まずは、こちらの写真です 白黒に変換するとき、私の場合は いつも、このプロファイル選びから作業を始めます ここをタップしてメニューを表示し 一番下にある「参照」をタップします このウィンドウで「白黒」を選択すると 白黒の内蔵プロファイルの選択肢がすべて表示されます プロファイルにマウスをかざすと それぞれのプレビューを見ることができます 既存のプロファイルをこうやって1つ1つ確認し そのプロジェクトで狙いたい効果に一番近くなるものを 見つけましょう 私の場合は、きれいでドラマチックなものを 探した結果 最終的に「白黒 06」が合っていると思いました 空の暗さがいい感じ ここにある「適用量」スライダーで効かせ方を調整できます。
右に大きく動かすと こんなに暗い空にもできますが やりすぎですね 逆に左端まで動かすと効果がなくなります ちょうどいい具合に調整して この辺りをプロジェクトの出発点にしましょう 作りたい白黒画像の基本的なトーンを設定した後は 上の「戻る」をタップして 別の項目に行きましょう ライト、カラー、効果、ディテールや レンズ、ジオメトリをすべて調整できますが 今回は「カラー」に直行します ここです 「カラー」の中にある「白黒ミックス」は、特定の対象部分を調整するときに便利な場合があるので 私はときどき使います 例えば、この魔法使い装束の一部に注目してください。
元はきれいな紫色の部分です 「パープル」のスライダーを右に動かすと 紫色の部分を全体的に明るくし、強調できるのですが 今回の場合は、この設定値を大きく増やしたところ 空のグラデーションに不自然な縞模様ができてしまいました デメリットが大きかったので やめておきましょう 「パープル」を0に戻して 別の手段を使うほうがいいですね その続きは少し後にして、ここで「効果」を見てください 画像に少し暗さを加えるために 「かすみの除去」、「明瞭度」、「露光量」を使うことにします さらに、下の「周辺光量補正」も適用して 四隅の付近を暗くしましょう ここまで、どんどん画像を暗くし続けていますが 後のステップで明るい部分を作っていくための、いわば準備段階でした この辺から、いよいよ核心に迫る作業が始まります 円形グラデーションツールを使って、特定の部分を対象とした 調整をしていきます 円形グラデーションツールで楕円形の領域を指定したところです とても大きい楕円形を描いたので、画像からはみ出していますが 高い空から光が降り注ぎ、被写体を照らし出す感じを 出すために、この形で範囲指定しました また、「反転」をオンにしているのは 楕円形の内側ではなく、外側に効果を適用し 周囲をいっそう暗くして 楕円形の内側を際立たせるためです そうすると、被写体に降り注ぐ光がさらに引き立ちます 結果は こうなりました 空から光が降り注ぎ、被写体を照らし出すという 狙いどおりの効果が出ました すばらしい この調子で、狙った部分を明るくする操作をもっと続けましょう 今度はブラシツールを選んで このように塗り込むことで いろいろな特定の部分に調整を適用します 暗室で銀塩写真の覆い焼きや焼き込みをするのと似た方法で 部分的に明るくしたり、暗くしたりできるのです ブラシで塗った個々の部分を選択すると、右のパネルで その部分に対するハイライトやシャドウの強さを いろいろ調整できます この方法なら 先ほどの白黒ミキサーによるカラー指定と違って、衣装の紫色を調整しても 空の色には影響を及ぼさずに済みます 同じように、これらの部分にも調整を適用しました 次は、もう1つのツールを使って調整対象を指定しましょう 線形グラデーションツールを選択して ターゲットを設定し、タップ&ドラッグでグラデーションを作成します この例では画像の一番下の範囲を指定しました グラデーションをタップして調整項目を表示し ハイライトと露光量の値を下げます 意図した結果になるよう、グラデーションのサイズも調整しましょう 画像が完成しました 上出来ですね こちらは2つ目の画像を完成させたもので テクニックはまったく同じです まず、ブラシツールを使ってこの部分を指定し 設定値を調整しました 円形グラデーションツールを使って範囲を指定し 明るくしました 地面のこの部分も、やはり明るく調整しています 小屋の周辺も同じです 暗室でおこなう作業に似た方法で、各部分の明るさを調整しました その結果が、こちらの画像です 先ほど見た元の写真と比べてみましょう すごい変化ですね というわけで カラー写真を白黒に変換し、ドラマチックな画像をつくり出すための 効果的なヒントとテクニックを紹介しました また、覆い焼き、焼き込みと呼ばれるテクニックの使い方と 円形グラデーションツール、線形グラデーションツール、ブラシツールで 適用部分を指定する方法を説明しました ぜひやってみてください
