マタニティフォトの撮影に必要な準備

マタニティフォトの撮影に役立つ小道具、両面テープ、鏡などを用意し、妊婦さんにとって快適な撮影となるよう特に注意してください。撮影中に何を着る予定かを事前に妊婦と打ち合わせ、予備のマタニティドレスも持参するようにしましょう。

妊娠中の喜びを表現する

妊娠中という特別な時間とそのワクワクする気持ちを、記録として残したい人がたくさんいます。プロの写真家としてスタートする人も、プロが撮ったようなマタニティフォトを撮りたい人も、ここに記載されるコツを学んでマタニティ撮影を始めてみましょう。

撮影するときを決める

マタニティフォトを撮るのに理想的な期間は、通常28週目から35週目程度です。28週目以降になると妊婦のお腹が見事に丸くなり、出産前のお祝いの写真を撮る時間も十分あります。35周目を過ぎると、写真撮影のためにポーズを撮るのが妊婦にとって大変になってきます。

撮影準備をする

妊婦とコミュニケーションをとる

お互いによく知らない場合、またはよく知っている場合でも、妊婦はポーズをとることに神経質になるかもしれません。最初にマタニティフォトを撮る目的を尋ね、必要なことはすべて伝えて安心させてあげます。「最初からすべて伝えることが、とても大切です。事前に電話で話をします。そうすればスタジオで会った時には、少し知り合いになっています」とマタニティ写真家のナタリー バックさんは語ります。

撮る時間と場所を決める

屋外での撮影を好む人もいますが、スタジオ内のよく整備された環境での撮影を希望する人もいます。屋外で撮影する場合は、妊婦がどの程度動けるか、天気はどうか、1日のうちで最適な時間帯はいつか、などを考慮します。ゴールデンアワーの撮影はとても素敵なのですが、太陽の光がすぐに変わってしまうので、暗闇の中を車まで歩いて行く必要があります。周りが一望に見渡せるような景色を求めて、妊婦に山道を歩かせることは避けてください。危険な細い夜道を歩く必要があるかもしれないからです。

Two photos stacked on each other of pregnant parents posing for maternity photos
Two photos stacked on each other of pregnant parents posing for maternity photos

服とメークアップを決める

撮影のために何を着るか、妊婦と相談しましょう。マタニティフォト専門の写真家になりたい場合は、妊婦のためのマタニティウェアのコレクションを自分で用意しておくのも良いかもしれません。「いろいろなサイズのマタニティドレスを、私が持っていくほうがスムーズなんです」と写真家のジャクリーン ベガさんは言います。「ドレスは高いし、妊婦がそれを着られる期間はほんの1~2か月ですから」

撮影前に着る服を相談する時に、メークアップについても話し合います。妊婦が自分でメークアップをする場合は、練習しておく必要があります。メークアップにあまり経験のない妊婦の場合は、撮影のかなり前からメークアップのお手本やレクチャーをします。

生まれてくる赤ちゃんの父親や兄弟姉妹も一緒に加わって、ファミリーポートレートとしてマタニティフォトを撮りましょう。その場合、前もって全員が着る服を選び、一緒に写したい物(超音波写真、赤ちゃんの靴、おもちゃなど)も用意します。

撮りたい写真の計画を立てる

ライフスタイル写真が常にそうであるように、準備を確実なものにすればするほど、撮影はスムーズにいきます。こうした写真撮影に慣れていない場合は、オンラインで写真のサンプルを見て、マタニティフォトのアイデアを探します。好きなスタイル、ポーズ、構図など、自分だけのセンスを身につけることが大切です。ほかの写真を真似するのではなく、良い写真を見つけたら、そこからインスピレーションを得るようにしましょう。

撮ってみたい写真のリストを作ると、撮影を通して自分が何を表現したいか、明確な考え方が見えてきます。このリストがあれば、その考え方に沿った撮影をすることができ、次に何をしようか迷うといった無駄な時間をなくすことができます。

A pregnant parent posing outside for a maternity photo
A pregnant parent posing outside for a maternity photo

撮影のコツ

必要と思われる物はすべて用意する

撮影機材の他に、マタニティウェアの着替え、小道具、鏡などを用意します。ベガさんは、いつもノリや両面テープを持って行き、妊婦の体を覆う、またはお腹を出す時に下着が見えないように隠す時にそれらを使うそうです。

快適な撮影にする

24週目以降は妊婦にとって大変な時期です。予定日近くになると、妊婦は自分の体型を意識し、写真に撮られることを好まなくなります。撮影の時に最初にすることは、妊婦の気持ちを和らげてあげることです。バックさんは、音楽をかけるなど、リラックスした雰囲気づくりに努めているそうです。

ポーズの指示を出す

妊婦にポーズの取り方を教えます。そうすると妊婦はさらにリラックスして、撮影も思うように進みます。「腕をどこに置くのか、頭はどうするのか、目はつぶるように、下を見て、顎を少し前に、など指示を出します。そうしないと、妊婦がただそこに立って、写真家が写真を撮っているという感じになり、ぎこちない雰囲気になります」とバックさんは言います。

ディテールに注意する

広角、中程度の角度、クローズアップなど、いろいろな撮り方をし、父親や兄弟姉妹も写真に入れます。別のアングルからも撮ります。カメラは被写体より少し上の方が、人物の写真写りが良くなることを覚えておきます。カメラに対して妊婦が45度の角度になるように撮ると、お腹の丸さが良くわかります。妊婦のあらゆる部分に注意を払い、最高の状態にするには、衣服を直したり、手の位置を変えたりします。手をお腹の上と下に置くと、お腹に視線を集めることができます。

カメラの設定を頻繁にチェックする

撮影中、カメラの設定を常に確認して、可能な限りディテールを捉えるようにします。屋外で日の入り時に撮影している場合は、ヒストグラムをチェックし、太陽光が少なくなるにつれ、設定を調整する必要があります。家に帰って見た時に、撮影した写真の半分が、暗くて荒いという結果にならないよう気を付けます。「撮って、チェックして、撮って、チェックして、という作業を常におこなうことを、習慣としてください」とバックさんは言います。

Black-and-white photo of a pregnant parent posing on a bed for a maternity photo

最後の仕上げに編集ツールを使う

写真編集ソフトウェアのAdobe Photoshop Lightroomを使って、写真をより魅力的にしましょう。プリセットを使って、色を鮮明にする、ディテールをシャープにするといった、いろいろな編集作業がおこなえます。自分だけのプリセットを作ると、より時間を節約することができます。

Lightroomを使用すると、汚れを削除する、または歯を白くするなどさらに細かい編集ができます。さらに創造性豊かな写真にしたい場合は、二重露光効果や新しい背景を作るなど工夫を凝らしてみます。

練習をしてスキルを上げる

オンラインチュートリアルを使って写真編集のスキルを身につけ、さらに練習を重ねることで、写真をより魅力的なものにすることができます。「練習を積むと、後になって時間と努力が節約できるなどその効果が表れてきます」とバックさんは言います。撮影の回数を重ねるほど、腕が上達し、自分が何を求めているのかがより理解できるようになります。「自分が楽しいと感じることに力を入れましょう」とバックさんはアドバイスします。「世の中にはたくさんの写真家がいます。その写真家たちの作品がすばらしいと思ってしまうかもしれません」しかし、自分が情熱を持てるものを見つけ、それを追求していけば、きっと自分だけのスタイルができあがり、それを求めるクライアントが出てくるはずです。

なお、ビジネスとして新生児の写真を撮影することも良いでしょう。未来のクライアントが行列をなして、あなたの写真を待ち望んでいます。


コントリビューター

ナタリー バックジャクリーン ベガ


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