{{photoshop}}&{{illustrator}}で立体文字を作る方法を解説
バナーやチラシでお得なキャンペーン情報を目立たせたり、デザインにダイナミックな印象をもたせたいときなどにピッタリな立体文字。一見すると作るのが難しそうですが、実は「{{adobe-photoshop}}」や「{{adobe-illustrator}}」を使えばカンタンに制作できます。
この記事では、PhotoshopとIllustratorを使った立体文字の作成方法を3パターンずつご紹介します。
一から順を追ってわかりやすく解説するので、ぜひご覧ください。
{{illustrator}}を使った立体文字の作り方を知りたい方はこちらをクリックしてください。
※当記事の情報は、2025年3月時点のものです。アプリケーションのバージョンにより、操作画面のUIや機能が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
{{photoshop}}で立体文字を作成する方法
{{photoshop}}を使って以下の3つの立体文字を作成する手順を、実際の画面とともに解説します。
前方に飛び出す立体文字
お得なキャンペーンを訴求するバナーやチラシなどで使いやすい、前方に飛び出る立体文字です。
この作例では、文字に「ふち」と「影」のあしらいを追加します。
影だけでも前方に飛び出す立体感は出せますが、ふちがあることで背景とのコントラストが生まれ、よりハッキリとした仕上がりになります。
では、実際の作成手順に移りましょう。
土台となるカンバスは以下のサイズ・カラーで作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カンバスカラー:#5ce7f3
上記のカンバス設定で新規ファイルを開いたら、まずは立体化したい文字のテキストレイヤーを作成します。フォントや色は演出したい雰囲気に応じて設定しますが、今回は以下の値で進めます。
- フォント名:モッチーポップ({{adobe-fonts}}からインストールできます)
- フォントの太さ:モッチーポップには一種類しかないため、今回は選択しません。太い方が飛び出し表現との親和性が高いため、選択肢があるフォントの場合はHeavyやBlackなどを選ぶのがオススメです。
- フォントのサイズ:300px (文字の単位がptの場合、72ppi環境なら300pt、300ppi環境なら72ptに相当します)
- フォントのカラー:#fff000
- 文字間:65
続いて、文字にふちを付けます。テキストレイヤーを選択している状態で、メニューバーの「レイヤー>レイヤースタイル>境界線」をクリックしてください。
レイヤースタイルのダイアログが開いたら、以下のとおりに設定して「OK」を押します。
- サイズ:22px(ここで設定する値はフォントサイズによって異なります。プレビューを見ながら、隣の文字の境界線と重なるくらいの値に調整してください)
- 位置:外側
- 描画モード:通常
- 不透明度:100%
- 塗りつぶしタイプ:カラー:#f15fa3(この色は影を作るときにも使うため、カラーコードをメモしておきましょう)
続いて影の作成に移ります。大枠としては、以下の2つの工程で進めていきます。
- ぼかし効果と選択範囲で、影の輪郭を作る
- グラデーションで色を付けて、サイズを調整する
テキストレイヤーを右クリックして、「レイヤーを複製」を選択します。ダイアログが開いたら「OK」を押してください。このレイヤーが影の輪郭の土台になります。
複製できたら、この後の作業を進めやすいように、もとのテキストレイヤーを非表示にしておきます。
この後に施す「ぼかし効果」は通常のテキストレイヤーには適用できないため、スマートオブジェクトに変換する必要があります。複製したレイヤーを右クリックして、「スマートオブジェクトに変換」を選択してください。
次に、スマートオブジェクト化したレイヤーを選択した状態で、メニューバーの「フィルター>ぼかし>ぼかし(放射状)」をクリックします。
ダイアログが開いたら、以下の値を設定して「ぼかしの中心」を最下部まで移動してください。このとき、中心が左右に動いてしまわないよう、真っ直ぐに降ろすことを心がけましょう。完了したら「OK」をクリックします。
- 量:100
- 方法:ズーム
- 画質:高い
すると、文字がぼけた状態で上下に広がります。このレイヤーのサムネールを、Ctrl(Windows)またはCommand(Mac)を押しながらクリックして、ぼけた文字の一部が選択されている状態を作ります。
メニューバーの「選択範囲>選択とマスク」を選択します。
パネルが開いたら、「表示モード」を白黒に変更しておくとこの後の操作がわかりやすくなります。
「コントラスト」と「エッジをシフト」の値を、選択範囲が立体文字の影のかたちになるように調整します。ほとんどの場合「コントラスト」を100%に、「エッジをシフト」を+100%にすることでちょうどよい状態になります。完了したら「OK」をクリックしてください
その状態で、レイヤーパネルの「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」から「グラデーション」を選択します。
メニューの「グラデーション」をクリックして、色の設定をしましょう。
色はプリセット内から選んだり、個別に色を設定できます。
グラデーションの下にあるカラー分岐点を選択して、色の変更をしていきます。
なお、分岐点は左右に移動でき、グラデーションの位置を調整できます。
今回は右側の分岐点を「#f15fa3」に、左側の分岐点を「#fcac80」に設定し、分岐点の位置は「20」にしてみました。
その後、以下のように操作してください。
- 影のレイヤーにわかりやすい名前を付ける(今回は「影」とします)
- 影のレイヤーをテキストレイヤーの下に移動する
- テキストレイヤーを表示する
- もとのテキストレイヤーから複製したスマートオブジェクトのレイヤーは不要なので削除する
レイヤーが下の画像と同じ状態になればOKです。
最後に、影の位置とサイズを調整します。影のレイヤーを選択した状態で、メニューバーの「編集>自由変形」を選択してください。
影がテキストから伸びて見えるように調整します。以下の手順で進めるとうまくいきやすいです。
1. 上端がテキストの上端と揃う位置に、影を移動する
2.オプションバーの「縦横比を固定」をオフにしたうえで、影の左右の辺を掴みテキストと合うように調整する(拡大すると操作しやすいです)
3.下辺を掴み、テキストと合うように調整する
最後に必要に応じて位置を調整したら、前方に飛び出す立体文字は完成です。
さらに、{{adobe-stock}}にある集中線や紙吹雪の素材を組み合わせると、立体感をより強調できます。インパクトのあるデザインに仕上げたい場合は、ぜひ活用してみてくださいね。
斜めに飛び出す立体文字
次に影が斜めに伸びる立体文字です。前方に飛び出す立体文字よりもシンプルな方法で作成できます。
カンバスは以下のサイズ・カラーで作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カンバスカラー:#f06176
まずは立体化したい文字のテキストレイヤーを作成します。今回のサンプルで使う値は以下のとおりです。
- フォント名:ニタラゴルイカ(Adobeのフォトプラン、単体プラン、{{cc-pro}}をご利用中の方は、{{adobe-fonts}}からインストールできます)
- フォントのサイズ:280px(文字の単位がptの場合、72ppi環境なら280pt、300ppi環境なら67.2ptに相当します)
- フォントのカラー:#ffffff
次にそのレイヤーを右クリックして「レイヤーを複製」を選択します。
ダイアログが開いたら、「新規名称」に複製元と同じ名前を入力して「OK」を押してください。
同じ内容のテキストレイヤーが2つ並んでいる状態になります。そこから、下にある方のレイヤーを右クリックして「レイヤーからの新規グループ」を選択してください。
ダイアログが開いたら「名前」に「影」と入力して「OK」をクリックします。
「影」というグループの中にあるテキストレイヤーを選択した状態で文字ツールを開き、カラーを影として使いたい色に変更してください。今回のサンプルでは#b62a3fです。
そのままメニューバーの「編集>自由変形」をクリックして、キーボードの矢印で右に1px・下に1px移動してください。完了したらエンターキーで確定します。
そのままの状態で、Ctrl + Alt + Shift + T(Windows)またはCommand + Option + Shift + T(Mac)を押してください。すると、直前の自由変形を繰り返しつつレイヤーが複製されます。つまり、「先ほど下と右に1pxずつ移動したレイヤー」からさらに1pxずつ移動した地点にレイヤーが複製されます。
これを繰り返して影の部分を作成します。回数が増えるほど影が長くなるので、20〜50回を目安にバランスよく調整しましょう。今回の例ではレイヤー名の末尾の数字が30になるまで実行します。
なお、影の色を変えたい場合は、グループに対してカラーオーバーレイを適用する方が手軽です。グループのレイヤーを選択した状態で、メニューバーの「レイヤー>レイヤースタイル>カラーオーバーレイ」をクリックしてください。
ダイアログが開いたら、カラーピッカーから色を指定します(ここでは#c43091を使います)。
そして、自然な色の影にするために、描画モードを「乗算」にして透明度を77にします。
カラーオーバーレイの乗算は元の色に対して実行されるので、レイヤー効果の「塗りの不透明度」を0にし、背景の色に対して乗算をする設定にしましょう。
完了したらレイヤースタイルダイアログの「OK」を押します。すると、影の色が変わります。
ちなみに、レイヤースタイルで指定した影の色は、レイヤーパネル内から非表示にできます。
以上で影の部分の作成は完了です。
続いて、文字に質感を追加して高級感を足していきます。
最上部のテキストレイヤーを選択した状態で、メニューバーの「レイヤー>レイヤースタイル>サテン」をクリックしてください。
レイヤースタイルのダイアログが開いたら、以下のとおりに設定します。
- 描画モード:乗算
- カラー:#d12c60
- 角度:115°
- 距離:50px
- サイズ:210px
- 輪部:リング - 二重
- アンチエイリアス:チェック
- 階調の反転:チェック
また、左メニューの「光彩(内側)」を以下のとおりに設定します。
完了したら「OK」を押してください。
- 描画モード:スクリーン
- 不透明度:100%
- ノイズ:0%
- カラー:#ffffff
- テクニック:さらにソフトに
- ソース:エッジ
- チョーク:0%
- サイズ:6px
- 輪部:線形
- 範囲:50%
- 適用度:0%
以上の設定によって、高級感のある質感が追加されました。
最後に、テキストを一括で変更する方法を確認しておきましょう。
この章で解説した立体文字には「影のレイヤー」がたくさん存在しています。
それらを一度に変更する方法を押さえておくととても便利です。
まず、メニューバーの「編集>検索と置換」をクリックしてください。
ダイアログが開いたら、「検索文字列」にもとのテキストを、「置換文字列」に変更後のテキストを入力します。設定が完了したら「すべてを置換」をクリックしてください。
以上の操作で、立体文字を構成するすべてのテキストレイヤーを変更できます。
ここからさらに背景をカラフルにしたり、文字や影と同じ要領で光の装飾を追加したりすると、よりにぎやかで楽しいデザインに仕上がります。
ぷっくりとした立体文字
ゼリーのような質感の立体文字です。かわいらしい雰囲気を演出する際に活用できます。
カンバスは以下のサイズ・カラーで作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カンバスカラー:#40edff
まずは立体化したい文字のテキストレイヤーを作成します。今回のサンプルで使う値は以下のとおりです。
- フォント名: Rounded M+ 2p(Adobeのフォトプラン、単体プラン、{{cc-pro}}をご利用中の方は、{{adobe-fonts}}からインストールできます)
- フォントの太さ:heavy
- フォントのサイズ:360 px(文字の単位がptの場合、72ppi環境なら360pt、300ppi環境なら86.4ptに相当します)
- フォントのカラー:#fa84ba
- 太字:オン
次に、以下の4つのレイヤー効果を使ってぷっくり感を付けていきます。
- ベベルとエンボス
- ベベルとエンボス - 輪郭
- 光彩(内側)
- シャドウ(内側)
ベベルとエンボスから進めましょう。テキストレイヤーを選択した状態で、メニューバーの「レイヤー>レイヤースタイル>ベベルとエンボス」をクリックしてください。
レイヤースタイルのダイアログが開いたら、以下のとおりに設定します。
- スタイル:ベベル(内側)
- テクニック:滑らかに
- 深さ:200%
- 方向:上へ
- サイズ:20px(プレビューを見ながら調整してください。光沢部分の高さが全体の1/7から1/5くらいになるサイズがオススメです)
- ソフト:0px
- 角度:90°
- 包括光源を使用:チェック
- 高度:60°
- 光沢輪郭:線形
- アンチエイリアス:チェック
- ハイライトのモード:
- タイプ:スクリーン
- 色:#ffffff
- 不透明度:100%
- シャドウのモード:乗算
- タイプ:不透明度0%によって不可視になるため、どの値でも構いません。
- 色:不透明度0%によって不可視になるため、どの値でも構いません。
- 不透明度:0%
次にダイアログの左メニューのベベルとエンボスのグループ内にある「輪郭」に移動して、以下の値を設定します。
- 輪郭:線形
- アンチエイリアス:チェック
- 範囲:75%
続いて光彩(内側)に移り、以下の値を設定します。
- 描画モード:乗算
- 不透明度:100%
- ノイズ:0%
- 光彩のカラー:#fa84ba(文字と同じ色を指定してください)
- テクニック:さらにソフトに
- ソース:エッジ
- チョーク:0%
- サイズ:40px(プレビューを見ながら調整してください)
- 輪郭:円錐 - 反転
- アンチエイリアス:チェック
- 範囲:80%
- 適用度:0°
最後にシャドウ(内側)で以下の値を設定します。
- 描画モード:乗算
- 影の色:#f64c8e
- 不透明度:60%
- 角度:-75°
- 距離:16px
- チョーク:0%
- サイズ:24px
- 輪郭:線形
- ノイズ0%
以上でぷっくりとした立体文字は完成です。
今回はぷっくりのレイヤースタイルを他の素材にも適用し、水玉の背景を設定してみます。以下のように、お菓子やおもちゃのパッケージのような、かわいらしいデザインに仕上げられました。
さて、{{photoshop}}を使った立体文字の作り方を押さえたところで、続いては{{adobe-illustrator}}を使った方法をご紹介します。
{{illustrator}}を使えば解像度が関係ないため、拡大しても画像が荒れることはありません。
webデザインはもちろん、印刷物などにもぴったりなので、ぜひあわせてご覧ください。
{{illustrator}}で立体文字を作成する方法
{{adobe-illustrator}}は、 ロゴやアイコン、グラフィック、イラストに至るまで、様々なデザインに活用できるグラフィックデザインツールです。
2025年2月のアップデートにより、従来のバージョンよりさらにパワーアップ。制作を効率的に進められるよう処理速度がより向上しました。
続いては、{{adobe-illustrator}}を使った立体文字の作成手順を解説します。
ここでは3種類の方法をご紹介しますので、以下のリンクより気になる方法をご確認ください。
中心に向かって飛び出す立体文字
まずは、製品・イベントなどのロゴに最適な立体文字をご紹介します。
シンプルながらも迫力のあるデザインで、向かってくるような立体感が特長です。
今回の作例ではテキストの中心を大きくして、立体感をより強調しています。
また、地面の反射も合わせるとスタイリッシュな印象を加えられますよ。
それでは、実際の作成手順に移りましょう。
土台となるカンバスは以下のサイズ・カラーで作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カラーモード:RGBカラー
上記のカンバス設定で新規ファイルを開いたら、まずは背景を配置しましょう。
左メニューの「塗りと線」から、手前の塗りをダブルクリックして「#0d6b49」の色を設定します。
次に「長方形ツール」を選択して、カンバスを覆うように左上から右下にドラッグしてみましょう。すると、背景を配置できます。
次に、立体化したい文字のテキストを作成します。
今回は以下の設定で進めます。
- フォント名:Transducer
- フォントの太さ:Extended Bold
(今回は地面に反射させるため、文字の下部が揃っているフォントを選択) - フォントのサイズ:220px
- フォントのカラー:#FFFFFF
- 文字間:50
続いて、文字をアウトライン化して自由に形を変形できるようにします。
アウトライン化とは、文字を図形として扱えるようにする機能のことです。
フォントをアウトライン化するには、選択ツールで対象のオブジェクトを選択し、「書式」>「アウトラインを作成」をクリックしてください。 ショートカットキーを使う場合は、WindowsならCtrl+Shift+O、MacならCommand+Shift+Oで実行できます。
次に、左メニューから「ペンツール」を選択し、立体にした際に一番手前に来る文字(今回は「I」の字)を分割します。
Shiftキーを押しながらドラッグをすると、キリのよい角度で直線が引けます。
直線を引いた後に、「選択ツール」に切り替え、Shiftキーを押しながらテキスト全体を選択しましょう。
その状態で画面右にある「プロパティ」内の「パスファインダー」を開いて、「分割」のアイコンをクリックしてください。
(※パスファインダーが表示されない場合は、まず「ウィンドウ」>「パスファインダー」を選択してパネルを表示します。それでも表示されない場合は、「ウィンドウ」>「ワークスペース」>「初期設定」から「初期設定をリセット」を選ぶことで解決する場合があります。ただし、この操作をすると、すべてのパネルの位置が初期設定に戻りますのでご注意ください。)
続いて、テキスト全体を選択してからCtrl+Shift+Gでグループ化を解除します。
次に、左メニューの「選択ツール」を選び、文字の左半分「HIK」と「I」の左半分を選択し、Ctrl+Gを押してグループ化してください。
右半分も同様に「I」の右半分と「NG」を選択してグループ化しましょう。
次に左半分を選択している状態で、左のツールバーから「自由変形ツール」を選択します。
(※ツールバーの中からアイコンが見つからない場合は、ツールバー下部の三点リーダーをクリックして探してみましょう。)
自由変形ツールの選択後は、メニューから変形方法が選択できるようになるため、メニュー内の「パスの自由変形」を選択してみましょう。
今回はまず、分割した左側の文字グループの右上を選択し、上方向に変形させてみます。すると、グループを維持したまま角度をつけられました。なお、変形する際にShiftを押したままドラッグすると、カーソルを垂直に移動させられます。
続いて、右側の文字グループも同じように、変形させてみましょう。
これで、文字の中心に向かって大きくなる表現ができました。
片側の文字グループに色をつけると、より立体感を演出できますよ。文字色の変更は、左側のツールバー内にある「塗りと線」、あるいはプロパティパネル内にある「塗り」の項目から変更可能です。
次に地面の反射をつくります。
すべての文字を選択している状態で、Altキーを押しながら下にドラッグして、文字を複製しましょう(Macの場合はOption)。
なお、この際もShiftキーをクリックしてドラッグすると、ブレることなく真下に移動させられます。
次に、下の文字を選択している状態で、右クリックをして「変形」>「 リフレクト」の順に選択してください。すると、リフレクトのダイアログボックスが表示されます。
そして「水平」を選択して、OKボタンを押すと、文字を上下反転させることができました。
再び「選択ツール」を使用して、上下反転させた文字を、上の文字につながるように移動させましょう。
次に、左メニューの塗りの「グラデーション」を選択します。
グラデーションの向きが横の場合は、「グラデーションパネル」から角度を「90°」に設定してみてください。
グラデーションバーの下部にある分岐点からは、グラデーションの色や透明度を調整できます。
今回は下方に向かって透明なグラデーションを作り出したいため、左の分岐点を選択し不透明度を「0%」にします。
次に左・右の反射している文字の色を適用するため、左の反射文字のグループを選択します。
選択後、右のドットを選択してから「カラーピッカー」のアイコンをクリックし、元の文字をクリックして色を反映しましょう。
また、今回は透明度を「30%」に変更し、地面に反射しているイメージを演出します。
同様に右の反射のグラデーションの設定もしましょう。
以上が、中心に向かって飛び出す立体文字の作り方でした。
このままでも十分スタイリッシュなロゴとして使用できますが、ロゴのイメージに合うモチーフを追加したり、背景にもグラデーションの効果を適用したりすることで、より立体的になります。広告をはじめ、特に文字を目立たせたいシーンでぜひご活用ください。
丸く飛び出す立体文字
丸く飛び出す立体文字は、アート感のある表現をしたいときに最適です。
CDジャケットやポスターなどのデザインでは、特にぴったりでしょう。
それでは作成手順をご紹介します。今回は以下の設定で作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カラーモード:RGBカラー
まずは立体化したい文字のテキストを作成します。サンプルで使う値は以下のとおりです。なお、今回は文字を3行に分けて使用するので、改行ではなく行ごとに入力してみてください。
- フォント名:Kepler Std
- フォントの太さ:Black Extended Caption
- フォントのサイズ:130px
- フォントのカラー:#ffffff
- 文字間:20
また、今回は文字を白にしているので、「長方形ツール」を使用して背景に水色(#7ddef4)を敷きます。
次に「楕円形ツール」を使用して、円を作ります。
「Shift」キーを押しながらドラッグすると、カンタン正円を作れます。
続いて、波のような形に円を切っていきます。
円を選択している状態で、左メニューの「ナイフツール」を選択してください。
(※ツールバーの中からアイコンが見つからない場合は、ツールバー下部の三点リーダーをクリックして探してみましょう。)
クリックしながら切りたい箇所をなぞることで、円を分割することができます。
今回は波のように緩やかなカーブを描いて切ってみました。
次に「選択ツール」を使用して、切り離した部分を上下にずらして隙間を作りましょう。
そして、隙間を空けたら円をすべて選択し、丸に近づくように少し押しつぶします。
次に円の中に文字を入れていきます。
Shiftキーを押しながら円とテキストを一つずつ選択して、「オブジェクト」>「エンベローブ」>「最前面のオブジェクト」を選択します。\ (※上記の操作が上手くいかない場合は、円と文字の重なりが正しくない可能性があります。円を選択して、右クリック >「重ね順」>「最前面へ」をすることで、円を上に移動しましょう。)
同じ操作を繰り返し、2行目、3行目も同様に円の中に文字を入れていきましょう。
次に、文字を編集できるパスの状態に変えます。
なお、これ以降はテキストの変更ができなくなるので、必要に応じて複製や保存をしておきましょう。
文字をすべて選択した状態で、「オブジェクト」>「エンベローブ」>「拡張」をして、パスの状態にします。
パス化した文字は、グループごとに分かれているので、「選択ツール」で文字をすべて選択してCtrl+Gを押して、グループ化します。
その後、「Alt」(Macの場合は「Option」)を押しながら、文字をずらして複製をします。
今回は複製した文字を影として使うため、暗めの色(#125993)を設定しました。
なお、先ほどと同様に、文字色の変更は、左側のツールバー内にある「塗りと線」、あるいはプロパティパネル内にある「塗り」の項目から変更が可能です。
内側に伸びるような陰影をつくるため、「選択ツール」で影になる方のテキストを選択し、サイズも少し小さくしておきます。Alt+Shiftを押しながら小さくすると、中心に向かってサイズを縮められますよ。
続いて白い文字を選択し、右クリック。「重ね順」>「最前面へ」の順にクリックし、白い文字を最前面に移動させましょう。
最後に、白い文字と暗い文字をブレンドして、立体的な文字に変えていきます。
まずは左メニューの「ブレンド」ツールを選択しましょう。
その状態で、さらにブレンドツールをダブルクリックするとオプションが表示されます。
下記の設定をしてOKを押します。
- 間隔:ステップ数 100
- 方向:パスに沿う
そして「白い文字」>「暗い文字」の順にクリックすると、それぞれの文字がブレンドされ影ができます。
次に「選択ツール」で陰になる方の暗い色の文字を選択します。
なお、ここまでの操作で暗い文字は白い文字と同じグループになっているため、暗い文字を選択する際はダブルクリックで選択しましょう。
そして、白い文字の後ろに回り込むように移動させます。
これで、手前に飛び出してくるような影をつけることができました。
最後に仕上げの調整を行います。このままでは白い文字が少し読みづらいため、白い文字だけをダブルクリックで選択して、線に水色を入れましょう。
さらにイラスト素材を足したり、背景を差し替えたりすると、より目に留まるデザインに仕上げられます。
メタルな立体文字
最後に紹介するのが、3D効果を使った立体文字です。
{{illustrator}}を使えば、テキストの3D化もカンタンです。
カンバスは以下のサイズ・カラーで作ります。
- カンバスサイズ:1600px × 800px
- カラーモード:RGBカラー
まずは立体化したい文字のテキストを作成します。
今回のサンプルの設定は以下のとおりです。
- フォント名:Ice Cream
- フォントの太さ:Slant
- フォントのサイズ:150px~390px
- フォントのカラー:#ffbbf1
- 文字間:20~60
今回は文字を明るいピンクにしているので、「長方形ツール」で背景に黒(#222222)を付けます。
次に、テキストを選択した状態で「効果」>「3Dとマテリアル」>「マテリアル」をクリックして、文字を立体的にしていきます。
(※なお、複数のテキストに効果を適応する場合、グループ化されていないと個別に効果が適用されて見栄えがずれてしまいます。3Dの効果をテキストすべてに適用したい場合は、事前にCtrl+Gでひとつのグループにまとめておきましょう。)
すると、「3Dとマテリアルパネル」が表示され、文字の上に角度を調整するマークが表示されます。
ちなみに、マークをつまんで動かすことで角度を調整できるほか、「3Dとマテリアルパネル」からも調整が可能です。
細かく設定するときはパネルから調整をしましょう。
「3Dとマテリアルパネル」が表示されない場合は、「ウィンドウ」>「3Dとマテリアル」から表示させましょう。
「3Dとマテリアル」では3つのタブで設定を調整できます。概要は以下のとおりです。
- オブジェクト:3D表現の仕方や形・角度の設定ができます。
- マテリアル:表面の質感の設定ができます。
- ライト:光の当たり方や影の設定ができます。
特にオブジェクトの「3Dの種類」は、形を大きく左右する要素なので、最初に設定するのがオススメです。
今回はメタルな質感を出すべく、以下の設定をしていきます。
■「オブジェクト」タブの設定
- 3Dの種類:膨張
- 奥行き:10px
- ねじり:0°
- テーパー:100%
- ボリューム:100%
- 回転 X:0°
- 回転 Y:0°
- 回転 Z:0°
■「マテリアル」タブの設定
- ベースマテリアル:初期設定
- ベースプロパティ 粗さ:0
- ベースプロパティ メタリック:1
■「ライト」タブの設定
- 強度:200%
- 回転:-125°
- 高さ:60°
- 柔らかさ:60%
- 環境光:チェック
- 環境光 強度:200%
ここまで設定が完了したら、パネル右上にあるアイコンからレンダリングを行います。
レンダリングアイコンを押すことで、編集中の簡易なプレビューとは異なり、実際にどのような見た目になるか(光や影、反射などの効果を含めて)をより精密に計算された状態で、仕上がりを確認できるようになります。
なお、レンダリングはオン・オフを切り替えられますが、オンの状態だと処理が重くなるので、設定を再度調整する際はレンダリングをオフにして、完了したらオンに戻すのがオススメです。
「3Dとマテリアル」の効果は、3Dツールで作ったようなリアル表現をカンタンに再現することができ、アイコンやイラストなどにも応用が効くのでぜひ使ってみてください。
PhotoshopやIllustratorで、思いどおりのデザインを
今回ご紹介した立体文字を活用すれば、パッと目を引く魅力的なバナーやチラシを作れます。{{photoshop}}や{{illustrator}}なら、このように一見すると作るのが難しそうな文字デザインでも、手順を辿ればカンタンに作成できます。
また、生成AIを使った画像編集の機能も充実しており、ワンクリックで写真内の不要なものを削除したり、まったく新しい画像をすぐに生成したりすることも可能です。
{{photoshop}}と{{illustrator}}があれば、想像を超えた新しいクリエイティブの世界が広がります。
この機会に、ぜひお楽しみください。