写真にモザイクやぼかしを入れる方法

日常生活や特別なイベントで撮影した写真をSNSに投稿する際、子どもや周りのプライバシーを守るために、人物やナンバープレートなどにぼかしを入れたほうがよい場合があります。
そこでオススメなのが、カンタンにぼかしを入れられる無料のモバイルアプリ「Adobe Photoshop Express」です。直感的な操作で様々なシーンに合うぼかし加工が施せるので、誰でもすぐに利用できます。
また、記事後半ではPC用の高機能な画像編集ツール「Adobe Photoshop」を使った、「不要な写りこみを除去する機能」や「写真をおしゃれにするぼかし加工」も紹介します。ぼかしの種類も豊富に用意されているので、写真の雰囲気に合わせて最適なぼかしを選択できます。
大切な思い出をSNSで共有しながら、プライバシーもしっかり守りましょう。
※当記事の情報は、2024年1月17日時点のものです。アプリケーションのバージョンにより、操作画面のUIや機能が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
目次
スマホでカンタンにぼかしやスタンプを入れる
まず、無料で使えるモバイルアプリ「Adobe Photoshop Express」で、写真をぼかす方法を紹介します。Photoshop Expressは一部の機能が有料ですが、これから紹介する機能は無料で使えます。アプリをお持ちでない方は、以下のリンクからアプリをダウンロードしてお使いください。


ここからは、「ぼかし」機能を使って写真の一部をぼかす方法と、「スタンプ」機能を使って顔を隠す方法を紹介します。
方法1:写真の一部にぼかしを入れる
今回は下の写真の、後ろを走っているランナーの顔をぼかしてみましょう。
【手順1】「調整」をタップする
Photoshop Expressで写真を開いたら、まず画面下のツールバーから「調整」をタップします。
【手順2】ぼかしを選択する
画面中央の加工範囲「フル」が選択されている状態です。この状態でスライダーから「ぼかし」を選択してください。すると、スライダー下部に、ぼかし加工のパターンを指定するメニューが表示されます。
【手順3】加工範囲を選択
何も操作しなければ「放射状」が選択された状態になっています。また、写真中央部分に現れる白い円は、ぼかし加工の場所や範囲を表しています。加工を施したい部分に合わせて、ぼかしの大きさや位置を指で調整しましょう。
なお、初期設定では円の外側にぼかしがかかります。今回は顔にぼかしをかけたいので、スライダーの右側にある反転ボタンをタップ(青色から白色に変ります)してください。
【手順4】強度を調整する
ぼかしの強度は、写真真下のスライダーで調整できます。右側にスライドすると、ぼかしが強くかかります。ぼかし具合の調整ができたら、右上の書き出しボタンをタップし、データの保存画面へ進みましょう。
以下の画像のように、後ろのランナーの顔をぼかせました。
方法2:スタンプで隠す
友達との記念写真、家族の日常風景など、身近な人の顔を隠して写真を投稿したいときにはスタンプがオススメです。遊び心のある隠し方で、楽しい雰囲気が伝わりやすくなります。
【手順1】「ステッカー」を開く
Photoshop Expressで写真を開いたら、まず画面下のツールバーから「ステッカー」をタップします。
【手順2】ステッカーを選択
「花」や「顔文字」など、テーマごとにスタンプが複数用意されています。お好きなスタンプを選択してください。
【手順3】移動、サイズ調整
スタンプを好みの位置に配置し、2本の指でピンチしながら大きさを調整しましょう。
写真全体にぼかしを入れたい場合の方法
先ほどは写真の一部分のみを加工する方法を紹介しましたが、放射状の隣の「フル」を選べば、写真全体にぼかしを入れられます。
【手順1】「調整」をタップ
「調整」→加工範囲「背景」→「ぼかし」を選択します。
【手順2】「フル」で全体をぼかす
今回は部分的に選択される「放射状」ではなく「フル」を選択し、全体に加工を適用します。
【手順3】強度を調整する
スライダーでぼかし具合を調節します。右側にスライドすると強く、左側にスライドすると弱くなります。
背景をぼかしたい場合の方法(有料)
続いて、プレミアムプラン(有料プラン)で使える背景選択の機能を使って、背景だけをぼかす方法を紹介します。プレミアムプランは7日間無料体験が可能なので、ぜひお試しください。背景のみをぼかすことで、被写体に深みや立体感を与えられますよ。
【手順1】加工範囲を「背景」に変更
画面下のツールバーの「調整」をタップし、加工範囲を「フル」から「背景」に変更してください。
【手順2】ぼかしの強度を調整する
ぼかしを選択したら、スライダーでぼかしの強度を調整してください。
PCでモザイクやぼかしを入れる
次は、PC用の写真編集ソフト「Adobe Photoshop」を使って、写真にモザイクやぼかし加工を施す方法を紹介します。
モザイクやぼかし加工は、「フィルター」機能で施せます。他にも、生成AI機能を活用した不要物の除去や、テキストを対象とした塗りつぶし方法など、便利な加工機能も合わせて紹介します。
なお、Adobe Photoshopは月額サブスクリプションモデルで提供されています。Photoshopは7日間無料で体験できるので、ぜひ気軽に試してみてください。
「フィルター」を使ってぼかす、モザイクをかける
フィルターのうち、「ぼかし(ガウス)」「モザイク」の2種類を使った加工方法を紹介します。どちらの場合も、効果をかける前にレイヤーをスマートオブジェクトに変換しておきましょう。スマートオブジェクトに変更することで、元の画像データを非破壊編集できます。非破壊編集とは、元の画像データに上書きをせず、画像を編集できることです。画像編集後に「元の画像データに戻したい」という場合に役立ちます。
スマートオブジェクトに変更できたら、効果をかけたい範囲を「選択ツール」であらかじめ選択しておきましょう。
方法1:「ぼかしガウス」フィルターを使う
【手順1】「ぼかし(ガウス)」を選択
画面上部のメニューバーから「フィルター」を選択し、「ぼかし(ガウス)」を選択します。
【手順2】強度を調整する
ダイアログボックスから「半径」を指定します。ピクセル数が大きくなるほどぼかしが強くなります。
方法2:「モザイク」フィルターを使う
【手順1】「モザイク」を選択
加工範囲を選択し、画面上部のメニューバーから「フィルター」を選択し、「ピクセレート」、「モザイク」の順で選択します。
【手順2】強度を調整する
ダイアログボックスから「セルの大きさ」を指定します。平方ピクセル数が大きくなるほどひとつのセルのサイズが大きくなり、元画像の情報が省略されます。
写っている人を消したいときは「生成塗りつぶし」
風景写真に写りこんだ人やものを消したいときは、Adobe Fireflyによる生成AIを使ったPhotoshopの機能「生成塗りつぶし」がオススメです。最初からそこに人がいなかった、ものがなかったかのような写真に加工できます。
生成塗りつぶしを使う
【手順1】塗りつぶしたい範囲を選択
選択ツールを使用して、塗りつぶしたい範囲をざっくりと選択します。選択できていない部分があると画像に残ってしまうので、必ず消したい対象物が選択範囲内に収まるようにしてください。
【手順2】「生成塗りつぶし」を選択
選択範囲内で右クリックし、「生成塗りつぶし」を選択します。
【手順3】生成する
ダイアログボックスが表示されます。プロンプトには何も入れずに「生成」を押してください。なお、画像が生成されるまで少し時間がかかります。
【手順4】バリエーションの中から選択
プロパティウィンドウに3つのプレビューが表示されるので、気に入ったプレビューを選択してください。
文字情報を黒塗りで隠したい
隠したい情報が文字である場合、ぼかしよりも「黒塗り」が適しています。
「塗りつぶし」を使う
【手順1】塗りつぶしたい範囲を選択
長方形選択ツールを使用して塗りつぶしたい範囲をざっくりと選択します。
【手順2】「塗りつぶし」を選択
画面上部のメニューバー「編集」から「塗りつぶし」を選択します。
【手順3】「ブラック」に指定
ダイアログボックス上部の「内容」を「ブラック」にし、「不透明度」を100%に設定します。
おしゃれなぼかしでアートっぽく仕上げる方法
ここまで紹介したようなぼかし方以外にも、アドビの画像編集アプリを使えば、ステンドグラス風にぼかすといったおしゃれな加工ができます。ここではモバイルアプリの「Photoshop Express」、次にPC用画像編集アプリ「Photoshop」でできることを解説します。
モバイルアプリ「Photoshop Express」を使って加工する
Photoshop Expressの「調整」機能にある「粒子」のフィルターを使えば、レトロな写真に仕上げられます。
「粒子」を使う
【手順1】「調整」機能を選択
「方法1:写真の一部をぼかしたい」と同じ手順で、「調整」→加工範囲「フル」→「フィルター」内の「粒子」を選択します。
【手順2】強度を調整する
スライダーを使って写真内の粒子量を調整します。
PC用ソフト「Photoshop」を使って加工する
Photoshopでモザイクをかけるときに使った「ピクセレート」のフィルターには、モザイク以外にも「点描」「ぶれ」などの表現方法があります。使い方次第で写真をアーティスティックにアレンジできますよ。
「フィルター」内の効果を使う
【手順1】「フィルター」→「ピクセレート」内の効果を選択
画面上部のメニューバーの「フィルター」から「ピクセレート」を選択し、「点描」「ぶれ」「水晶」など、写真に合った効果を選択します。
【手順2】強度を調整する
ダイアログボックスのスライダーで強度を調節します。
「Adobe Photoshop Express」「Adobe Photoshop」で写真にモザイクを、さらにアートへ
モザイクやぼかし加工をすることで、写真内の個人情報や機密情報を保護し、プライバシーを確保することは発信者への信頼と安心感を築くうえで重要です。
近年、ぼかし加工は個人情報を隠す目的にとどまらず、写真を美しく演出する手法としても活用されています。この記事で紹介したように「Adobe Photoshop Express」や「Adobe Photoshop」の機能を活用すれば、単に「見せたくないものを隠す」だけでなく、写真をより洗練されたアート作品へと昇華できます。
以下の記事では、当記事で紹介できなかった機能の説明も含め、Photoshop Expressの使い方を詳しく紹介しています。画像加工を行う際は、ぜひ参照してください。
なお、Photoshop Expressは無料でダウンロードできます。iOS、Android、Windowsの携帯電話とタブレットで利用でき、クラウドストレージとの連携も可能です。


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