2019年の1月に、アイスランドに行ったんです。初めて一眼レフカメラで撮ってみたんですけど、全然綺麗に撮れなくて。一緒に旅をしていた先輩たちは、めちゃくちゃ素敵な写真を撮っていたのに憧れて、そこから勉強したいと思ったんですね。

動画だと、自分が体験した旅や日常を、視聴者に臨場感もって伝えられるし、僕の旅や日常の動画をみた人が、「こんな楽しい人生もあるんだ」とか「旅って楽しそうだな」と思ってくれたらいいなと思って、動画をはじめたんです。

でも、ただの動画は嫌だった。景色だけを映した映像は、撮った人の個性がにじみ出てこないのが勿体ないと思いました。旅先の美しさや楽しさを表現するためには、旅した僕自身も動画に出演して、その場で思ったことを喋って伝えるのが一番だと思ったんです。それがVlogをはじめたきっかけですね。

僕は毎日飲み歩いてるような大学生だったんですよ。でも居酒屋でたまたま出会ったおじさんが世界を旅しながら舞台監督をやっている人で、『レ・ミゼラブル』とか誰もが知ってる舞台にも携わってた。その人に「若いうちに海外行った方がいいよ」って言われて。

そこから、大学3年生から4年生の間に初めて海外のオーストラリアに行きました。せっかくでかい国に行くんだから、自分も初海外でなにかでかいことをしたい。そう思って、オーストラリアの東半周1万キロを自転車旅しました。初海外初旅で、何をどうしていいかも分からないけれど、走って野宿してキャンプ飯を食べて、どこもかしこも絶景ばかりで。「人生ってこんなに楽しいんだ」って初めて思えたんですよ。飲んでばっかりの大学生活よりずっといいなって。

だから「自分の人生楽しくないな」と思ってる人には、僕の動画を見てもらって旅に出たり自由な暮らしをしてもらって、、「人生って楽しいんだ、自分がみている世界が全部じゃないし、もっと自由に生きていいんだ！」って思ってほしい。僕も、誰かの未来を変えられるような、あのおじさんみたいになりたいなって思いますね。

旅行Vlogのときは、旅行中は常にカメラを回しています。いつ何が起きるか分からないのが旅の醍醐味なので、その瞬間を逃さないようにしています。あとは、ネタになりそうな旅先にいくこと！

新型コロナで旅行ができなくなった今は、僕と彼女の日常をVlogにしています。会社員でも自宅勤務になって、「自宅での過ごし方が分からない」「自由になったけど時間が余る」なんて言葉もきく。今は、そういう人たちのネタ探しをしていますね。ある意味、在宅勤務の先輩なんで「こういう風に暮らしてみたらどうですか？」とか提案してみたい。みんなが楽しめるものをという前提から、ネタを見つけてますね。

たとえば、旅先ではずっとカメラを回しているけれど、ネットにアップするのはごく一部です。ニュージーランドにいったときも、映えない映像とか、なにも視聴者に与えられる勇気とか希望がないものはお蔵入りです。

たとえば登山しているVlogをアップする。厳しい山道を進んだ先に絶景がみえることで、「いろんな経験を乗り越えた先にしか見えない景色がある」ということを動画を見た人に伝えたい。いま辛い誰かに希望を持ってもらえるようなメッセージ性のあるものをアップしています。

もっと僕と彼女がイチャイチャした動画をアップした方がいいって言われることもあります。でも「自分の姿で誰かの人生が変わるきっかけになるか」、「自分の伝えたいメッセージは何か」を軸に、本当に必要かどうかを考えてネタや編集方法も厳選するようにしていますね。

あと、失敗談もきちんと語る。Vlogでもホットサンドがうまく作れなかった話とか、自分と彼女の部屋が汚いこととかをアップしている。そういう人間でも楽しく生きていけるんだって僕のVlogをみて思ってほしいですね。

部屋の中の動画なら、撮る順番をある程度考えてから作ります。旅系は何が起きるかわからないので、カメラを回しっぱなしにしてリアルタイム感をどうやって出せるかを考えていますね。構成はほとんどしてないです。

撮影はLogを使いながらSonyのα7R IIとVLOGCAM ZV-1です。ZV-1は初心者用カメラで、誰でも簡単に撮れるんですよ。映像が綺麗で編集もしやすいんです。

Premiere Rushはスマホで編集ができるんで、撮影したらその場で編集してます。クラウドで同期できるので、スマホで大体の編集をしてからパソコンで調整することもあります。Premiere Rushの機能にはないエフェクトが必要な場合は、PCのPremiere Proで編集してます。

学生の頃におじさんに旅のきっかけをもらったり、旅先で先輩にカメラを教えてもらってそれが仕事になったり、自分も他人に人生を変えてもらってきました。みんなにも僕の動画を見て、こういうところに行きたい、こういう動画を撮ってみたいと思えるようになってもらいたいです。
 

あと、毎週Vlogを作ることで、いつでも「Vlogのネタになりそうな楽しいことはないかな」って思えるようになった。自分がポジティブになるためのツールでもありますね。

動画をアップすると「ROYworld（ロイ）さんに憧れます」とか「旅っていいですね」みたいなコメントを貰うときがあります。彼女のほうにも「彼氏さんとああいう生活するのすごく憧れます」とか毎日のようにコメントやDMが来ているんですよ。
 

自分の動画が誰かの役に立ったと思うとすごく嬉しい。

まずは、やってみよう！いままで200人くらいにPremiere Rushを教えてきましたけど、全員初心者でした。一回もPremiere Rushを触ったことがない方でも、撮影や編集を一緒にやってあげると、最後は「意外と簡単じゃん！」「もっと早くやってみればよかった！」って言ってくれる。機材も、DJI Osmo Mobileでもいいし、大川優介さんみたいにiPhoneでもいい。音声もスマホで撮ればいいんです。こだわりを持たずに撮りたいもの撮っていくのが大事かな。

僕の場合でいうと、アイスランドの動画はクオリティに満足できなかったし、再生回数は100回くらいだった。でも、「この素晴らしい景色をみてほしい」っていう思いが強かったし、自分の動画をみて「あ、この時めっちゃ楽しかったな」と思えたんです。誰かに発信するだけじゃなくて、自分の思い出の貯金箱みたいにVlogを使えたらいいですよね。

トップクリエイターも最初に作った作品は自分でも満足いかなかったものだったと思います。誰でもスタート時点ではクオリティは低くて再生数も伸びない。でも、それでいいんですよ。「みんな最初は初心者だ」と思ってポジティブに投稿してほしいです。特に、Vlogなら周りも初心者ばっかりだし、はじめるなら今がチャンス！　ぜひ、楽しんでみてください。