これから、個々のファイルへのエフェクトの適用について説明します では、波形エディターと呼ばれている機能を使って 個々のファイルにエフェクトを追加していきましょう ただし、波形エディターでは 波形表示だけでなく スペクトル周波数表示や スペクトルピッチ表示のビューでも 個々のファイルにエフェクトを適用できます エディターパネルの波形表示ビューの方が 若干直感的に作業できるので ここではこのビューを使用しますが どのビューでもエフェクトを適用できます このセッションではマルチトラックセッションは基本的に扱いません 波形ビューで追加できるエフェクトには 2種類あります オプションのないエフェクトと オプションのあるエフェクトです エフェクトメニューを表示すると 位相反転、リバース、無音などのエフェクトが表示されます これらの末尾には"..."
がなく サブメニューも表示されません サブメニューはエフェクトのグループです グループ内のエフェクトには 末尾に"..."
がついています これらのエフェクトは ダイアログボックスが開き オプションを選択できます 一方、こちらのエフェクトにはオプションがありません このファイルで「リバース」をクリックすると すぐに適用されます。
オプションの選択はありません。
元に戻すには、CtrlまたはCommand+Zキーを押します このファイルをすべて選択して 「無音」を選択しても 同様です 消えました 無音の程度を選択する余地はなく ただ音を消すだけです 「位相反転」をクリックした場合も同様で 波形を反転するだけです 同じように聴こえますが反転しています 異なる波形を使うのは ステレオセッションで結合した2つのファイルに 位相の問題が発生した場合です オプションはありません こちらはオプションあり こちらはオプションなしです 「トーンを生成」は特有のエフェクトです これをクリックするとトーンが生成されます トーンはファイル全体に適用することも 上書きすることも 挿入することもできます 時間インジケーターが表示されていて ファイルを選択していない場合 そこに挿入されます 「OK」をクリックすると 3秒のトーンが挿入されます トーンの長さは ユーザーが自由に選択できます まずトーンが流れ 次に曲です また曲とのオーバーラップや 置き換えも可能です その他のエフェクトでも それぞれの項目を個別に使用して クリップにエフェクトを適用できます エフェクトメニューの右側には テンプレートメニューがあります 末尾に"..."
はついていません これらはクリックですぐに適用されます テンプレート作成可能な項目です 基本的にはアドビのエンジニアが エフェクトとそれに関連するプロパティを 組み合わせて作ったものです テンプレートを適用すると、それらのプロパティや一連のエフェクトが 直接クリップに適用されます また、適用すると変更はできません わかりやすい「電話の声」を試してみましょう もう少し何とかしたい場合 エフェクトを適用して同様の効果を作り 微調整するという方法もありますが テンプレートを使えば より簡単にできます 非常に手軽で 悪くない方法です さらに、独自のテンプレートを作成することもできます 調整はできませんが、テンプレートなら 簡単な操作ですぐに適用できます エフェクトに戻りましょう 個々のファイルにエフェクトを適用するには 2つの方法があります 1つは波形上で直接適用する ディストラクティブ(破壊)編集、 もう1つはエフェクトラックを使用する編集です エフェクトラックが表示されていない場合は これら4つのタブを 切り替えて エフェクトラックタブをクリックします タブが表示されていない場合は ウィンドウメニューの 「エフェクトラック」をクリックします ここでのエフェクトの設定は ノンディストラクティブ(非破壊)編集です 設定したエフェクトは 最終的には適用が必要になります エフェクトを設定して このファイルを保存する場合 またはマルチトラックセッションで使用する場合 適用と呼ばれる操作が必要です エフェクトを適用すると、クリップそのものが変更されます 破壊編集とはオーディオの性質そのものを 変更する方法で クリップが一時フォルダーに一時ファイルとして 保存されます 名前を変更せずにファイルを保存すると 元のファイルは置き換えられます ファイル名か、保存先のフォルダまたはドライブを 変更すると 元のファイルは置き換えられません これは個々のファイルでの破壊編集を 行うのと同じことです マルチトラックセッションの場合は非破壊編集になります エフェクトをいくつか適用しましょう まずは全般的な 手順を説明してから その後個別のケースについて説明します いくつかのエフェクトの隣に (プロセス)と示されています プロセスエフェクトはクリップに 直接適用されます ノーマライズ(プロセス)、フェードエンベロープ(プロセス) ゲインエンベロープ(プロセス)などです エフェクトラックに移動して 「振幅と圧縮」を見てみましょう ノーマライズ、フェード/ゲインエンベロープはありません これらはエフェクトラックでは利用できません プロセスエフェクトが他と異なる点は 大量の処理を必要とし クリップに直接適用する必要があることです エフェクトを適用してみましょう 通常はエフェクトメニューで選択します 「リバーブ」を選択し 「コンボリューションリバーブ」を選択します ダイアログボックスが表示されます ダイアログボックスでは マウス操作によって 設定を変更できます ダイアログでは再生ボタンを使用して クリップを再生することもできます このボタンで停止します ループボタンを押して再生ボタンをクリックすると クリップが繰り返し再生されます 停止します 範囲を選択すると その範囲だけが ループ再生されます これが基本的なプレビュー方法です このボタンでエフェクトのオンとオフを切り替えます クリックしてみましょう ボタン1つで オンとオフを 切り替えることができます プレビューでエフェクトの効果を 実際に確認し 問題なければ「適用」をクリックします ここで設定を変更することもできます プリセットも用意されていて この中から 「立見席」を選択してみましょう プレビューしながら 別のプリセットも試せます コンボリューションリバーブには インパルスと呼ばれる 特殊なエフェクトもあります プリセットを選択してから試してみます このようになります (デフォルト)に戻しましょう こちらもデフォルトの 「教室」に変更します 再生しながら変更してみます コントロールを調整しながら どのように適用されるかを確認できます この画面の便利なところは リアルタイムにプレビューしながら エフェクトに変更を適用できる点です エフェクトの設定が終わり 内容に満足したら「適用」を そうでなければ「閉じる」をクリックします 「適用」をクリックした場合は クリップ全体にエフェクトが適用されます 今は取り消します クリップの一部に適用する場合は エフェクトをもう一度開きます 「リバーブ」をクリックし 「コンボリューションリバーブ」をクリックします 先ほどの画面です 「適用」をクリックすると、このセクションにだけ適用されます エフェクトはクリップ全体にも 一部の範囲にも適用できます 聴いてみると 一部にのみ適用されています ボリュームやエフェクトの 違いがはっきり分かります 取り消します これがエフェクトを直接適用する方法です エフェクトラックでエフェクトを適用する場合 エフェクトラックには 常にカスタムプリセットがあることを考慮します これらのプリセットは、エフェクトを組み合わせたものです たとえば 「電話」は 私のお気に入りです 3つのエフェクトで構成されています 聴いてみましょう これはテンプレートメニューの 「電話の声」と非常によく似ています テンプレートを適用して エフェクトラックを このボタンでオフにします エンジニアがこのテンプレートをどのように作ったかというと 3つのエフェクトを設定し プロパティを調整して 最終的にテンプレートとして 保存したのです こちらをオンにして テンプレートを取り消しましょう こちらの3つのエフェクトに戻りましょう エフェクトを調整したい場合は いずれか1つをダブルクリックします 表示されたダイアログで調整します 再生してみましょう このようにして調整します Xをクリックすると、 ダイアログが閉じますが 調整は有効のままです もう一度開くと 先ほどの変更が 保持されています 必要に応じてプリセットを選択し 調整できるということです この3つを削除しましょう エフェクトを1つずつ選択して そのたびにDeleteを 押します ごみ箱をクリックすると 個々のエフェクトではなく プリセットが削除されるので 注意してください リストからエフェクトを削除するには Deleteを押します 元に戻します エフェクトを削除するのではなく 無効にしたいという場合もあります 再生してみます 「ゆがみ」をオフにして違いを確認します このように エフェクトによる違いが はっきり分かります ここでもプレビューしながら変更できます エフェクトを自由に組み合わせて 試すことができます プリセットの説明は ここまでにしましょう エフェクトをいったん削除して 別のエフェクトを紹介することにします 「リバーブ」エフェクトの 「コンボリューションリバーブ」を選択します 先ほど試したこのエフェクトを 「橋の下」に変更してみます いいでしょう これで問題ないとします これをマルチトラックセッションで 実際に有効にするには 適用する必要があります このエフェクトを適用して ファイルを保存すると インターネットでの再生や CDの作成も可能になります 適用しないと エフェクトはAudition CCでのみ有効となり それ以外で聴くことはできません エフェクトラックでエフェクトを追加すると ファイル名の横にアスタリスクが表示されます このアスタリスクは、一時フォルダに 一時ファイルが作成されていることを示しています ただし、エフェクトラックにエフェクトを適用した場合 実際には新しいファイルは作成されていません ここで「保存」を選択すると 保存されるファイルにラックのエフェクトは 適用されないというメッセージが 表示されます 実際には 何も変更されていないので 保存してもファイルは変更されません エフェクトを有効にするには 必ず適用する必要があります これはキャンセルします したがって、ここにアスタリスクがあるということは 変更された一時ファイルが 一時フォルダにあるということです この場合は、エフェクトが設定中であることを 示しています あとは、保存する前に適用するだけです ここで適用すれば 波形上で直接適用したときと 同じ状態になります この状態でファイルを保存するときには より注意が必要です Ctrl+SまたはCommand+Sを押すと 元のファイルが置き換わってしまいます ここでは ファイルメニューの 「名前を付けて保存」で 同じ名前で保存します ただし元のファイルは 残しておきたいので 別の場所に保存します 同じ名前で 別の場所に保存するか 同じ場所に保存する場合は 別の名前に変更します 元のファイルを壊すことなく 同じサウンドを保存します 保存されました 再生すると エフェクトが追加されています では最後に エフェクトラックで クリップの一部に エフェクトを追加する方法です そのためには 範囲を選択して 「選択範囲のみ」を有効にします 適用すると 選択範囲にだけ適用されます エフェクトラックでも クリップの一部に適用できますが その場合 リストに含まれる すべてのエフェクトが 選択範囲に適用されます エフェクトを選択して適用することはできず すべてが一度に適用されます
