ノイズ低減や余分な音の除去が必要な場合の お勧めワークフロー、最後のステップとして サウンド除去エフェクトを紹介します サウンド除去エフェクトは Audition CCの強力なツールです アドビはその驚異的な機能を 独自の音源分離技術により実現しています 独自の音源分離技術により実現しています ユーザーは最小限の指示をするだけで ユーザーは最小限の指示をするだけで 細かな処理は Auditionが自動的に判断し 不要な音を取り除き、きれいにしています 不要な音を取り除き、きれいにしています 不要な音がきれいに消えて 必要な音が驚くほど鮮明に残ります 例えばこのようなハムノイズの除去に効果的です ハムノイズ除去はノイズリダクションでもできますが サウンド除去のほうが強力です また、このようなファン音にも かなりの低減効果を発揮します 一方、ヒスノイズなどの除去には ノイズリダクションのほうが有効です サウンド除去が真価を発揮するのは 動的な音、例えば着信音や パトカーのサイレンも除去できます noise-siren+music.wavのこの部分や この部分も サウンド除去エフェクトできれいに消して 音楽だけ残すことができます noises-music.wavに戻って作業してみましょう ハムノイズの除去からです 私がサウンド除去を使うときの手順は ノイズリダクションエフェクトのときと少し違います プレビューモードにして 効果を確かめながら作業する方法が好きだからです ただしサウンド除去では 複雑な処理を実行するので プレビューにやや時間がかかりますが 私の使い方をお見せしましょう まず、除去したい音を選択するために まず、除去したい音を選択するために 「+」キーを何度か押して 表示を拡大します このくらいの範囲から始めましょう 選択の対象は この無音に近い部分に乗っているノイズだけです 長方形選択ツールで ここだけを指定します ほとんど音がない上の部分は 除去の対象に含めません この部分にも不要な音がありそうですが 今回の説明では省略します 次にサウンドモデルを生成します エフェクトから 「ノイズリダクション / リストア」を選択します 「ノイズリダクション(プロセス)」の場合は クリックしてエフェクト内の「ノイズプリントをキャプチャ」を実行しますが ここでは 先にサウンドモデルを生成して除去効果を高めます クリックすると メッセージが表示されます 後で行うサウンド除去エフェクトで このサウンドモデルが使われるという通知です Sound Removerと書かれていますが これは、サウンド除去のことです 次回から警告を表示しないようにします サウンドモデルができました クリックして範囲指定を解除し プレビューの対象にする範囲を指定します ファイル全体をプレビューしたくなる場合が 多いと思いますが まずは短い範囲だけで実行することをお勧めします ファイル全体に対するエフェクト適用やプレビューは ファイルが長いとかなりの時間がかかるので 私がこの作業をするときはまず一部だけで 試すことにしています 特定のエフェクトの調整が十分に済んでから 改めてファイル全体をプレビューするとよいでしょう 時間選択ツールで この範囲だけを指定してから エフェクトの「ノイズリダクション / リストア」で 「サウンド除去(プロセス)」を選択します プロセスのプレビューが作成されて 結果が表示されています ハムノイズが視覚的に消えています ノイズリダクションエフェクトでは ハムノイズが多少残るのですが サウンド除去は非常に優秀です 再生ヘッドを移動してプレビューを聞いてみましょう きれいになりました エフェクトをオフにして除去前の音と比べてみます もう一度エフェクトをオンにして こちらが除去結果のプレビューです 実に鮮明ですね。
簡単にハムノイズを除去できました ここにはプリセットや調整項目もいくつかあります それらについては後で説明しますが ノイズを範囲指定するだけで効果的に消せることがわかりました 続いてファン音の除去方法を説明します 他のクリップがいくつか入っている中の これをファン音のサンプルとして使います 前の選択を解除し、再生してみます 様々な周波数を含んでいます このノイズをうまく選択する必要があります 先ほどと同じく長方形選択ツールで このように範囲指定してから サウンドモデルを生成します エフェクト/ノイズリダクション / リストア/「サウンドモデル分析」 分析用の範囲指定を解除し 時間選択ツールでセクション全体を指定します エフェクト/ノイズリダクション / リストア/サウンド除去(プロセス)で サウンド除去を適用します 下に表示されるプレビューを見てください ファン音はどうなったでしょうか 部分的にしか除去されていませんね これはファン音がやや複雑なノイズだからです ハムノイズのほか倍音などの要素が含まれているので エフェクトの調整が必要です。
プリセットを見てみましょう 「高いコンテンツの複雑度」は、話し声などの除去に使われます 今回は「高いノイズの複雑度」を使います 多数の周波数成分を含んだノイズに適しています 「高いノイズの複雑度」に切り替えると 設定値が変化します デフォルトの10、40、10、40から 100、40、14、40になりました 除去したいノイズの性質に合った 複雑なサウンドモデル向けの設定です プレビュー作成に時間がかかっています 除去作業に必要な処理量が非常に多いからです 今度はどうでしょうか 先ほどよりも消えた部分が多いですね 再生してみましょう ファン音がかなり低減されました 設定項目は自分で調整することもできます 「サウンドのパスを調整」でパス数を増やすと 反復処理の回数が増えて品質が上がります 「コンテンツの複雑度」を上げると複雑な音を除去できます 「コンテンツのパスを調整」でパス数を増やすと 反復処理の回数と時間が増えて品質も向上するかもしれません 別の例を見てみましょう たとえば咳の音はどうでしょうか 咳を消すことはほとんど不可能なのですが 参考までにどうなるか試してみましょう 長方形選択ツールで咳の音が入っている箇所を指定します 除去するためのサウンドモデルを生成するには エフェクト/ノイズリダクション / リストアから 「サウンドモデル分析」を選択 適用対象範囲を このように指定します 高いノイズの複雑度に戻ります どれくらい減らせるでしょうか 咳の音が入っている箇所はここです プリセットを「高いノイズの複雑度」ではなく デフォルト設定にして処理を早めます 見た目にはなかなかよく消えたような気がします 実際どのような音になったか 聞いてみましょう 咳はまだ耳につき、ミュージックも少し小さくなってしまいました 咳の音はとても複雑で除去は難しいのです 演奏の最中に入ってしまったらこのエフェクトでも 他のどんなエフェクトでも 十分に取り除くことはできないでしょう しかし、携帯の着信音は 簡単に特定できるので、消すことができます やってみましょう 今度はブラシ選択ツールを使います 除去する音を細かく指定できます まず表示を拡大するために 「+」キーを何度か押してから ブラシ選択ツールを使って 目的の箇所を指定します ここに見える小さな線を塗りつぶします 次の部分も同様にします 単にクリックすると前の範囲指定が消えてしまうので 2つ目以降の範囲はShiftキーを押しながら 細かく指定していきます いくつか指定して 下の線も同様に Shiftキーを押しながらいくつか指定します なげなわ選択ツールを使いたくなる場合もありますが なげなわ選択ツールに切り替えると Shiftキーを押してもそれまでの選択は解除されます 異なる選択ツールを同時に使うことはできません 今はブラシ選択ツールに戻して もう一度Shiftキーを押しながら 範囲指定します こちらの平行線も同様に それぞれいくつか指定すれば十分でしょう 塗りつぶしの濃さが足りなければ 塗り重ねて、目的の箇所が見えないくらい濃くします 範囲指定の後はエフェクトメニューから 「サウンドモデル分析」を選択して サウンドモデルを生成します 今度はセクション全体が見えるように 「-」キーを押して表示を縮小し エフェクトの適用範囲を指定します 時間選択ツールで この着信音が鳴っている部分を囲みましょう 後に見える着信音は違う音なので同じモデルは使えません エフェクト/ノイズリダクション / リストア/ 「サウンド除去(プロセス)」を選択 どうなるでしょうか ここにあった着信音がほぼ消えました プリセットはデフォルトのままです プレビューを聞いてみます わずかに着信音が聞こえなくもないですが かなりの効果があったことは確かです ちなみにプリセットにも 「電話の呼び出し音の削除」が用意されています デフォルト値は10、40、10、40ですが、これを選択すると コンテンツのパス数がずいぶん増えて サウンドモデルの複雑度もやや上がりました。
プレビューしてみます 私の印象では、先ほどの結果のほうが良かったと思うので デフォルト設定に戻します 「サウンドモデルの複雑度」を少し上げて 複雑な分析をさせるなど多少の手動調整をしたほうが よい結果が出るかもしれません 「FFTサイズ」を変更してみるのも手です まずはこの設定の結果を聞きましょう わずかなクリック音があります 「FFTサイズ」のFFTは「高速フーリエ変換」の略で 小さくすると変更対象のサンプル領域が狭くなります この例のように短い音の場合、サイズを小さくするほうが よい結果が得られる可能性は十分あります 設定値を下げてどう変化するか見てみましょう ただし、良い影響が出るとは限りません 下げると除去の対象になる音が増えて 音がこもる傾向があります 確かにこもった音になりました 16,000などの大きいサイズも指定できますが やはり良い結果が出るとは限りません たいていの場合は中くらいの設定値が無難です 8,000あたりに戻してみましょう ごくわずかに着信音が見えています このようにして使用します 範囲指定のやり直しで 結果が少し良くなる可能性もあります 次はサイレンの除去です 驚かれると思います 元の音声はこちらです 見やすいように少し拡大しましょう 右クリックし、ドラッグして表示範囲を指定します ブラシ選択ツールを使います ちょっとブラシが小さいですがこのまま行きましょう 重ね塗りで範囲指定の幅を広げられるところをお見せします サイレンの音をなぞって もう一度このように下をなぞって太くします 今度は下り坂 ずっとShiftキーを押しながら描いています 同じように倍音の線もなぞりましょう まだShiftキーは押したままです このマークを描くにはドラッグする必要があります クリックするだけでは作れないことに注意してください 周波数範囲を全体にズームアウトして さらに続きを描きます 塗り重ねて濃くしたり こうして だいたい十分な範囲指定ができたようです この後続部分は塗りません ほぼ同じ音なのでこれだけで対応できるはずです サウンドモデルを生成します エフェクト/ノイズリダクション / リストア/「サウンドモデル分析」を選択 ここで範囲指定を解除します わりと短いファイルなので全体に適用しましょう エフェクトメニューの「ノイズリダクション / リストア」から 「サウンド除去(プロセス)」を選択すると 設定が「(カスタム)」になっています。
これでは時間がかかるので 「(デフォルト)」に戻して実行します 下のグラフを見ると サイレンはほとんど見えなくなりました 少し残っていますがこれで聞いてみましょう まだ音は聞こえます 実は、サイレンの音は比較的複雑です 似たような音でも、周波数が変化するため 複雑になるのです 「サウンドモデルの複雑度」設定値を上げましょう プレビューします。
前回より時間がかかります 再生します 少し音がこもりました。
サウンド除去には付きものの問題です やはり微調整作業はいつも必要になりますね プリセットを使ってみましょう サイレン除去用のプリセットが2種類あります 「サイレンを削除-ノイズ増加」を選んで 結果を見ることにします 設定値は、20、40、19、40になりました さほどデフォルトと変わりません 聞いてみましょう サイレンが消えました エフェクトがオフだとこの音ですが オンにするとこうなります すばらしい このようにサウンド除去ツールには 不要な音を切り分けて取り除き 必要な音を残す優れた機能があります 動的な性質がある音や 時間を追って変化する音 よく耳につく音、前面に出ている音でさえ除去できます
