ここ数年の間に、世界中の多くの国や地域で 放送ラウドネス規格が運用されるようになりました 放送で送信されるオーディオは ラウドネス基準に準拠させる必要があります オーディオを聞くだけでなく、ラウドネス規格に基づいた 実際のラウドネス値を測定できるようになりました 測定単位も、dBFSに代わって LKFSが主流となりつつあります Kカーブに基づくラウドネス単位で LUFSと呼ばれることもあります 今では様々なツールや方法を用いて、ラウドネス値の測定や 分析を行うことができ、さらに重要なことに 地域や国のラウドネス規格に適合した オーディオを含む映像を出力できるようになりました さて、これはAdobe Auditionの画面ですが TC Electronic Loudness Radar Meterというツールがあります プログラムのラウドネス値をリアルタイムに確認できるので 設定した範囲内に収まるよう オーディオレベルを調整できます この場合はATSCに設定しています。
ATSCはAdvanced Television Systems Committeeの略で 米国におけるデジタルテレビ放送の標準規格です ITU規格は米国でも日本のARIBでも採用され ヨーロッパではEBU規格が広く採用されています 少し再生してみると、これがどのように機能し プログラム素材の平均ラウドネス値をリアルタイムで チェックできることがわかります。
聴いてみましょう [♪ 音楽 ♪] パラメーターはすべて自由に編集できます ご覧のように、このATSCのターゲットラウドネスは -24 LKFSなので、ここを見ると、完全に範囲外ですが このオーディオはAuditionで編集しているので 放送基準を満たすように調整を加えることができます 編集中のオーディオでも完成したオーディオでも 調整できる方法がいくつかあります まず、アクティブなセッション内のオーディオを特定のラウドネス規格に 適合させようとしている場合、クリップ上で右クリックして 「クリップのラウドネスを一致」、適合させる必要のある規格の順に選択し ターゲットと許容量を設定して「OK」をクリックします すると、元のオーディオファイルに影響を与えることなく、マルチトラック内で 調整が実行されます。
一連のオーディオファイルを特定のラウドネス規格に 適合させる場合は、バッチ処理機能を使用して この操作を行えます。
ファイルパネルで一連のファイル すべてを選択してこのラウドネスを一致パネルにドラッグすると ラウドネス、合計RMS、ピーク、トゥルーピークなど このオーディオファイルのすべての属性が分析されます そしてラウドネスを一致パネル内で、すべてのオーディオの一致先を 先ほど述べたITU、ATSC、EBUのいずれかの規格に設定します この場合も、Auditionのパネル内で瞬時に操作を実行できます このとおり、もうすべてのオーディオファイルがITU規格に適合しました Premiere Proでも、同様にリアルタイムで処理可能なLoudness Radarが 用意されています。
再生してみましょう [♪ 音楽 ♪] ご覧のようにリミックスしたので -24 LKFSに少し近づいていますが まだ十分ではありません。
もう一度調整しましょう ただし今回は、Premiereで最後に ラウドネスの正規化を実行します Premiereで、ファイル/書き出し/メディアを選択し 書き出し設定ダイアログの「エフェクト」タブを開き 一番下までスクロールすると、書き出し時に ラウドネスの正規化を実行するよう設定できます 適合させる規格を選択すると デフォルトで自動的にすべての設定が補正されます もちろん、トゥルーピークリミッターなどを手動で設定することもできます 出力先を指定してラウドネスレポートを 生成することもできます。
放送業界のパートナーの皆様には 不可欠ですね。
Adobe Media Encoderでもこの機能を 直接実行できます Media EncoderのウォッチフォルダーにPCM Wave Audioを 設定してあります。
このウォッチフォルダーに施したカスタマイズは ターゲットラウドネスが-24 LUFSのATSC A/85規格に 自動的に適合します ワンステップですべての内容がこのウォッチフォルダーに自動的に出力されます 下にある「チャンネル構成」を選択して ラウドネス正規化によって処理するソースチャンネルを 指定することもできます Adobe Audition、Premiere Pro、Adobe Media Encoder CCを使用すれば 様々な方法でラウドネスの規格に適合できます Premiere ProまたはMedia Encoderで書き出し時に ラウドネス正規化機能を使用することもできれば Auditionのボリュームを一致パネルや Auditionのマルチトラックで非破壊のボリュームを一致機能を使用することもできます これこそまさに、放送規格に準拠したオーディオを作成する最善の方法です
