放送作品を制作する場合、 [Colin Smith - シニアソリューションコンサルタント] 新しいラウドネスの規格があるため、 それらの規格に準拠しないと、放送は許可されません。
そこで、新たにTC Electronic社のLoudness Radarが Adobe AuditionとPremiere Proの両方に追加されました。
このプラグインにはあらゆる放送規格が登録されています。
該当する規格の許容範囲内でコンテンツを作成すれば、 確実にそれらのラウドネスの規格に準拠することになります。
それでは、見てみましょう。
Adobe Audition内で3つの個別のバス、 会話用バス、音楽用バス、マスターバスを例として作成しました。
マスターバスに適用したラウドネスレーダーを開きます。
リセットして「Play」を押すだけです。
外側のメーターが現在のラウドネスに合わせて回っているのがわかります。
この内側のレーダーはサウンド全体を示しています。
便利なのは、ラウドネスの履歴が表示されることです。
そのため、簡単にプログラムのラウドネスの推移を確認できます。
また下部では、ラウドネスレンジと プログラム全体のラウドネスを確認できます。
素晴らしい機能ですね。
さらに、音楽用バスと 会話用バスも開いてみましょう。
各バスにラウドネスレーダーがあるのがわかるでしょう。
気に入っているのは、バス間で視覚的にレーダーを調整できることです。
[男性の話し声] 黄色のレベルはラウドネスが明らかに高いことを示します。
このレベルは超えたくありません。
青のレベルは低すぎることを示します。
緑と黄色のレベルの間で保ちたいですね。
青のレベルは実際にはノイズフロア以下になり、 人によっては聞こえにくくなるでしょう。
音楽用バスのレベルは会話用バスのものより低いので、問題ありません。
会話用バスのレベルは高すぎず、放送用として全体のレベルも問題ありません。
これで、ある規格に準拠していることが分かります。
別の規格を選択することもできます。
一時停止して、これらの測定値が、別の規格に基づくと どうなるかも確認できます。
デフォルトの規格、ATSCの規格、 CD Master、Cinema、EBU、日本のARIB TR-B32規格も選択できます。
各規格には、それぞれ設定があります。
規格を変更すると、設定が変わります。
設定の項目を見ていきましょう。
最初の項目は「Target Loudness」です。
次の項目は「Radar Speed」です。
このレーダーの表示は現在かなり短い周期で更新されますが、 このメニューを開くと、24時間まで設定できることがわかります。
指定した周期でラウドネスの履歴全体が更新されます。
「Radar Resolution」はこの同心円間の間隔です。
3 dBから12 dBの範囲で設定できます。
その下に「Momentary Range」があります。
2つのオプションがあります。「
+9」は一般的な放送用です。
「+18」は映画やドラマ、ワイドレンジの音楽用です。
これは「Low Level Below」です。
つまり青と緑のレベルの境界となります。
このレベルより低くなりすぎると、ノイズフロアを下回り、 視聴者には聞こえなくなります。
これは「Loudness Units」です。
3つのオプションがあります。
ITU(International Telecommunication Union)、 EBU(European Broadcasting Union)、EBUとITUの目標値です。
その下に「Loudness Standard」があります。
さらにその下に「Peak Indicator」があります。
ピークインジケーターが点灯するレベルです。
このレベルを超えると、ピークインジケーターが赤く点灯します。
もう一度「Play」を押すと、これでラウドネスレーダーを 調整可能になりました。
放送作品を調整するために役立つ情報が得られます。
設定できるラウドネスレーダーの数に制限はありません。
インタビューの会話用に1つ、マスター用に1つなど、 自在に設定できます。
TC Electronic社のLoudness RadarがPremiere ProとAdobe Auditionの両方で使用可能になりました。
