レトロ加工でノスタルジックに

多岐にわたる写真のビンテージ効果をお試しください。Adobe Photoshopの写真編集を使って、画像にレトロな雰囲気を加えてみましょう。

レトロ加工したオレンジ色の花畑

撮影:ジェニファー・フローラ=ウェバー

画像にクラシックな雰囲気を加える

ビンテージ写真には、フィルム写真、鉄板写真、白黒写真など、幅広い写真スタイルがあります。 ビンテージスタイルとは、デジタル写真に古めかしい雰囲気を加えたものです。デジタルフィルターの効果が、フィルムカメラで撮影したようなスタイルを生み出します。

 

ノスタルジックな印象と時代を超えた感覚を写真に醸し出すこのような効果は、最近のトレンドになっています。素晴らしいレトロ効果は、全く異なる時代の雰囲気と色合いを現代の写真に加え、いつもとは違った感情を呼び起します。このようなオプションを色々試して、自分のスタイルにあった効果を見つけましょう。 

ビンテージカメラで夕日の写真を撮影

撮影:ジェニファー・フローラ=ウェバー

さまざまなビンテージルック

ビンテージルックへのアプローチの仕方は1つではありません。写真撮影の技術とスタイルは時代によって変化します。どの時代の雰囲気を出したいかによって、適切な効果を選びましょう。

 

モノクロ

写真にアンティークな雰囲気を加える簡単な方法は、白黒写真にすることです。初期の頃の写真は、白黒しかありませんでした。白黒にすることで、簡単にレトロな雰囲気を出すことができます。Adobe Photoshop Lightroomには、高性能の白黒フィルターなどのプリセットが数多く揃っています。ぜひお試しください。

 

セピア

ビンテージ写真に見られる、ソフトな赤茶色の色合いをセピアと言います。この効果は、昔の白黒映画でフィルムの劣化を防ぐために用いられた現像方法から生まれました。Photoshopでモノクロ写真に色合いやオーバーレイを加えることで、簡単にセピア効果を演出できます。

 

鉄板写真

鉄板写真は、最も古い写真技法の1つです。薄い金属を感光性の薬品でコーティングし、暗室で写真を現像します。このような金属板が写し出す独特の白黒画像には、縁が暗くなるビネット効果が現れ、色には金属的な輝きが見られます。鉄板写真のような効果を出したい場合は、シャドウとコントラストを色々試してみましょう。

白い縁で囲まれたゴールデンゲートブリッジの写真

ポラロイド

ポラロイドカメラは、特殊なフィルムを使って写真を撮影し、素早く印刷します。1970年代に大変な人気を得たポラロイド写真には、独特の白い縁があります。ポラロイドカメラは調整用の設定の種類が少ないので、絞り、シャッタースピード、被写界深度などを詳細に設定することはできません。そのため、その場でとっさに撮ったような、やや不完全な感じを与えます。ポラロイドスタイルのデジタル写真を作成したい場合は、オーバーレイを適用するか、既成のポラロイドテンプレートに画像を重ねます。

 

グリッチとグランジ

従来のスキャンした写真や印刷した写真は、今のような高品質ではありませんでした。カメラスキャニング、トラッキングエラー、撮影や現像が正しく行われなかったフィルムなど、昔の写真には視覚的な乱雑性を生じさせるキズや不完全さがありました。写真をわざと動かすことで、このようなグリッチ効果を再現できます。

 

白黒写真でビンテージルックを生み出す

モノクロのビンテージ写真を作成するには、このチュートリアルに従って、Photoshop編集ツールを使用します。

ぬいぐるみを抱えて窓の前に立つ子供の画像に重なって表示されるAdobe Photoshopの白黒設定パネル

1.写真を白黒にする

まず、白黒画像調整レイヤーで写真を白黒に変換します。異なるプリセットを試したり、それぞれのプリセットのカラースライダーを調整してみたりして、写真の雰囲気を変えてみましょう。スライダーを右に動かせば特定の領域を明るくすることができ、また左に動かせば暗くすることができます。

 

ターゲット調整ツールを使えば、クリックしてカーソルを画像の上に動かすだけで、プリセットのスライダーを編集できます。

 

2.明るさとコントラストを調整する

画像の上に画像調整レイヤーをもう1枚加えて、「明るさ・コントラスト」の設定を選びます。古い写真はコントラストがあまりなく、少し暗く見えることを考慮しながら、スライダーを調整して、希望するコントラストと明るさのレベルに仕上げます。

窓の前の子供の画像に重なって表示されるAdobe Photoshopの写真フィルターパネル

3.写真フィルターを加える

画像調整レイヤーをもう1枚加え、写真フィルター選択します。セピアのようなビンテージの色合いを出すことができ、暖かみのある赤茶色のトーンを表現できます。この他にもクールなブルーや、雰囲気のあるグリーンなどの色合いにすることもできます。

 

4.レイヤーを加えてノイズを入れる

本格的なビンテージの雰囲気を出すには、画像にノイズを加えます。「フィルター」をクリックして、ドロップダウンメニューから「ノイズ」を選択します。ノイズは、画像に昔のフィルムの粗い粒子のようなテクスチャを与えます。ノイズのウィンドウでは、色斑が出ないように「モノクロ」を選択します。

 

5.ビネット効果をつくる

ピクセルレイヤーをクリックして「Effects」を選択し、ドロップダウンリストから「シャドウ(内側)」を選択します。これによって薄い影が加えられ、破れているかのような、不完全な写真を生み出すことができます。

 

6.仕上げのタッチを加える

コピースタンプツールを使って、ビンテージ効果を損なわせる現代的な要素取り除いたり、レタッチしたりします。衣服に付いている現代的なロゴや電信柱をなくして、レトロな雰囲気を壊さないように仕上げましょう。

 

カラー写真にビンテージ効果を加える

このチュートリアルに従ってPhotoshopを使い、カラー写真を素敵なレトロスタイルの写真に変えてみましょう。

 

1.写真を選ぶ

色の流行は変化します。1950年代に撮った写真のように加工したい場合、1990年代に撮った写真とは写真の色が異なります。カラースキーム、テクスチャ、構図などを考慮に入れて、写真を選びましょう。

 

2.写真をフラットにする

新しい画像調整レイヤーを作ってレベルツールを開き、画像のコントラストを抑えてフラットにしましょう。黒を強くして白を抑えることで、ビンテージの写真によく見られる、色褪せたフラットな雰囲気を出すことができます。

 

3.明るさとコントラストを調整する

「明るさ・コントラスト」を調整するために新しい画像調整レイヤーを作って、さらにフラットな画像にしましょう。スライダーを調整してコントラストを弱くします。

色とりどりの風船を持つ手の写真

撮影:ジェニファー・フローラ=ウェバー

4.色に重点を置く

写真の色鮮やかさは、時と共に変化し色褪せていきます。この効果を再現するには、画像調整レイヤーのドロップダウンメニューからカーブツールを開き、スライダーを動かしてさまざまな効果を試してみましょう。色相、彩度、カラーバランスのツールも調整できます。各スライダーで写真の中のさまざまな色の要素を調整します。

 

どの写真もそれぞれ異なるので、すべての写真に合うフィルターというものはありません。そのため、カラー編集ツールを色々試してみて、画像に適した組み合わせを見つけましょう。

 

5.ノイズを少し加える

写真に視覚的なノイズを加えて、ビンテージ効果の最終的な仕上げをしましょう。「フィルター」をクリックして、ドロップダウンオプションから「ノイズ」を選択します。ほんの少しのノイズでも、画像に本格的なビンテージの雰囲気を与えてくれます。

 

写真のビンテージ効果は、色調、コントラスト、色で決まります。画像を編集する方法は1つだけではありません。色々なツールを使ってみて、どうすれば思い通りの写真ができるのか試してみましょう。また、新しい写真効果にも挑戦してみましょう。Lightroomのプリセットを使えば、ビンテージフィルター作成するための新しい編集方法が見つかります。

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