CentraleSupélec大学の学生、Hugo Germainさんが、オーストラリアの大自然、ロード・ハウ島で撮影したエキゾチックな海洋生物の世界を、After Effectsのロトスコーピングで再現する方法をご覧ください。
Adobe After Effectsで「rotoscoping.aep」プロジェクトファイルを開きます。タイムラインでshark.mp4レイヤーをダブルクリックして、レイヤーウィンドウに表示します。

まず最初のフレームで、サメのマスク境界を設定します。ロトブラシツールをクリックします。
ロトブラシツールで、映像で利用する領域を設定します。拡大率を調整して、サメの体全体がフレームに収まるようにします。ブラシを使用して、サメの体の内側に沿ってペイントします。サメの周囲にマゼンタ色の境界線が表示され、マスクされる領域が示されます。

サメの全体像を定義した後、ロトブラシツールで正しく認識されなかった細部を調整します。キーボードのAltキーまたはOptionキーを押すと、ブラシツールが緑の円から赤の円に変わります。
Alt(Option)キーを押しながら、選択から除外する背景部分をペイントします。サメのヒレのまわりを詳しく見てみましょう。ここは、最初の選択では正しく認識されていませんでした。最初の選択時にあまり急がず、ていねいになぞるのがポイントです。

オブジェクトを選択したら、エフェクトコントロールパネルを使用して、境界線をさらに微調整します。
まず、アルファ境界線の表示切り替えアイコンをクリックして、黒い背景色でサメをプレビューします。
エフェクトコントロールパネルを開き、「ロトブラシマット」のオプションを確認します。「ぼかし」の値を高く、「エッジをシフト」をマイナスの値にし、「エッジのガタつき軽減値」を調整すると、境界がなめらかで自然になります。

最初のフレームのマスクが定義されたので、シーケンスのその後のフレームも確認して、マスクを正確に適用していきます。After Effectsには、最初のフレームで定義したオブジェクトの境界線を自動的に計算し、その後のフレームにも適用する機能があります。フレームごとに確認し、必要に応じて手動で修正すると、最良の結果が得られます。
ロトブラシのスパン(濃灰色のバー)をドラッグして、全長と一致するように長くします。

プレビューパネルを開き、「次のフレーム」をクリックして、1フレームずつ先に進めます。マスクの境界線がずれている箇所があれば、ロトブラシツールを使ってオブジェクトを追加、または背景を除去して修正します。すべてのフレームでこの手順を繰り返します。
すべてのフレームで選択範囲を確認したら、レイヤーウィンドウの右下にある「フリーズ」をクリックして、境界線情報を保存します。
この処理が終わったら、元のコンポジションウィンドウに切り替えます。

合成映像を作成するため、サメの背景画像を追加します。プロジェクトパネルから、background.jpgをタイムラインのshark.mp4レイヤーの下にドラッグします。
shark.mp4レイヤーを選択し、バウンディングボックスのハンドルを使って、サメをシーンに合うお好みのサイズと向きに変更します。

リアルな合成映像にするため、サメの色を背景に合わせて補正します。タイムラインでshark.mp4レイヤーを選択し、エフェクト/カラー補正を選択します。このサメのカラー補正には、いくつものエフェクトレイヤーを組み合わせる必要があります。
トーンカーブ、色相/彩度、レンズフィルター、輝度&コントラストエフェクトを追加します。値を調整して、サメの色から青と緑の色味を少し減らします。彩度を下げ、暖色を加えると、背景の景色と色合いや明るさが合います。

編集が終了したら、プレビューパネルの再生ボタンをクリックして、完成したコンポジションを再生します。