「生成アップスケール」は低画質の画像の解像度を上げつつ、ディテールを補完してくれる機能です。Fireflyモデルに加えて、パートナーモデルの「Topaz Gigapixel」や「Topaz Bloom」も利用できます。
パートナーモデルの導入により、使い慣れたAdobe Photoshop上で新たな生成機能を利用できるようになりました。生成した画像の加工や調整もPhotoshopで行えるため、ワークフローを中断することなく、スムーズに制作を進められます。モデルにはそれぞれ特徴があるため、その違いを確認しましょう。
作業に入る前に、サンプルファイルをダウンロードします。
本素材は学習目的のために限り使用することができます。
手順
Firefly Upscalerによる画質の向上
Topaz Gigapixelによる画質の向上
Topaz Bloomによる画質の向上
※Adobe Photoshop 27.0.0を使用して操作しています。
「Firefly Upscaler」で画像を高画質にします。

元画像の解像度は「幅:960pixel」「高さ:720pixel」です。

「イメージ」メニューから「生成アップスケール」を選択します。
「生成アップスケール」ダイアログを開くと以下の項目があります。
モデル:画質の向上に利用するAIモデルを選択します。「Firefly Upscaler」およびパートナーモデルの「Topaz Gigapixel」「Topaz Bloom」があります。
出力:生成結果のサイズを選択します。2倍、4倍があります。
まずは、モデルを「Firefly Upscaler」、出力を「2x」として「アップスケール」ボタンをクリックします。Firefly Upscalerは、最大 6144 px×6144 pxまで解像度を拡張することができます。

新しいドキュメントに生成された結果を確認します。
「レイヤー」パネルを確認すると「元画像」レイヤーの上に「生成結果」レイヤーが配置されています。

解像度を確認すると「幅:1920pixel」「高さ:1440pixel」となっていて、元画像の2倍に上がっています。

元画像と比較するとディテールが向上しているのが見て取れます。アドビのFireflyモデルは商用として安心・安全に使えるというのも特徴です。

次に、「Topaz Gigapixel」で画像を高画質にします。

元画像の解像度は「幅:480pixel」「高さ:360pixel」です。

「イメージ」メニューから「生成アップスケール」を選択します。
モデルを「Topaz Gigapixel」、「顔の復元」にチェック、出力を「4x」とします。
「Topaz Gigapixel」は人物写真のアップスケールに特におすすめです。精度をさらに上げたいときは「顔の復元」にチェックを入れましょう。この設定により、ぼけていたり低解像度の顔のディテールが補正されます。
設定できたら「アップスケール」ボタンをクリックします。

新しいドキュメントに生成された結果を確認します。

解像度を確認すると「幅:1920pixel」「高さ:1440pixel」となっていて、元画像の4倍に上がっています。

元画像と比較すると自然な印象で仕上がっているのがわかります。

「Topaz Bloom」で画像を高画質にします。
この画像の解像度は「幅:480pixel」「高さ:360pixel」です。

「イメージ」メニューから「生成アップスケール」を選択します。
モデルを「Topaz Bloom」、生成レベルを「5」、出力を「4x」とします。
「Topaz Bloom」は元画像が低画質で潰れていたり存在しなかった新しいディテールを生成して追加することで、解像度を上げることができます。
「生成レベル」の設定により、どの程度AIで補完するかという設定ができます。
設定できたら「アップスケール」ボタンをクリックします。

新しいドキュメントに生成された結果を確認します。
解像度を確認すると「幅:1920pixel」「高さ:1440pixel」となっていて、元画像の4倍に上がっています。

元画像と比較するとシャープに仕上がっているのがわかります。

ただし、「Topaz Bloom」はAIにより元の画像に加えてクリエイティブなテクスチャや詳細を生成する機能です。実在する人物や風景に使うときは、実際と異なる表現になることもあるので注意しましょう。
今回はPhotoshopの「生成アップスケール」を紹介しました。
「生成アップスケール」は低画質、低解像度の画像を自然な仕上がりで解像度を上げることができる機能です。モデルごとに得意分野が異なるため、目的に合わせて使い分けましょう。
※生成AI機能を利用する際に使用する生成クレジットの概要、ご自身が保有するクレジット数の確認方法などは「生成クレジットの基本 」で解説しています。