Ben Watkinsによる解説

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異なるレイヤー上のオブジェクトをAdobe Photoshopで分離してAdobe Premiere Proで動きを付け、シーンがズームインしているように見せるテクニックを、Ben Watkinsが紹介します。
Photoshopで、背景レイヤーを複製し、元のレイヤーを非表示にします。ペンツールで、アスリートの輪郭のパスを作成し、パスパネル(ウィンドウ/パス)でパスに名前を付けます。キーボードのEscキーを2回押して現在のパスを終了します。次に、ゴールの輪郭のパスを新規作成し、このパスにも名前を付けます。
パスパネルで、アスリートのパスを選択し、フライアウトメニューの「選択範囲を作成」を選択します。編集メニューの「コンテンツに応じた塗りつぶし」を選択し、アスリートを塗りつぶします。選択範囲が塗りつぶされ、サンプリング元になる画像領域を示す緑色のオーバーレイが表示されます。緑色の領域をブラシでなぞって領域を減らすことや、Altキー(Windows)またはOptionキー(macOS)を押しながらなぞって領域を増やすことができます。作業中、プレビューウィンドウに結果のプレビューが表示されます。領域の指定が終わったら、「出力」を「現在のレイヤー」に設定し、「OK」をクリックします。
ヒント: 領域をピクセル単位で厳密に指定するには、コピースタンプツールなどの復元ツールまたは単純なブラシを使うとよいでしょう。
前の手順で作成したバスケットゴールのパスを、パスパネルで選択し、フライアウトメニューの「選択範囲を作成」を選択します。
レイヤーパネルに切り替えて、新しい背景レイヤーを選択した後、編集メニューの「コピー」と「ペースト」で、ゴールをコピーして新しいレイヤーに貼り付けます。
元の背景レイヤーを選択し、アスリートの選択範囲をコピーして、新しいレイヤーに貼り付けます。必要に応じて、レイヤーをドラッグして並び順を変更します。
パスパネルで、ゴールのパスから選択範囲を作成した後、新しい背景レイヤーを選択します。「コンテンツに応じた塗りつぶし」でゴールを削除し、フェンスと空だけの背景にします。
編集メニューの「空を置き換え」を選択し、見栄えのする空に変更します。これを実行すると自動的にフェンスのマスクが作成されます。このマスクは、フェンスと空を別々のレイヤーにするために再利用できます。
これらのレイヤーの上位に、文字ツールでテキストを追加します。例では、Permanent Markerフォントを使いました。ここまでの作業により、画像を構成する要素はすべて別々のレイヤーに分かれています。各レイヤーにPremiere Proでの作業がしやすい名前を付けた後、ファイルメニューの「別名で保存/Photoshop」を選択し、レイヤー構造を維持したままPSD形式でファイルを保存します。
Premiere Proで、新規プロジェクトを作成し、先ほど保存したPSDを読み込みます。読み込みウィンドウで、「読み込み」から「シーケンス」を選択し、すべてのレイヤーにチェックマークを付けます。また、「フッテージのサイズ」は、Photoshopで作成したファイルに合わせるために「ドキュメントサイズ」に設定します。
プロジェクトパネルのビンを展開して、PSDのレイヤーから作成されたPremiere Proシーケンスを見つけ、ダブルクリックしてタイムラインに追加します。シーケンスのレイヤーは、PSDで保存したレイヤーと同じ並び順になっています。
空のレイヤーを選択し、再生ヘッドをタイムラインの先頭に動かします。エフェクトコントロールパネルで、「スケール」のストップウォッチをクリックしてキーフレームを作成し、スケールを100に設定します。
プレビューの下にある「アウトへ移動」ボタンをクリックして、再生ヘッドをシーケンスの末尾フレームに移動します。新しいキーフレームを作成し、スケールを110に設定します。
「インへ移動」ボタンをクリックして、再生ヘッドを先頭フレームに戻します。次に、空のレイヤーに設定したスケールキーフレームの並びを選択し、コピーします(編集/コピー)。
フェンスのレイヤーを選択してから、エフェクトコントロールパネルで「スケール」ラベルをクリックし、空レイヤーからコピーしたキーフレームを貼り付けます(編集/貼り付け)。末尾フレームの設定値を115に変更します。
スケールキーフレームの並びをほかのレイヤーにも貼り付け、末尾のスケール値を、ゴールのレイヤーでは125、アスリートとテキストのレイヤーでは130に変更します。