3Dデザインにおけるインバースキネマティクス

3Dアニメーションは、エンジニアやストーリーテラーにとって、没入感のあるストーリーを新しい切り口で伝えるためのツールとなっています。

3Dデザインは、ビデオゲームから建築モデル、医療スキャンまで、あらゆるものの品質と奥行きを向上させます。

3Dアニメーションを作るには創造性も確かに必要ですが、技術的なスキルも必要です。インバースキネマティクスは、テクスチャやキャラクターの動きをよりリアルで自然なものにする数学的フレームワークです。Substance 3Dでは、モデルを作成し、テクスチャを適用し、スマートマテリアルを追加した後、アニメーションツールに書き出すことができます。

このガイドでは、インバースキネマティクスがどのように機能するのか、なぜそれが非常に有益なのか、そしてそれをデザインで活用するにはどうすればよいかについて説明します。

インバースキネマティクスとは?

インバースキネマティクスは、運動連鎖に必要なすべての関節パラメーターを計算する数学モデルです。簡単に言えば、インバースキネマティクス(IK)は、アニメーションをよりリアルにするために必要な関節パラメーターを決定するものなのです。キャラクターをリアルに動かすために必要なものは、基本的なコンセプトです。ソフトウェアに骨格の動きの開始点と終了点を教えてあげれば、あとはソフトウェアが処理してくれます。

一方、フォワードキネマティクスでは、一連のジョイントを指定すると終了点が決定されます。これは終点を見つけることに重点を置いた手法ですが、インバースキネマティクスでは、チェーン全体を必要なジョイントに分割することで、よりリアルな動きが実現されます。

インバースキネマティクスは、エンジニアがロボットアームの関節をどこに配置するかを決定するのに役立つため、ロボット工学で人気があります。ただし、IKは次の目的にも使用されます。

  • 人間工学にもとづいて義肢を設計する
  • 3Dキャラクターの手足の配置を環境内で自然に見せる
  • 顔の各部を3Dで自然に動かす

インバースキネマティクスアニメーションの活用

インバースキネマティクスは、自然でリアルなキャラクターの動きを再現できるので、3Dアニメーションには不可欠です。IKアニメーションが登場する前は、各ジョイントを調整することなくオブジェクトに手を伸ばせるキャラクターをデザインするのに、多大な労力が必要でした。幸いなことに、リバースキネマティクスではワンクリックでジョイントを分解できるので、アニメーションプロセスを効率化できます。

インバースキネマティクスを使用するメリット

インバースキネマティクスには次のようないくつかの利点があります

  • 時間を節約できる: メカニズムとの格闘に時間を費やすのは避けたいものです。面倒な作業をIKに任せれば、ストーリーテリングに集中する時間を増やせます。
  • クリエイティブの可能性が広がる: インバースキネマティクスを使用すれば、クリエイティブな視野を広げ、クリエイティブな探求により多くの時間を費やすことができます。顔の各部を3Dで自然に動かす
  • 効率性を改善できる: IKを使用することでアニメーターはより効率的に作業できるようになり、結果として、デザイナーもより少ない労力でよりリアルなアニメーションを作成できるようになります。

3Dモデルのインタラクションにおけるインバースキネマティクス

インバースキネマティクスはアニメーションに最適ですが、3Dモデルでも重要な役割を果たします。このテクノロジーにより、3Dモデルがよりリアルになるので、モデルの品質とエンドユーザーのエクスペリエンスの両方が向上します。

例えば、リバースキネマティクスは仮想現実と拡張現実のエクスペリエンスに利用できるので、ユーザーにさらに没入感のある体験を提供できます。医療従事者がこの技術を使って医学生に手術の方法を教えることもありますし、自動車デザイナーの場合、高コストな物理プロトタイプを作成する前に、この技術を使ってデザインのブレインストーミングをすることもあります。

インバースキネマティクスを使用する際のベストプラクティス

インバースキネマティクスは現代のデザインに必須です。ただし、この機能からより多くの価値を引き出すには、次のようないくつかの経験則に従うことをおすすめします。

  • 自動化と手動調整をバランスよく使用する: ソフトウェアは様々なことを処理してくれますが、目的とする動きを正確に再現するには、いくつかのボーンを手動で調整しなければならない場合があります。
  • 最初はシンプルなモデルで作業する: 複雑なリグや高解像度のメッシュは、IKの処理速度を低下させる可能性があります。インバースキネマティクスを設定する際には、簡略化されたリグを使用し、後から調整をおこなうようにしましょう。
  • 制約を確認する: 動きがおかしい場合やチェーンが崩れている場合は、ジョイントの制約やチェーンの拡張限度を確認するようにしましょう。

Adobe Substance 3Dを使ってみましょう

インバースキネマティクスを使用すると、3Dアニメーションやデザインをより迅速に作成でき、創造性やリアルさを高めることがでいます。ただし、IKを正しく使用するには適切なツールが必要です。

Adobe Substance 3Dでモデルを構築し、それをアニメーションソフトウェアに読み込んで、プロレベルのデジタル作品を作成しましょう。インバースキネマティクスには様々な可能性があります。このテクノロジーを使って、作品に命を吹き込みましょう。

よくある質問

コンピューターグラフィックにおけるインバースキネマティクステクノロジーとはどのようなものですか?

インバースキネマティクスは、定義された開始点と終了点にもとづいてチェーン内のジョイントパラメーターを特定する計算手法です。これらの入力を使用して、骨格の最適な角度を逆方向で決定することにより、よりリアルでダイナミックなグラフィックを実現できます。

3Dアニメーションにおける2種類のキネマティクスとは何と何ですか?

キネマティクスには2つのタイプがあります。

1. フォワードキネマティクス: このタイプのキネマティクスでは、指定したジョイント角度を使ってモデルの終点が決定されます。

2. インバースキネマティクス: 名前が示すように、これはフォワードキネマティクスの反対の手法です。IKでは、開始点と終了点を取得したうえでジョイントの角度が決定されます。

インバースキネマティクスにはどのようなツールが使用されますか?

IKを実行するには、次のような様々なツールを使用できます。

● Blender

● Maya

● 3ds Max

https://main--cc--adobecom.hlx.page/cc-shared/fragments/products/substance3d/bottom-blade-cta-s3d-collection