初心者向けハンドレタリング

ハンドレタリングは表現力豊かな芸術的な技巧です。そのプロセスを学び、ユニークで魅力的なレタリングをデザインしてみましょう。

ハンドレタリング

ハンドレタリングとは、タイポグラフィを手描きで表現、デザインしたものです。たとえば、レストランのメニュー、雑貨店の看板、企業のWebサイトなど、どれも個性的なカスタムレタリングに溢れています。

「ハンドレタリングは、自分のスタイルと、文字に対する自分の解釈を表現できる絶好の機会です」（レタリングアーティスト／ジェイコブ・オバーミラー）

まず、いろいろなスタイルやアプローチを試してみることから始めましょう。カリグラフィーは人気のあるハンドレタリングの1種ですが、全てのハンドレタリングがカリグラフィーではありません。カリグラフィーでは、文字や数字を書く際、コンパウンドやオーバーターンストロークといった装飾を加えます。ハンドレタリングには、それほど多くのルールはありません。それぞれの文字は、入念に考えられていますが、上下方向のストローク、文字のかたちはニーズやビジョンに応じて変化します。そのため、多種多様なスタイルを試すことができるのです。

ハンドレタリングのプロセス

準備する
クライアントや友人のためにハンドレタリングを作成する場合、彼らが何を求めているか理解することが重要です。

「私は、彼らの好みを知り、彼らとつながり、どのような人たちなのかを感じたい。彼らのために作品を作っているのですから、その人を理解するほど良い作品になると思っています」（レタリングアーティスト／ブルック・ベンジャミン）

レタリングをデザインとして提供する場合は、最初のミーティングで、クライアントがどのようなスタイルを求めているか見極めることができます。それが結婚式の招待状、レストランの看板、企業のロゴでも、クライアントの要望を理解することは、かならず作品制作の助けとなります。

習うより慣れろ
ハンドレタリングのスキルを向上させるには、時間がかかります。

「練習、練習、練習です。諦めてはいけません。辛抱強く続けて、失敗を恐れないことです」（ブルック・ベンジャミン）

失敗しても、時にそれがユニークなストロークや筆跡となり、そこからアイデアが生まれるかもしれません。スケッチブック、練習帳、デジタルドローイングのツールを使い、1つのフレーズをいろいろな方法で書く練習。直線、筆記体、装飾を使う前に、落書きでウォーミングアップしましょう。ペン、筆ペン、絵筆、細いマーカーといった多様な道具で試してみるのもいいでしょう。新しい筆記用具を試してみることで、これまでと違ったレタリングのスタイルを発見し、創造の世界を広がるかもしれません。

デジタルで書く
作品を最終的に仕上げる際、そのデザインをデジタル化するためのオプションがいくつかあります。手書きのデザインを紙の上で完成させた場合、それをAdobe Captureで直接スキャンします。この方法であれば、手書きの自然な字の流れや使いやすさを保ちながら、デジタルで微調整することができます。

デジタルドローイングツールを使って、最初のレタリングをAdobe Photoshopに直接、描く方法もあります。

「Adobe Photoshop を使うと、角度やエッジを調整でき、別のレイヤーでディテールやテクスチャを加えることもできます。ほかの部分を消すことなく、別々に調整できます」（レタリングアーティスト／ロビン・ケーシー）

ハンドレタリングのデジタル化のプロセスがどのようなものであれ、デジタル化すれば描き直すことなくデザインをブラッシュアップすることができます。アーティストのマーティナ・フローさんが、Adobe Illustratorを使ってポスター、雑誌、Webサイトのレタリングをブラッシュアップさせている様子を見てみましょう。