点在する照明が灯るスカイラインを写した都市風景写真

写真撮影

都市の風景を撮る

独特な角度や、シュッとした線形、滑らかな曲線 ー 都市の風景の中には、撮影しがいのある要素がたくさんあります効果的なテクニックを使って、都市の活気にあふれた姿を捉えてみましょう。

撮影:アンジー・マックモニガル

都市風景の写真とは

  • 都市の街並みを捉えた都市風景写真は、風景写真の一種で、都市風景を構成する要素を風景として捉えています
  • こうした写真の多くは、都市のスカイラインを捉えることを目標としています
  • 撮影位置、フレーミング、レンズの選択、遠近法などのテクニックを使うことで、魅力ある写真が出来上がります  

美しい都市風景写真を構成する要素

都市では人々の生活、仕事、その他さまざまなな出来事が起きています。そのような人々で活気にあふれています。街は場所によって、小綺麗だったりさびれていたり、柔らかな雰囲気だったり堅い雰囲気だったりと、色々な側面を見せています。

       

高層ビルがそびえる美しさや、面白い建築や、道ゆく人の様子など、都市の美しさを捉えるために、これまでたくさんのテクニックが模索されてきました。

雲の切れ間から光が射すマンハッタンの都市風景を俯瞰撮影した写真
暗い都市風景にそびえ立つエンパイアステートビル

撮影:マイケル・サンティアゴ

良い都市風景写真を撮影するには、まず街の中で興味を引くものを見つけることが大切です。それはスカイラインや、都市風景や、高いビルなど目につくものなら何でも良いでしょう。題材とその周辺にある物に注目することから都市の風景写真の撮影は始まります。

       

これから都市風景の写真撮影に挑戦したい方は、以下の題材の撮影から始めてみるのも良いでしょう。

都市の橋の支柱を通してキャプチャされた白黒の都市風景写真

撮影:アンジー・マックモニガル

  •  川、超高層ビルの窓、通りの銅像などから反射する表面
  • 深い被写界深度で、人、建造物、街の灯り、自然などすべてが組み込まれた街全体
  • 露出時間を長くし、夜の灯りを長く引く光の線を描くように撮影

 

多くの場合、空は構図の大部分を占め、街を囲むフレームのような役目を果たします。写真家のマイケル・サンティアゴさんは、夕日とスカイラインを使って写真の構図を決めるそうです。「空は私にとって重要な存在です。どのような夕日を撮りたいか」と自分に問いかけ、そして「写真では夕日にどんな役割を与えるか」とも考えます。

活気あふれる都市風景写真に必要なテクニックと撮影のコツ

テクニックを学ぶ前に、美しい都市風景写真を撮るためには、どのような機器が必要か知っておくと良いでしょう。最低限必要な機器でも、美しい都市風景写真が撮れますが、広角かフルサイズで撮影できるレンズがあると良いでしょう。焦点距離が24–70mmのものは、前景または背景のどこに焦点を当てるか決められるので、最初はこのレンズで始めると良いでしょう。

       

「24mmの広角レンズはシーンを広く捉えたい時に最適で、さらに近寄りたい時には105mmのレンズを使います」とサンティアゴさんは語ります。

       

さらに三脚も必要です。日に入りや日の出の時間帯の撮影には特に必要です。太陽光が少ない時間帯では、なるべく多くの光を取り入れるためにシャッタースピードを遅くします。そのため、カメラが動かないように安定させる必要があります。 

都会の谷間の高層ビルが作り出す暗闇を捉えた都市風景の写真

撮影:アンジー・マックモニガル

フレーミングとバンテージポイント

写真で都市のスケールの大きさを表現したい時は、どうすればそのような写真が撮れるか、フレーミングとバンテージポイント(撮影に適した地点)を考慮する必要があります。

       

写真に何を取り入れ、何を取り除くのか、それをコントロールするのがフレーミングの技術です。写真家の多くは、シンメトリーや街の景観全体を通した共通のテーマに焦点を当てて、街のスカイライン写真を撮影します。「都市風景がきちんと収まるように撮影すると良いでしょう。構図では、バランスが大切です」とサンティアゴさんは言います。

       

写真の中のラインや形、そしてそれらが互いにどのように作用し合っているのか考えましょう。写真の被写体で都市風景が良いのは、その時点での構図が気に入らなくても5分も待てば、車や人間の動きで違う構図を期待できる点です。

       

フレーミングとはカメラのレンズを通して見える光景です。一方、撮影位置とは、カメラをどこに置くかということです。自分がいる位置によって、都市風景での遠近感、角度、眺望が変わってきます。撮影位置の例として、下記のような場所があります。

 

  • 橋の上に立って下を見下ろす
  • 道路に立って空を見上げる
  • 建造物の上に立ち、水平線を見る

 

上記のどのようなバンテージポイントでも、それぞれ違った視点と違ったフレームになります。この点が写真撮影で腕の見せ所となります。 

夕暮れ時に建物の上から捉えた都市風景を覆う青く明るい霧

撮影:アンジー・マックモニガル

1日のうちの時間帯に注意します

1日のうちの何時に撮影するかによって、写真のトーンと雰囲気が変わります。多くの場合、写真には水平線やスカイラインが含まれるので、撮影時間によって、太陽の位置がそれぞれの時間で異なる影とハイライトを作ります。

       

多くの写真家は、ゴールデンアワーと呼ばれる、日の出直後か日の入り直前の時間に撮影することを好みます。暖かな赤っぽい色やその他の色が、この時間帯に得られるからです。「光が柔らかく、鮮やかなオレンジ色の空と、輝き始める都市風景の建物の光が、良いコントラストを生みます。とても暖かなコントラストです」と写真家のアンジー・マックモニガルさんは説明します。そして、もう1つブルーアワーと呼ばれる夕暮れ時があります。この時間帯は写真にクールな青色を与えます。

       

カメラは時間帯に合わせて設定します。夜間撮影の場合、光量が少ないため ISO を調節して設定します。都市風景写真の良い点は、人工の光が写真を撮りやすくしてくれることです。それは窓の灯りであったり、街灯や信号の光であったりします。

マンハッタンを背景に、俯瞰で自由の女神を後ろから撮影した写真
自由の女神の左側に浮かぶ雲で一部分が隠れた満月

撮影:マイケル・サンティアゴ

バラエティに富んだ都市風景写真を撮る

「私がエンパイアステートビルを5カ所の違う場所から撮影したら、5種類の違う雰囲気の写真になります」とサンティアゴさんは言います。都市風景を撮影する時は、ビューポイント、遠近、時間、レンズの焦点距離などを変えて、色々試してみましょう。夜間に撮影する時は、ISOを色々と試してみましょう。なぜなら、多くの場合都市風景の光景には大胆なラインや独特なテクスチャがあり、撮影の手順に少し変化を加えるだけで、実にさまざまな写真を撮ることができます。

       

色々なタイプの撮影を試してみると、自分のスタイル、つまりどのような雰囲気の写真を撮りたいかが分かってきます。それが写真を上達させるとても良い方法です。  

都会のビルのカーブに沿って高架線路の上を走る地下鉄

撮影:アンジー・マックモニガル

後処理で仕上げる

写真を撮り終えたら、コンピューターかモバイルデバイスで編集をして、さらにアート感に溢れる写真にしましょう。Adobe Photoshopと Adobe Photoshop Lightroomには、不要な要素を削除し、大掛かりな編集をするためのツールが揃っています。

 

例えば、Lightroomのブラシツールを使えば、かすみを増やし、コントラスト、影、ハイライトで写真を部分的に変えることができます、

       

以下のような大胆な修正も可能です。

 

  • レイヤー、不透明度、「色の混合」のツールを使って、空き置き換えまたは修正
  • 「コンテンツに応じた塗りつぶし」を使って、写真から不要な部分を削除します
  • フレームが歪む、または建物が傾いている場合はジオメトリのツールで修正します

 

プロでもアマチュアでも、Photoshop と Lightroomのツールがあれば、写真をさらに美しく見せることができます。さあ、写真を撮りにでかけましょう。        

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