HDR(ハイダイナミックレンジ)写真とは

HDR撮影とは何か、またHDRを使って息をのむような写真を撮る方法について学びましょう。

激しい雷雨を眺めているときや、美しい森をハイキングしているとき、ふとその瞬間を写真に収めたくなる。けれどもいざ撮影してみると、目で見たときには鮮やかだった光や色、奥行きは、のっぺりとしたつまらないものになってしまった。そんな経験はありませんか?

こういうときには、ハイダイナミックレンジ(HDR)処理を使えば、目で見たままのイメージを写真に捉えることができます。それには、カメラの機能、ソフトウェアの知識、クリエイティブなスキルの組み合わせが必要です。

HDRの詳細

HDR(ハイダイナミックレンジ)の「ダイナミックレンジ」とは、最も明るい部分と最も暗い部分の明るさの差を意味します。「ハイダイナミックレンジ」写真では、最も明るい部分を白飛びさせることなく、最も暗い部分の彩度は上げ過ぎることなく、色調の全範囲を捉えることができます。すると、決定的な瞬間を細部まで鮮明に捉えた、ほとんど信じられないほど見事な写真ができあがります。

HDR写真の撮り方

HDR写真を作るには、異なる露出レベルで撮影した複数の写真を後加工ソフトを使って合成し、1枚の画像に全ての露出範囲を取り込む必要があります。

**設置:**三脚などの固定機材を使ってカメラを設置し、絶対に動かないようにします。重要なのは、露出だけを変更しながら全く同じ写真を何度も撮ることです。

**被写体:**HDR写真は、まったく同じ位置で撮った複数の写真を使う必要があるので、動きのあるものは撮影できません。このテクニックは、静止した構図、例えば動きのない風景や、静物の撮影に使いましょう。

**カメラ:**自動的に露出設定を変えてくれるAEB(Auto Exposure Bracketing:オートエクスポージャーブラケティング)機能の付いたカメラを使いましょう。そうすることで、1枚撮影する度に手動で調整を行う必要がなくなり、カメラが動いて写真の位置が変わってしまうのを避けることができます。

編集でさらにブラッシュアップ

撮影した一連のHDR写真を編集ソフトで合成し、自分だけの、驚くほど素晴らしい写真を作り出しましょう。**Adobe Lightroom**の多彩な機能を見てみましょう。また、写真をより印象的に仕上げるための、プロ級の写真撮影のヒントを学びましょう。