映像制作のプロフェッショナルや映像作家、コンテンツクリエイターの動画撮影・制作テクニックを学んで、ほかとは一線を画す動画を作ってみましょう。
YouTuberは、あらゆる話題、種類、品質、長さの動画を投稿します。トレンドをチェックすると、美しい ミュージック動画もあれば、低予算のトークショーもあり、旅行や食べものの動画もあります。マイクに向かってささやく動画すらあるほどです。こうしたトレンドになる動画には共通点があります。それは、作成する人がコンテンツに情熱を傾けていること、そして、その興味を共有できる視聴者がいたということです。もちろん、初めから有名YouTubeユーザーのように、大量の「いいね!」やコメントをもらうことは難しいですが、ここにあるヒントを参考にして、最高の動画を作っていきましょう。
必要な機材はジャンルによって異なりますが、Vlogやゲーム実況動画なら、必要なのはスマホやWebカメラと三脚だけです。ASMR動画(Autonomous Sensory Meridian Response)の場合は外部マイクも必要になるかもしれません。短編映画、スケッチコメディー、ミュージックビデオならデジタル一眼レフカメラがあれば、ほとんど作成できるでしょう。極端に言えば、iPhoneで長編映画を作成することも可能なのです。
「今は特別な機材を使わなくても何でも動画の作ることができます。特に技術があるわけではなく、高性能なカメラを使用することにも不安があるのなら、まずは使い慣れたiPhoneで最適な設定を見つけ、動画を作成してみましょう」(撮影監督・ディレクター/Hiroshi Haraさん)
お金に余裕があるなら機材に投資して最大限に活用しましょう。 映画監督のDavid Andrew Stolerさんは、ライティングにこそお金をかけるべきと言います。撮影したショットのライティングが適切なら、動画を編集するときに大きな違いが出るからです。
「何を作りたいのか」「どのように作りたいのか」を考えて、時間とお金を節約し、ストレスを軽減しましょう。高品質でも低品質でも、撮影の難しさはあまり変わりません。
「絵コンテ」は動画をどのように見せたいかを視覚化するものです。さまざまなシーン、アクション、カメラアングル、登場人物、小道具を想像しながら作成しましょう。図面は詳細に書く必要はありませんし、技術的にうまく描く必要はありませんが、絵コンテの段階でより具体的に表現できているほど、ビジョンを実現できる可能性が高くなります。
ショットリストを作成すると、絵コンテをどのように撮影するかを考えなくてはなりません。「物語を伝えるにはどのショットタイプが必要か」「各カメラの設置にはどのような機器と人材が必要か」。そうしたことを考えながら、タブレットやスマホで鑑賞することも想定して、それに応じたショットを計画しましょう。焦点を合わせたい被写体がスマホで見るには小さすぎる場合には、広い風景の中に小さな被写体というショットを避けるようにしましょう。
セットではショットリストが役立ちます。撮影できたショットとこれから撮影する必要があるショットの経過を追うのにも役立ちます。撮影班がいる場合には、各ショットの準備に必要なものを把握してもらうことができます。
ワンショット動画を机で撮影するような場合はショットリストは必要ありませんが、そうした場合でもかんたんなアウトラインがあると、撮影と編集がラクになるでしょう。いずれのケースでも、収録を始める前に、どのような動画を作成したいのかを理解することで、時間を節約し、より魅力的な動画を作成できるようになります。
作成する動画の種類に関係なく、ライティングは重要です。「照明を設置する時間を取ってください。これは動画のダイナミックレンジを良好な状態にするために最も重要なプロセスです」と、映画製作者のDavid Andrew Stolerさんは言います。カメラのヒストグラムを確認して、シャドウのディテールがしっかりと捉えられていることを確認しましょう。
LogモードとはRawデータのように多くの情報を残して撮影できるモードのことです。Logモードでは、カメラは記録可能な最大データを保存するため、最大のダイナミックレンジを得ることができます。つまり、Logモードで動画を撮影しておけば、シャドウとハイライトの両方のディテールを捉えることができ、ポストプロダクションでの調整の幅も広がるというわけです。Logで撮影していない場合は、露出値が不均一に広がり、シャドウとハイライトの細部が失われる可能性があります。
難しい芸術的なショットや映画撮影用カメラエフェクト、動画エフェクトに進む前に、物語を完璧に伝えるために必要なショットを撮影しておきましょう。そうすれば、動画を編集するときに、統一した世界観に仕上げるのに苦労することもありません。
いろいろな場所で撮影する時間やリソースがない場合は、合成する前提でグリーンの背景布を使用してみましょう。すぐに片づけることができますし、衣装、小道具、セットデザインを使用すればシーンをより豊かなものにすることができます。このとき、画面を均等に照らし、できる限り遠くから撮影することが重要です。
最高の動画を作り上げるプロセスはまだ始まりに過ぎません。素材となる動画クリップをすべて撮影したら、イントロ、中間、エンディングというように魅力のあるストーリーに仕上げていきます。
動画編集の基本原則を参考にしてみましょう。特にYouTube用の動画を作成する場合、最終版は慎重に決める必要があります。視聴者は何百万もの動画から選択しているため、つまらないと思うと容赦しないからです。視聴者をすばやく引き込み、興味を持ったままつかまえておく必要があります。
「経験上、インターネット動画ではできるだけ早く人々の心をつかむことが重要で、興味を惹くための時間は1分半から2分です」(ディレクター・編集者/Jonathon Pawlowskiさん)
旅行動画を作成していて、外出中に編集して投稿したい場合は、 Adobe Premiere Rushが便利です。Premiere Rushを使うと、スマホで新しい動画の撮影、編集、モーショングラフィックの追加、SNSでの共有を行なうことができるようになります。さらに高度な編集が必要な場合には Adobe Premiere Proにもチャレンジしてみましょう。Premiere Proの高性能な編集ツールを使用すると、より多彩な表現が可能になります。
Premiere Pro、Premiere Rushでは映像の色補正とカラーグレーディングを行なうことができます。
オーディオに満足できない場合は、Adobe Auditionで楽曲や効果音を追加してから、編集したオーディオトラックをタイムラインに戻すことができます。Premiere Proでは、最大16個、Premiere Rushでは最大4個までオーディオトラックを使用することができます。
共有パネルをクリックして、宛先をYouTubeにします。
Premiere Rushからログインします。
説明やタグなどのメタデータと、カスタムサムネイルまたはカスタムデザインを追加します。このメタデータによって、検索から動画を見つけてもらいやすくなります。
すぐに投稿したくない、する必要がない場合は動画を公開する時間をスケジュールできます。
「書き出し」をクリックします。
スマホの場合
動画の編集が終わったら、「書き出し」をタップします。
YouTubeを選択してサインインします。
説明やタグなどのメタデータと、カスタムサムネイルまたはカスタムデザインを追加します。
「共有」をクリックします。
Webブラウザを使用して動画をアップロードするには、YouTubeページの右上にあるカメラアイコンをクリックします。アカウントにサインインしていない場合はログインし、動画をYouTubeにドラッグ&ドロップします。タイトル、説明、タグはかならず入力しましょう。
動画再生に対して対価をを得たいという場合、「収益化」することもできます。動画の前の広告再生を許可し、目的のサムネイルを選択して、「保存」をクリックします。アップロードが完了すると、動画は世界中に公開されます。
作成した動画はほかのSNSでも友達に共有し、「いいね」やコメントをしてもらうように呼びかけましょう。多くの「いいね」やコメントが動画のトレンドを引き起こすからです。トレンドに入る動画をいくつも作れるようになれば、動画クリエーターになることも夢ではありません。
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