Premiere Proで動画編集の副業を始めた小野翼さんに、副業のコツとPremiere Proを使った動画編集のお悩みや疑問を解決してもらいます。

最初は何もわからなくて不安だと思います。私の場合、副業を始めたきっかけは友人の会社のYouTubeチャンネルの動画を制作させてもらったことがですが、クラウドソーシングでも動画編集の仕事を受注するようになりました。私も元々全く動画編集をしたことがなく初めて動画編集を始めましたが、まずはできそうな案件から挑戦して、受注しながら勉強するという点でも、クラウドソーシングを利用するのはおすすめです。

私も平日はフルタイムで本業があり、帰宅後はどうしても疲れてしまうので、朝早めに起きて本業の始業前の時間に集中して動画編集をしています。自分が決まって時間を取りやすいタイミングを見つけて、ルーティーン化するとリズムが作りやすいと思います。また、納期が短すぎるような条件の案件は選ばずに、しっかりとした案件を選ぶことも挫折せずに副業を続けていく秘訣だと思います。

テロップをつける時には、自動文字起こし（音声テキスト変換 ）機能がおすすめです。撮影素材の音声を読み込むと自動で文字起こしをしてテロップを作成することができます。文字起こしをしたい素材をタイムラインに配置して、テキストパネルから「シーケンスから文字起こし」を選択し、「言語」を日本語、「オーディオ分析」は「トラック上のオーディオ」で文字起こししたい素材が配置されたトラックを選択して「文字起こし開始」をクリックすれば文字起こしが始まり、しばらくするとテキストが作成されます。間違って認識された文字を修正して、「キャプション」の「文字起こしからキャプションを作成 」をクリックすればテロップが完成します。

After Effectsなどのソフトが使えなくても、「モーショングラフィックステンプレート 」を使えば、自分では作れないようなアニメーションを簡単に動画に追加することができます。Adobe Stockには無料で使えるテンプレートもあり、バリエーションも豊富なのでタイトルを作るときにはおすすめです。文字や色なども自由にカスタマイズできます。

編集スピードを上げるには、自分がよく使用する機能をショートカットキーに登録するのがおすすめです。例えば「C」でレーザーツール、「V」で選択ツールに切り替わるので、これは必須です。また「spaceキー」で動画の再生・停止もできるのでよく使います。ショートカットキーを登録したい場合は「編集」メニューの「キーボードショートカット 」で登録することができます。

大切なのは素材を種類ごとにフォルダを分けて整理しておくことだと思います。例えば動画素材用のフォルダ、音素材用のフォルダ、書き出し用のフォルダを用意してデータを管理することをおすすめします。作業フォルダが整理されていないとデータ探しに時間がかかってしまいます。頭の中も余計な記憶や神経を使うことなくスッキリするので、より編集に集中できるようになります。

まずは配色を統一するだけでもだいぶセンスがいい動画に見えますよ。私もデザインに詳しくないので「Adobe Color 」で配色の参考にしています。Adobe Colorでメインとなる色を入力するだけでデザインの知識がなくても、配色の候補を提案してくれます。気に入った配色をライブラリに保存すると、Premiere Proの中からもカラーパレットを見ることができます。

テロップのフォントの工夫は大切だと思います。動画の内容に応じた画面デザインを行うことで見やすさが変わるのでそこは意識しています。私の場合、企業系PR動画が多いのでビジネス系ではカチッとしたフォントやフォーマットは相性が良いですね。Adobe Fontsにはたくさんの無料で使えるフォントがあるので、気に行ったフォントをアクティベートするだけで、すぐにPremiere Proで使えるようになります。

副業の魅力はやはり収入面だと思いますが、収入は一旦考えずに「楽しんでやる」感覚を忘れないことです。副業といえども仕事ですので簡単にいかない案件もありますが、あくまで趣味の延長で行なっていることに対価がもらえていると思うぐらい楽観的にいることが大事なのかもしれません。また、私の場合は副業でやっていることが、例えば提案書の作成など本業にも役立っているなと思うこともよくあります。

動画編集はパソコンなどの初期投資がかかりますが、地道にやっていけば仕事になります。最初は出来なくて当たり前なので、やりながら覚えていけばいいと思います。上達するにはフィードバックがもらえる環境がとても重要なので、今の自分のスキルレベルは気にせずにどんどんYouTubeやSNSで作品を公開して、その制作物に対して意見をもらってください。それが上達への一番の近道です。ぜひ挑戦してみてください！