モダンなロゴデザインの作成方法
大胆な色と幾何学的な模様を使い、人々の目を惹くモダンなロゴを作成しましょう。このガイドでは、ブランドが持つ唯一無二の個性を表す、美しいロゴをデザインする方法を解説します。
ブランディングの柱
企業のブランディングにおいて、ロゴは最も重要な柱となります。人々の目を惹く表現力豊かなロゴは、大きな看板であろうと小さな名刺であろうと、見ればすぐにそのブランドを思い起こすことができます。現代的な美しいブランドロゴをデザインしたいのであれば、モダンなロゴのスタイルを検討しましょう。
モダンなロゴとは、伝統的なグラフィックデザインと今日の流行を取り入れた個性的なスタイルのロゴのことです。
「最近では、タイポグラフィーに人気が集まっています。多くのモダンなロゴでは、ミニマリズムを取り入れています」（セーラ・ジフロー）
すっきりしたラインと人々の目を惹くフォントのシンプルなロゴが現在の流行ですが、デザインするときには、企業やブランドのことを念頭に置く必要があります。時が経っても、色あせないロゴにすることが大切です。数年後、そのブランドが廃れてしまうのを見たくはないでしょう。
トレンディかタイムレスか
モダンなロゴは、その当時の流行に影響されますが、流行は時間が経てば繰り返される、ということを覚えておきましょう。現在流行っているものは、この数十年間のロゴデザインのトレンドに影響されています。
「誰かが優れたアイデアを生み、周りの人がそれを認めて、同じことを始める。それにより、望んでいなくても、すぐに周りの人たちの間で同じものができてしまう。ロゴは組織の特性とその内容を表し、他社とは確実に違う物でなければなりません」（セーラ・ジフロー）
しかし、あらゆるモダンなロゴが判で押したような、画一的なロゴになる必要はありません。流行からインスピレーションを得て、その美しさや基本概念を自分の作品に取り入れて、新しく、意外性のあるロゴを作ることができます。デザインに関する流行の多くは、新しいデザインツールや新しい機能が開発されたことで生まれる傾向があります。デジタルデザインの最新情報に注意を払い、その情報を活用すれば、誰もが思いつくことのなかったデザインができるかもしれません。
モダンなロゴの要素
タイポグラフィー
ロゴでは、書体が大切です。企業のフルネームがロゴに入っている場合は、特に重要です。ブランドが属する業界に適したスタイルを選びましょう。金融機関の場合は、どちらかと言えば従来の伝統的なスタイルのセリフ体が適切かもしれません。しかし、洒落たライフスタイルのブランドを求めるなら、モダンなサンセリフ体が適しています。
ロゴの作成は、フォント選びから始まります。
「すでに適切だと思われるフォントを選んでいるため、その後の作業は、文字間を微調整し、文字のエッジやハネの処理を行います」（セーラ・ジフロー）」
ロゴをデザインする場合、カーニング、文字の高さ、ストロークのアングルなど思い通りに変えていきましょう。
アイコンと幾何学模様
モダンなロゴは、グラフィックや小さな線画など、シンプルなデザインの要素を含んでいます。こうした要素は、視覚的に注意を引き、またブランドが属している業界を示唆する役目も果たします。
「幾何学な模様やシンプルな形、線などはロゴをすっきり、シンプルに見せ、何年経っても飽きません。シンプル、すっきり、洗練。これがモダンなロゴの3要素です」（ジョージ・ボクア）
カラーパレット
ブランディングには色が重要です。多種多様なカラーパレットはブランドの色を決める際にとても大切です。青は穏やか、中性的な色でさまざまな業界の多くの企業に使用されています。一方、赤は力を表し、攻撃的な感じさえするパワフルな色です。そのブランドの特性を表す色を選んでロゴに使いましょう。
しかし、色の使いすぎは禁物です。虹の色を全部使うと、まとまりがない感じのロゴになります。そうではなく、使う色を限定して、いくつかの調和する色を使うか、それとも白黒のみにして明るい色を使ってアクセントを付けるなどしてみましょう。ロゴは、印刷やデジタル素材に使われることを念頭に置いて色を選択します。
タイムレスなモダンなロゴを作る方法
1.クライアントを知る
ロゴをデザインする前に、ブランドについて理解する必要があります。クライアントと面談し、何を求めているのか、なぜロゴを作り直したいのかを確認しましょう。
「通常、ブランドのロゴは毎年、あるいは2年に1回といった具合に変えるものではありません。デザインを変更するからには、それだけの効果が必要です。なぜなら、それはブランドの知名度をリセットすることでもあるからです」（セーラ・ジフロー）
クライアントには、出来る限り具体的な質問を投げかけ、求めているものを明確にします。どのような製品やサービスを展開しているのか、それにはどのような特長があるのか、ターゲットとなる消費者は誰か、どの企業と競合しているのか、どのようなロゴを好むのか、といったことを確認します。
2.クライアントの属する業界を把握する
効果的なロゴをデザインするには、それが使用される環境を理解する必要があります。同じ業界の他のブランドのロゴを確認しましょう。競合他社のロゴがどのようなものか把握できれば、クライアントのロゴを差別化できます。ロゴが使用される環境についても考えましょう。デジタル環境のみのビジネスなのか、またはロゴが看板や商品に印刷されるのかも考慮に入れます。
3.アイデアをスケッチする
続いて、アイデアを紙に描いていきましょう。頭に浮かぶアイデアや、アイデアに繋がるどのようなヒントでも紙に描いていきます。これはラフスケッチなので、完成品ではありません。クライアントには見せないようにします。
「ラフスケッチは、アイデアの実現性を見せてくれるのですが、クライアントはそれを想像できません。そのため、顧客に早い段階でラフスケッチを提示した時には、いつも後悔しました。優れたアイデアが落とされ、発展性の見込まれないアイデアが採用されてしまったのです」（ジョージ・ボクア）
次は、ロゴの具体的な内容について検討します。企業のフルネームを入れたロゴと、業界を示唆する抽象的なロゴの両方を検討し、クライアントの意向を確認します。
4.気に入ったアイデアを追求する
大まかに、ロゴのアイデアをいくつかスケッチできたら、次は気に入ったアイデア数種を選び、Adobe Illustratorでさらに深く掘り下げていきます。
「初心者には、少なくとも3日から4日間はアイデアを煮詰めていくことをお勧めします。すばやくスケッチしていくプロセスが、デザインの上達につながるからです」（ジョージ・ボクア）
この時点ではデザインは白黒のままにしておきます。グレースケールでもロゴがはっきり読めるか確かめるためです。ベクターファイルを使うと、線がきれいに出てグラデーションもスムーズになり、編集作業が楽になります。これでどのようなサイズのロゴでも、その画質が損なわれることがありません。
5.クライアントに提示してフィードバックを得る
クライアントにロゴのデザインを提示して、フィードバックをもらいます。クライアントに提示する時は、デザインの数を絞ります。
「ロゴが45種類もあったとしたら、そこから選ぶのはクライアントには大変な作業になります。優れたデザインが落とされてしまうことも多くあり、良い方法とは言えません。私の場合、3種類ぐらい選んで見せています」（ジョージ・ボクア）
クライアントが変更や見直しを要求しても失望してはなりません。ブランディングはプロセスが大事です。大抵、数回はデザインの見直しや編集をし、最高の仕上がりにしていきます。他のデザインでクライアントが気に入った部分がある場合、それを取り入れて、新しいロゴを作ることも考えます。
クライアントからのフィードバックを確認したら、それを基にロゴを見直し、変更を加えます。次に、カラーパレットの色を試してみます。最終的なロゴを完成するまでに、クライアントと何度か話し合って、見直しと編集を繰り返す必要があります。
モダンなロゴデザインのインスピレーション
モダンなロゴのデザインを始める前に、他のデザインの作品も見てみましょう。現在の流行を注意して見てみれば、どのようなスタイルが自分の好みなのか、そうではないのかが分かってきます。Behanceでモダンロゴを検索し、アイデアの参考にします。
- シンプルな線画と流線型のグラフィックスをブランド名と組み合わせることで、すっきりとしたモダンなロゴを制作できます。
- エレガントな幾何学的ロゴがどのようにデザインされたのかを確認しましょう。
- 強くてしっかりとした幾何学模様を使用して、自然で、流れるようなロゴデザインの土台を制作する方法を確認します。
- 個性的なモダンロゴに与える色のインパクトを確認します。複数の色合いが取り入れられています。
モダンなロゴの流行は変わり続けます。しかし、効果的なスタイルやテクニックを使えば、時が経っても色あせることのない、人々の目を惹くロゴを作ることができます。早速、モダンなロゴをデザインしてみましょう。
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