遠近法撮影を楽しむ

ユニークな視点や人を惹きつける構図は、ごく普通の写真を素晴らしい写真へと変身させます。いつもの光景に、新しい光を当てる写真の撮影法を学びましょう。

高層ビルの頂上と青い空

撮影:デビッド・ローズ

遠近法撮影を違う視点から見る

写真の遠近法とは、フレームの中の物と物との位置的な関係のことを意味します。また、構図の作り方によっては、見る人に世界を全く新しい視点、つまり写真家の視点から見せることができます。

 

「それが、ずっと見ていたいと思う特別な写真と、地味でつまらない写真との違いです」と語るのは写真家のデビッド・ローズさんです。動き回って、そのシーンをさまざまな方向から見て、自分の角度を見つけましょう。魅力的な遠近法は、ほとんどの場合、目線の高さでは得られません。リーディングライン、強制遠近法低いアングル、鳥瞰図などを試して、自分の考え方を伝えることのできる、ストーリー性のある写真を撮ります。

廊下の白黒写真
海辺の灯台に続く木製の小道

撮影:デビッド・ローズ

遠近法を使う目的

「遠近法は、写真の中で深みを感じさせるために使います。カメラは三次元の世界を捉え、二次元の世界でそれを再現します。遠近法は二次元の画面の中で、深みを感じさせるようなイリュージョンをつくります」とローズさんは言います。

 

遠近法は、写真をより興味深いものにするだけでなく、レンズを通して見せる世界を見てもらうにはどうすれば良いのかという課題を投げかけています。経験を積んでいけば、誰もが写真を撮るような場所であっても、個性的な写真を撮ることができます。

 

「写真での遠近法は、文学における散文や詩のようなものです。文章を書くときに、文法などがすべて正確で意味が通じていても、人の心を掴むのは難しいかもしれません。どのような被写体でも、ある程度のレベルの写真は撮れます。しかし、興味深い視点を捉えることができたときこそ人を惹きつけることができます」とローズさんは言います。

歩道の水たまりに映るカラフルな家

撮影:ダン・トム

写真の中で遠近法を出す方法

良い写真は良いアイデアから生まれます。シャッターを押す前に、何を捉えたいのか考えてみましょう。シーンをよく見て、何が前景で、何が背景なのか、その中間には何があるのか観察します。どのような要素を取り入れたいかわかってきたら、立ち位置を決め、取り入れたいものは写真に収め、ストーリー性を伝えるのに必要でないものは除外します。

 

焦点をはっきりと合わせる場所を決めます。「これにより、人の目をどこに引き寄せたいかを決めます」とローズさんは言います。そして重要なのは、視点を変えてみることです。カメラを上下、左右に移動させてみます。地面に近い視点から見て前景を大きく撮影するか、イメージに収まる被写体を見つけます。 被写界深度(一番近い物体と一番遠い物体との距離)を色々試すか、またはさまざまなアングルによってできる幾何学的な形状を見つけます。

 

遠近法撮影ではどれが正しいか、正しくないのか一定の決まりはありません。そこが面白い点です。しかしながら、最初に見つけたシーンで撮影を進めないように気を付けます。自分の直感を信じるのは良いことです。しかし、落ち着いてシーンを眺め、うわべの景観に隠されている構図を探り出しましょう。「私は同じ場所の写真を何十枚も撮ります。そして後処理で見直しを行い、ベストの写真を選ぶのです」と写真家のダン・トムさんは語ります。

雪山に続く道路の真ん中に立つ人

撮影:デビッド・ローズ

遠近法のタイプ

遠近法には3つの基本タイプがあります。「遠近法は視覚的(または直線的)であり、物理的でもあり、概念的でもあります。私にとって、それは構図であり、フレームに収めたいさまざまな要素です。それらすべてのことが、最終的な作品とそれを通して伝えたいストーリー性に影響を与えます」とトムさんは語ります。

 

幾何学的遠近法

リーディングライン は、アーティストが構図を作る時によく使う視覚的な手法です。それは複数の平行線で、遠くから見た時にそれらは合体し、バニシングポイントに導かれます。このような直線を使った形は、見る人の目を自然に写真の中へと誘導していきます。強い線の幾何学的形状は、写真に構図を与えます。これらの直線の他にも、見る人の目をシーンに引き込む形状を探します。

 

物理的な遠近法

物理的な遠近法は、物体のプロポーションや物理的な質感を表すために距離感を利用します。よく使われる手法として、風景写真を撮る時に、指で何かを指して、その大きさの感じを出すといった方法があります。その他、感覚を強調できる要因として、高さ、長さ、色、テクスチャ、コントラスト、ハイライト、影などがあります。

 

概念的な遠近法

概念な遠近法とは、世界をどのように見るか、ということです。「写真撮影で素晴らしいことは、自分の視点が最も重要だという点です。誰も捉えることができないものを、人に見せることができるという点です」とトムさんは言います。写真には、人にアピールし、インスピレーションを与え、または写真家の目を通して世界のひとコマを写し出す、という力があります。そして最も良い点は、何を言いたいのか、どのような方法でそれを伝えたいのかを写真家自信で決められるということです。

橋の一部を映したカメラのレンズを持つ手

斬新な構図を見つけるコツ

色々なレンズを試してみる

焦点距離は、写真の見え方に大きく影響します。広角レンズ や魚眼レンズは、広大な範囲の画面を捉え、望遠レンズは画像を圧縮し、背景を大きく見せることができます。シーンの雰囲気を素早く変えたい場合は、レンズを交換して違った視点から撮ってみましょう。

 

強制遠近法を試す

強制遠近法という写真のテクニックは、物体のサイズが変化したように見せて、サイズの感覚に挑戦する視覚的なイリュージョンのようなものです。ピサの斜塔を手で持っている写真や、エッフェル塔のすぐ横に立っている人の写真を見たことがある人は強制遠近法を見たことになります。このような写真を撮るには、大きな物体を背景に置き、小さな物体を前景に置きます。そうすれば、2つの物の距離が目の錯覚を起こさせます。

 

プライムレンズから始める

プライムレンズは、焦点距離が固定されています。ズームができないためレンズに頼ることができず、その分、自分が動くことを余儀なくされます。ズームレンズに慣れている場合、焦点距離が固定されているレンズを使う時には、それに慣れるようにしましょう。しかし、プライムレンズは焦点距離を選ぶ手間を省くことができます。プライムレンズのシンプルな点が、かえって自分をよりクリエイティブにし、写真家としてさらに思考力を高めてくれるかもしれません。

 

Adobe で遠近法を補正する

Adobe Photoshop またはPhotoshop Lightroom を使って遠近法を補正します。建築写真を撮影する場合、真っ直ぐな線のある高い建造物や物体が、歪む傾向にあることに気がつきます。 Photoshop の遠近法ワープツールを使って、平行線を修正するか、またはLightroom ジオメトリパネルで遠近法を自動的に補正します。

 

編集作業を通して、写真家は遠近法を考えていきます。撮影した時、そのシーンはムードのある白黒写真として考えたでしょうか。または、コントラストの強い、明るい色のシーンとしてイメージしたでしょうか?編集作業は、自分のビジョンを写真に反映させていく過程で、写真の楽しいプロセスの一つです。後処理の時間は惜しまないようにしましょう。

丘の上の灯台とそれを映す水たまり

撮影:デビッド・ローズ

新しい視点のフレームを見つける

視覚的であれ、概念的であれ、遠近法のテクニックは経験を積むごとに上達します。何を見るかではなく、物を どのように見るかが重要であること、そして、独自の目で世界を撮影するには、何回も繰り返す練習が必要だということに留意します。

 

写真を始めたばかりの人でも、何千枚と撮影した人でも、素晴らしい写真や遠近法の写真を自由に撮影していきましょう。どのような瞬間、どのようなシャッターチャンスも逃さないよう、またリスクを恐れない心構えをしましょう。自分が惹かれるものをよく観察すれば、自分だけの独創的なスタイルや遠近法が発見できるでしょう。

協力

Adobe Photoshop Lightroom の多彩な機能

Adobe Lightroom のプリセットで写真を簡単に編集し、クラウドの写真ストーレージ管理を使えば、どこにいても自分の作品にアクセスできます。

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