「A4のPDFをA3に拡大して印刷や保存がしたい」「PDFの文字が小さくて読みにくいので、拡大した状態で保存したい」と思ったものの、適切な方法がわからず困っていませんか?
PDFを拡大して保存する方法には、「ページのサイズそのものを大きくする方法」と「ファイルを開いたときの表示サイズを大きくする方法」の2種類があります。
この記事では、こうした違いを最初に整理したうえで、Adobe Acrobat ReaderやAdobe Acrobatを使った方法を中心に、PDFを拡大して保存する手順を解説します。
Windows・Macそれぞれの方法や、標準機能を使ったやり方もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
Acrobat ReaderでPDFのページサイズを拡大して保存する方法
【Windows】Acrobat Readerを使わずにPDFを拡大して保存する方法
PDFの「拡大して保存」には2つの意味がある
ひと口に「PDFを拡大して保存したい」といっても、その目的は人によって異なります。大きく分けると、次の2つのパターンがあります。
1.PDF自体のページサイズを大きくして保存したい
2.PDFを開いたときの表示倍率を大きくして固定したい
目的は「サイズ」の変更なのか、それとも「見え方」の調整なのか、この違いを意識するだけで自分に合った方法を選びやすくなります。
まずは、それぞれがどう違うのかを見ていきましょう。
【ページサイズの拡大】A4→A3など用紙サイズ自体を変える
「A4のPDFをA3サイズに拡大して保存したい」「掲示用にひと回り大きくしたい」といったケースがこれに当てはまります。
Acrobat ReaderやWindows・Macに標準搭載された機能で設定ができ、具体的な手順はこのあとすぐに紹介します。
【表示倍率の固定】開くたびにズームし直さなくて済むように変える
「PDFを開くたびに毎回ズームし直すのが面倒」「次に開いたときも拡大した状態で表示したい」といったケースがこれに当てはまります。
こちらはファイル自体のサイズは変えず、PDFを開いたとき見え方だけを調整する設定のため、印刷結果には影響しません。
なお、この設定を使うには有償版のAdobe Acrobatが必要です。詳しくは「PDFの表示倍率を固定して保存する方法」の章で解説します。
Acrobat ReaderでPDFのページサイズを拡大して保存する方法
それではまず Acrobat Readerを使って、PDFのページサイズを拡大保存する手順を見ていきましょう。
Acrobat Readerは無料で使えるうえに、WindowsとMacのどちらにも対応しているため、どなたでも試しやすい方法です。
(▲ PDFを開発したアドビが提供するPDF閲覧ソフト。無料で利用できる。)
まずはAcrobat Readerで基本の見方を押さえておくと、このあと紹介するWindows標準機能やMacのプレビューを使う方法との違いも掴みやすくなりますよ。
なお、Acrobat Readerをお持ちでない方は、アドビの公式サイトから入手し、事前に使える状態にしておきましょう。
1. ページサイズを変更する
まずは、サイズを変更したいPDFをAcrobat Readerで開き、「メニュー(※Macでは「ファイル」)」から「印刷(※Macでは「プリント」)」を選択します(※ショートカットキーは、Windowsでは「Ctrl+P」、macOSでは「Command+P」です)。
(※Macでは、プリンターが設定されていない場合に印刷設定画面が開かず、先にプリンターのインストールや追加を求められることがあります。また、コンビニプリント用にPDFを保存したい場合でも、まずは印刷画面を開ける状態にしておく必要があります。)
印刷設定画面が表示されたら、「ページサイズ処理」の「サイズ」を選択しましょう。
ここでは、印刷方法に応じて次のような設定を選べます。
PDFのページサイズを変えず、そのままの大きさで印刷します。
図面や技術資料など、原寸で出力したい場合に向いています。
拡大率・縮小率を自分で指定して印刷します。
仕上がりを細かく調整したいときに使います。
PDFを拡大して保存したいときは、「合わせる」または「カスタム倍率」を選びましょう。
A4のPDFを、A3など元のページより大きい用紙サイズに合わせて出力したい場合、「合わせる」を選ぶと用紙内に収まるよう自動で調整できます。
一方で、拡大率を自分で指定したい場合は、「カスタム倍率」を選ぶと、仕上がりの大きさをより細かく調整できます。
用紙サイズに合わせて自然に拡大したいのか、それとも倍率を決めて出力したいのかを基準に選んでみましょう。
2. PDFとして保存できるプリンターを選ぶ
印刷設定を決めたら、次は保存先となるプリンターを選びます。
今回は紙のプリンターではなく、PDFファイルとして保存できる「Adobe PDF」を選択してみました。
ちなみに「Adobe PDF」とは、Adobe Acrobat Proに搭載されている仮想プリンターのこと。通常のプリンターのように印刷設定を行い、その結果を紙ではなくPDFファイルとして保存できます。
そのため、印刷時に設定した用紙サイズや倍率を反映した新しいPDFを作成できます。用紙サイズや画質に関する設定も調整しやすく、仕上がりを確認しながら保存したいときにも向いています。
さて、次にお好みのプリンターの選択したら、「プロパティ」をクリックしましょう。
すると、指定したプリンターのプロパティが開きます。
メーカーや機種によって表示画面や項目は異なりますが、多くの場合「レイアウト」「ページ設定」「応用設定」などの項目から、希望の大きさに変更できます。
設定が終わったら「OK」を押して印刷設定画面に戻り、「印刷」をクリックしてください。
その後、保存先のフォルダーとファイル名を指定する画面が表示されます。任意の場所を選んで保存すれば、ページサイズを拡大した新しいPDFの作成は完了です。
この方法では、元のPDFを直接書き換えるのではなく、拡大後の内容を反映した別ファイルとして保存されます。元データはそのまま残るため、変更前と変更後のPDFを用途に応じて使い分けられます。
今回はAdobe Acrobatの画面で説明しましたが、Acrobatは設定画面がわかりやすく、初めて使う方でも直感的に設定を進められます。
まだインストールしていない場合は、ぜひこの機会に無料でダウンロードしてみてくださいね。
【Windows】Acrobat Readerを使わずにPDFを拡大して保存する方法
Acrobat Readerをインストールしていない場合でも、WindowsならMicrosoft Edgeを使ってPDFを拡大した状態で保存できます。
EdgeはWindowsに標準搭載されているため、追加のソフトを用意せずに試しやすい方法です。
1.PDFファイルを右クリックし、「プログラムから開く」>「Microsoft Edge」を選択します。Edgeの画面にPDFをドラッグ&ドロップして開くことも可能です。
2.PDFを開いたら、画面右上の印刷アイコンをクリックするか、「Ctrl+P」を押して印刷ダイアログを表示します。
3.「プリンター」で「Microsoft Print to PDF」を選んだら「その他の設定」を開き、「用紙サイズ」からA3など希望のサイズを指定します。
4.「拡大 / 縮小(%)」の項目では、印刷時の倍率を調整できます。用紙サイズをA3など大きめに設定したうえで倍率も上げると、より大きく出力できますが、内容が用紙内に収まらなくなることもあるため、プレビューを確認しながら調整しましょう。
5.設定が終わったら「印刷」をクリックします。保存先のフォルダーとファイル名を指定すれば、拡大後のPDFを新しいファイルとして保存できます。
【Mac】Acrobat Readerを使わずにPDFを拡大して保存する方法
Macでは、標準搭載の「プレビュー」アプリを使って、PDFのページサイズを拡大した状態で保存できます。
追加のソフトをインストールせずに試せるため、手軽に対応したい場合に向いている方法です。
1.PDFファイルを「プレビュー」で開きます。通常はPDFをダブルクリックすると開けますが、別のアプリで開いてしまう場合は、ファイルを右クリックして「このアプリケーションで開く」>「プレビュー」を選択してください。
2.PDFを開いたら、画面上部の「ファイル」>「プリント」をクリックします(※ショートカットキーは「Command+P」です)。
3.プリント画面が表示されたら、「用紙サイズ」の項目からA3など希望のサイズを選びましょう。標準で表示されないサイズを使いたい場合は、「カスタムサイズを管理」から任意の寸法を設定できます。
4.用紙サイズを指定したら、画面左下の「PDF」メニューをクリックし、「PDFとして保存」を選択します。
5.保存先のフォルダーとファイル名を指定して「保存」をクリックすれば、拡大後のPDFを新しいファイルとして保存できます。
Macのプレビューは手軽に使える反面、設定項目は限られます。
用紙サイズを変えて保存する程度であれば十分ですが、より細かく調整したい場合や、複数のPDF作業をまとめて行いたい場合は、Acrobatを使う方法の方が進めやすいでしょう。
さて、ここまで見てきた方法は、「PDF自体のページサイズを大きくして保存したい場合」に向いています。
一方で、ファイルの大きさは変えずに、開いたときの見え方だけを拡大したい場合もあるでしょう。
例えば、社内資料やマニュアルを読むたびに毎回ズームし直しているときや、画面で確認しやすい倍率で表示したいときなどです。
そこで次は、そうした場面で便利な「表示倍率を固定して保存する方法」をご紹介します。
PDFの表示倍率を固定して保存する方法
ここからは、PDFを開いたときの表示倍率を固定する方法を見ていきましょう。
毎回ズームし直すのが手間に感じる場合や、次に開いたときも拡大した状態で表示したい場合に便利な設定です。
なお、この機能は有償版のAdobe Acrobatでのみ利用できます。
7日間の無料お試しもできますので、操作感を確認したい方は、ぜひ一度ご利用ください。
Acrobatで表示倍率を固定する手順
まず、Acrobatで表示倍率を固定したいPDFファイルを開きます。
ファイルを開いたら、「メニュー(Macの場合は「ファイル」)」から「文書のプロパティ」を選択してください。
文書のプロパティ画面が開いたら、「開き方」タブをクリックします。ここでPDFを開いたときの初期表示に関する各種設定が変更できます。
今回は、PDFを開いたときに拡大した状態で表示させたいため、「倍率」のプルダウンから希望の表示倍率を選びましょう。
「125%」「150%」など固定の数値を選ぶこともできるほか、「幅に合わせる」「ページに合わせる」といった可変の設定も選べます。
設定が終わったら「OK」をクリックして文書のプロパティを閉じ、最後に「ファイル」>「保存」(または「Ctrl+S」「Command+S」)でファイルを保存します。
これで、次回このPDFを開いたときには指定した倍率で自動的に表示されるようになります。
なお、この表示倍率の固定は、開いたときの見え方を整えるための設定で、PDF自体のページサイズを変えるものではありません。
例えば、A4のPDFをA3にして印刷用データとして使いたい場合など、PDF自体を拡大して保存したい場面では、保存方法によって文字や画像がぼやけることがあります。
続いては、そうした画質の変化が起こる理由と、できるだけきれいに保存するための方法をご紹介します。
PDFを拡大保存するときに画質が落ちる原因と対処法
PDFを拡大して保存すると、文字や画像がぼやけて見えることがあります。
これは、サイズ変更の方法によっては、元のPDFデータをそのまま保ったまま拡大するのではなく、再出力や再圧縮をともなうためです。
こうした事態を回避するためにも、まずは画質が落ちやすい主な原因と対処法を理解しておきましょう。
画質をできるだけ保ったまま拡大保存したい場合は、保存時の品質設定を見直すことが大切です。
特に印刷用や提出用など仕上がりを重視したい場合は、Acrobat Proのように、より細かく調整できる方法も検討してみてください。
アドビのツールでPDFの拡大保存をもっとわかりやすく
PDFを拡大して保存したいときに迷いやすいのは、「ページサイズを大きくしたい」のか、「開いたときの表示を大きくしたい」のかで、操作方法が変わるためです。
同じ「拡大」でも、印刷用にサイズを変える場合と、画面上で見やすく表示したい場合とでは、使う機能が異なります。
そして、だからこそ自分の目的に合わせて設定しやすい環境を選ぶことが大切です。なか
Acrobat Readerなら、用紙サイズや倍率を確認しながら、拡大後のPDFを新しいファイルとしてカンタンに保存できます。
さらにAcrobat Proを使えば、開いたときの表示倍率を固定したり、画質に配慮しながらより細かく調整したりすることも可能です。
「思った大きさで保存できない」「毎回ズームし直すのが手間」といった悩みも、使い方を押さえることで進めやすくなります。
PDFをもっと見やすく、目的に合った形で扱いたい方は、ぜひAcrobatの様々な機能をご活用ください。
以下の場合は、お電話でのみ受け付けております。
・銀行振込でのご購入
・ボリュームディスカウントを適用してのご購入(5ライセンス以上)
・エンタープライズ版のご購入
PDFの拡大に関するよくある質問(FAQ)
ここからは、PDFの拡大保存に関するよくある疑問を中心にお答えします。
拡大したあとに困りやすいポイントや、目的に応じた使い分けもあわせて確認していきましょう。
PDFを拡大して保存すると、相手の環境でも同じ大きさで表示されますか?
ページサイズを変更して保存した場合は、PDF自体のサイズ情報が変わるため、相手の環境でも基本的にはそのサイズのPDFとして扱われます。
一方で、表示倍率を固定した場合は、PDFビューアの設定や仕様によって見え方が変わることがあります。相手にも同じ印象で見てもらいたい場合は、表示倍率の固定だけでなく、必要に応じてページサイズ自体を見直すとよいでしょう。
PDFを拡大したのに、文字だけ小さいままに見えることがあるのはなぜですか?
ページサイズは大きくなっていても、元のPDFの余白が広い場合や、文字自体が小さく配置されている場合は、見た目の印象があまり変わらないことがあります。
また、用紙サイズだけを変更しても、内容が自動で中央に配置されるだけで、文字そのものが十分に大きくならないケースもあります。こうした場合は、倍率の設定を見直すか、必要に応じて元データ側のレイアウトを調整してみましょう。
拡大保存したPDFの容量が大きくなることはありますか?
はい、あります。保存方法によっては再出力や再圧縮が行われるため、元のPDFより容量が増えることがあります。
特に画像を多く含むPDFでは、保存時の設定によってファイルサイズが大きくなりやすくなります。メール添付やアップロードを前提にしている場合は、保存後に容量も確認しておくと安心です。PDFファイルを縮小する方法については、以下の記事もあわせてご確認ください。
拡大したPDFを元のサイズに戻すことはできますか?
できます。ただし、どの方法で拡大したかによって対応方法が変わります。ページサイズ自体を変更して保存した場合は、同じように印刷設定やページサイズの設定を見直して、元のサイズに近い形で保存し直すことになります。表示倍率を固定しただけであれば、文書のプロパティから倍率設定を変更して保存し直せば対応できます。どちらの方法で拡大したかを先に確認することが大切です。
一部のページだけ拡大して保存したい場合はどうすればよいですか?
一部のページだけを拡大したい場合は、対象のページを分けて保存したうえでサイズ変更を行う方法が現実的です。ページごとに設定を変えられない場合は、必要なページだけを抽出して別ファイルにし、そのPDFに対して拡大保存を行うと作業しやすくなります。
以下のAcrobat オンラインツールのページでは、無料かつ安全にPDFの特定ページを抽出できるので、ぜひご活用ください。
拡大保存と、画面上でズームするだけでは何が違いますか?
ズームは、その場で見やすくするための一時的な表示変更です。ファイル自体のサイズや設定は変わりません。
一方、拡大保存はページサイズを変えたり、開いたときの表示倍率を記録したりすることで、その状態をファイル側に反映させる方法です。自分だけ一時的に見やすくしたいのか、保存後のPDFにも反映させたいのかで使い分けるとわかりやすいでしょう。
表示倍率を固定したPDFは、印刷するときにも拡大された状態になりますか?
いいえ、通常はなりません。表示倍率の固定は、あくまでPDFを開いたときの見え方に関する設定です。
そのため、印刷時の用紙サイズや倍率には直接影響しません。印刷結果も大きくしたい場合は、表示倍率の固定ではなく、ページサイズや印刷倍率の設定を見直す必要があります。
仕事で使う資料なら、ページサイズの変更と表示倍率の固定のどちらが向いていますか?
用途によって異なります。印刷して配布する資料や、ネットプリントに登録するデータであれば、実際の出力サイズに直接関わるため、ページサイズを変更する方法が向いています。表示倍率を固定しても、印刷時の大きさまでは変わらないためです。
一方で、画面上で読むことが中心のマニュアルや確認用資料であれば、印刷サイズは変えずに見え方だけを調整できる、表示倍率の固定を使うのがよいでしょう。
どちらがよいか迷ったときは、「印刷物として大きくしたいのか」「画面上で見やすくしたいのか」を基準に考えてみましょう。
(執筆:ウェブライダー)
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