「目的」が最重要。専門家に聞く「もらって嬉しいノベルティ」を作るヒント

 

ノベルティとは、「企業や団体が、ターゲットに向けてイベントやキャンペーン、ブランディング効果を狙って配布する販促物」のこと。マーケティングツールの一種としてよく利用されます。

 

このコラムでは、「もらって嬉しいノベルティ」をテーマに、お客様の印象に残りやすいノベルティ、社内で検討するときの注意点など、ノベルティを作るのに欠かせない情報をお伝えします。

 

 

ノベルティは「目的」を達成するために作る

1. 課題の提起

 

お客さまや取引先といった社外の方から会社関係者まで、幅広く活用されるノベルティ。いざ制作を任されたら、一体何から考えればいいのでしょうか?

 

ノベルティの専門家として作り方からおもしろ情報までを発信するノベルティ研究所所長の高木芳紀さんは、「ノベルティの最も大きな目的は、お客様に企業へ良い印象を抱いてもらうこと。そのためにも、愛されるノベルティを作り、自社の名前を覚えてもらうことが重要です」と説明します。

 

もし目的を持たないまま、慣例でノベルティをつくっているなら要注意。お客様の効果や反応が期待に及ばず、お金も時間ももったいないことになっているのかも。まず、よくあるノベルティを作る目的や配布タイミングを整理してみましょう。

 

配布目的とターゲットの例

 

・見込み客を呼び込むため 

・購入客へ感謝を伝えるため 

・取引先や顧客へ特別感を与えるため 

・社員の結束やモチベーションを高めるため

など

 

 

配布タイミング

 

・イベントやキャンペーンの粗品(名刺と交換など個人情報の収集)

・展示会来場者向けの特典(集客ツール)

・営業時の販促物(商品ベタ付けやプレゼントキャンペーンなど) 

・創業周年祭の記念品(福利厚生)

 など

これらは、上司や関係者に丁寧に確認し、配布目的とそのターゲットを決めるようにしましょう。どれに当てはまるのかで、低コストで大量に制作するのか、多少高価でもブランドイメージを伝えたいのかなどが決まってきます。ノベルティの方向性や内容を固めるうえでも、目的は最優先の要素です。

 

もらって嬉しいのは「世の中で話題のアイテム」

4. 採用後のメリット

 

ノベルティと一口に言っても、文房具、ノート、うちわなど、さまざまな品物があります。一般的にはずさないノベルティは、日常から使用頻度の高い文具・雑貨系です。反対に、実は避けたいのが、会社のロゴが大きく入っているなどデザイン性に乏しく普段使いがしづらいもの(ただし、ブランディングに成功している企業の場合はロゴ=良質なデザインとして珍重されます)。 

 

「どうしても会社のロゴが大きく書いてあったり、デザインが好みではなかったりすると、使いにくいと感じる人が多いようです。例えば、手帳を作る場合でも、赤やピンクなどのカラーバリエーションを持たせるだけでも違います」(高木さん)

 

年代や職種によって、好みのアイテムが変わります。メインターゲットの年代、性別、職種からペルソナを掴み、その人たちにマッチしたノベルティを考えられるからです。

 

同じボールペンでも年配の方なら、油性のボールペンを、若い方なら水性のジェルペンが喜ばれるそう。持ちたいアイテムが変われば、選ぶノベルティも変わってきます。

ちなみに、高木さんによると、相手がもらって嬉しいノベルティは、「自分では普段買わないもの」や「社会性を反映したアイテム」だそう。 

 

「ノベルティをもらう側になると分かりますが、『興味があっても、自分のお金では買わないかな』というアイテムをふいにもらうと嬉しいものです。特に社会性を反映した内容は喜ばれやすいと思います。最近だと、レジ袋有料化を受けてのエコバッグや、タッチパネルを直接触らないですむスタイラスペンを選ぶ企業が増えてきました」(高木さん) 相手に喜ばれやすいトレンドを踏まえたノベルティ。話題作りの意味でも、一度リサーチした上で検討してはいかがでしょうか。

 

 

どうしても予算がないなら「アイデア」で勝負

 

ノベルティは一般的に100個単位の発注となるため、予算によっては「希望の品物が作れない……」という場面も往々に出てきます。そのため、事前にノベルティ会社へ見積書を取るなどして、適切な予算感を掴んでおくことが大切です。 予算が限られた場面では、アイデアを生かすことも大切です。コストを押さえつつ、マーケティング効果を発揮できます。

「企業の製品デザインやロゴを、上手に文房具や雑貨の形状とマッチさせて、最大限にマーケティング効果を発揮するケースは多々あります。コピーだけを印刷するのも良いですが、企業ブランディングや製品イメージを意識しながら検討していくと、低予算でも思いも寄らないところからアイデアが飛び出してくるかもしれません」(高木さん)

 

 

 

もしそれでも良い案が出なかったり、予算との折り合いがつかなかったりする場合は、ペンなどの安定路線でいけば大きくはずすことはまずないでしょう。

 

 

目的達成ができるノベルティをスムーズに作るには?

写真はまず見た目が勝負

 

実際に、自社でノベルティを作ることになった場合、どのようなポイントを意識したらよいでしょうか。

 

 

社内主体だからこそ「スケジューリング」が大事

 

ノベルティの配布時期から逆算して、いつまでに手元に商品が必要なのか、いつまでに発注しておいたら良いかなど、関係者との調整は必須です。

 

社内検討から配布まで、大きく6つのステップでノベルティ制作は進みます。

 

STEP 1.社内検討 

STEP 2.ノベルティ発注 

STEP 3.見本データ確認(イメージ構成) 

STEP 4.印刷・製造

STEP 5.完成品到着 

STEP 6.ノベルティ配布

 

STEP2〜5はノベルティ制作会社が関わる工程です。完成までの目安期間は、社内データなどの準備がしっかりできており、カタログに載っている標準的なアイテムなら約1カ月。もし見本データを実物で確認したい場合や特注のノベルティを制作する場合なら最低でも2〜3カ月は必要と言われています。また、印刷工場が繁忙期だと、通常の1.5〜2倍の時間を要することも……。

 

「『1週後に必要なんです。パパッと作れますよね?』とご相談をいただくこともあるのですが、そこまでの短期間ではどうにもなりません。もし初めてノベルティを発注するなら、想定の2〜3倍は時間に余裕を持たせることをおすすめします」(高木さん)

 

 

忘れやすい「社内データ」の準備

 

データの準備は、スムーズな発注に欠かせません。一般的にノベルティに印刷物するデータは、Adobe Illustratorのファイル形式のai形式で制作されたファイルを希望する印刷所が多いとのこと。しかし、このデータのやりとりは、ノベルティ制作でつまづくポイントの一つなんだとか。

 

「発注段階でよくトラブルになるのがデータです。Webサイトに掲載されているロゴをWordに貼り付けて提出したり、紙に印刷して持ってこられたりする方がいますが、それでは受け取れないんです。例えば、ロゴデータは、総務部門が管理していることが多いため事前に相談することをおすすめします。もし社内にない場合は、普段印刷をお願いする印刷会社が持っているケースもあります」(高木さん)

 

デザイン関連の業務や制作物に携わらない限り、Adobe Illustratorを扱う機会は少ないかもしれません。ただ、ファイル形式を変更したり、編集する知識はノベルティを作る上でも、助けになってくれるはずです。

 

 

その写真で何を伝えたいか

「対応が丁寧な会社」へお願いしよう

 

初めてノベルティを作るときは、できるだけ丁寧な対応をしてくれる制作会社をさがしましょう。サービスのチェックはもちろん、会社情報の更新やブログなどの情報発信から、その企業のカラーや得意な内容を確認できます。

 

また最近は、ネットからの顧客獲得に力を入れている制作会社も増えてきました。そのため、気になる会社を見つけたら、見積書を依頼したり、納期を相談したりするなど、一度気軽に問い合わせることをおすすめします。

 

その時には、メール対応の丁寧さや連絡レスポンスも含めて、安心してお願いできる会社を探しましょう。

 

 

目的に合わせて喜ばれるノベルティを作ろう

 

ノベルティ選びは、どんな目的で作るかによってがらりと変わります。送った方に喜んでもらえるかどうかは、「目的の明確化」「ロゴデータの事前準備」など、制作開始までの丁寧な事前準備次第。

 

Adobe Illustratorを活用すれば、ちょっとしたデザイン変更や保存などが簡単にできます。きっとノベルティ制作を効率的に完成まで導いてくれるはず。ぜひ、目的が達成されるノベルティ作りに活用してくださいね。

 

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取材協力:高木 芳紀(たかぎ・よしのり)

文具メーカー株式会社ノウト 代表 ノベルティ研究所所長。ノベルティ研究家。文具編集者。著書『従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み』他多数。

 

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(執筆:スギモトアイ 編集:ノオト)

 

 

 

 

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