バーチャルフォトを使ってフォトリアルな画像をデジタル環境で作成

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Julianはベテランのグラフィックデザイナーで、ヘッドフォンからベビーフードまで、重圧のかかる様々なマーケティングキャンペーンで長年ヒット作となる画像を生み出してきました。しかし、世界的なインテリアブランドから限界に挑むような短期間の制作を依頼されたときは、さすがに緊張が走ったようです。

クライアントは、毎月1種類、全12種類の高級キャンドルの新シリーズを発売する計画でした。キャンドルには、それぞれ発売する季節にちなんだ独自のビジュアルブランドがありました。Julianのこの制作チームが作成するキャンペーンアセットの画像には、各キャンドルの違いを明確に反映しなくてはならず、その期限はわずか3週間でした。

しかしこのチームは、各製品すべてにクライアントの期待を超える見事な画像を作成し、期限内に予算内で完成させました。しかも、深夜、週末の残業は誰一人していません。クライアントのキャンドルの3Dモデルを使って、フォトリアルな画像のステージング、照明、撮影を完全デジタルでおこなったからです。

バーチャルフォトと呼ばれるこの新しいワークフローを使えば、スタジオのスケジュール管理から撮影用の試作品や小道具の作成まで、従来の写真撮影で多大な時間とリソースを消費していた手順をなくすことができます。バーチャルフォトは製品の3Dモデルが被写体のため、製品の製造や出荷を待って撮影する必要はありません。

釣り糸とテープで飛行物体らしき物を作り、何日もかけてロケ地を探しても、求めるイメージとまったく一致しない時代は終わりました。バーチャルフォトを使えば、イメージ通りの構図をすべてコンピューター上で実現できます。

自由、正確、拡張性を備えたクリエイティブの新時代が、パワフルで使いやすいテクノロジーによって実現します。詳細をぜひご覧ください。

拡張性の再定義

2020年のForrester社の調査によると、81%のプロのクリエイターが、カスタムコンテンツに対する要求が高くなっていると認識しています。制作チームは、それに対応するために2つの選択に迫られています。既存のチームの限られた人数で広く薄く対処するか、リソース増強を上層部に求めるかです。しかし、バーチャルフォトを使えば、負担の大きい実際の撮影プロセスを完全デジタルの軽快なワークフローに置き換える、という第3の選択肢が生まれます。

バーチャルフォトをデザインワークフローに組み込むメリットは、実際の写真撮影やスケジュールをすべて省略できるだけではありません。デザインをその場で即座に更新できます。3Dモデル、背景、照明を次々に入れ替えることで、どのような構図にも対応でき、広範なキャンペーンアセットを即座に作成できます。

また、2Dのデザイン要素をすぐに読み込んで3Dモデルに適用できるため、複数のプロトタイプを撮影したり、地域ごとに差異のある複数のAdobe Illustratorファイルを管理したりすることなく、地域別の対応を迅速におこなえます。

Julianのチームがキャンドルのビジュアルアセットを完成させ、クライアントはそれを使ってパッケージの制作に取りかかりました。12本のキャンドルすべてについて、6地域向けのマーケティングアセットを作成する必要がありました。しかし、従来の写真撮影のように72個のボックスを撮影するのではなく、ここでもバーチャルフォトのワークフローが採用されたため、ボックスを一度配置して、レンダリングのたびに異なるラベルを適用するだけですみました。その結果、実際に試作品を制作、撮影、レタッチする場合にかかる何分の一かの時間で、地域ごとにカスタマイズされた100枚近くの画像を作成できました。

何百枚もの写真の中から、編集する1枚を選び出す必要もありません。バーチャルフォトでは、イメージ通りのものを正確に作り、その場でレンダリングできます。高速で柔軟なワークフローでは、関係者のフィードバックによる撮り直しの心配もなくなります。さらに、キャンペーン実施の直前でも、顧客とアセットを共有し、そのフィードバックにしたがって調整できるため、何がバイヤーに受け入れられ、何が受け入れられないかを推測しながら処理する必要がなくなります。

自由な発想の新境地

バーチャルフォトでは、実物を撮影することなく写真を制作します。そのため、従来のような物理的制約を受けることなく、これまでにない自由な発想とコントロールでコンポジションを制作できます。

その上、3Dデザインは非破壊編集であるため、無限に解像度やカメラを変更できます。また、3Dツールは入力システムで構築されているため、モデル、ラベル、背景などのアセットを瞬時に切り替えることができ、その変更はリアルタイムでコンポジションのライティングやシャドウへと反映されます。

「いろいろなスタイルを試してみてください」とSebastian Shaw(アドビの戦略開発担当ディレクター)は語っています。「手に入れたアイデアを形にするときは、ピクセル単位で完全にコントロールできます」

自由であると同時に、あらゆる要素を完全にコントロールでき、高い精度が得られます。撮影スタジオがバーチャルであれば、自然現象さえもクリエイティブビジョンの妨げになりません。

グラフィックデザインをレベルアップ

これまで、フォトリアルな3D画像を作成するには、複雑で高価な新しいソフトウェア一式を使いこなす必要がありました。しかし、そのような状況を変えるツールが登場しました。Adobe Substance 3D Collectionです。

Substance 3D Collectionでは使い慣れた2Dクリエイティブアプリの操作性が再現されているため、既に持っているデザインスキルを新しい分野で応用できます。また、Adobe Creative Cloudアプリとのシームレスな連携機能により、従来よりはるかにスムーズに3Dデザインを既存のワークフローに組み込むことができます。

3Dデザインの民主化とは、プロセスの簡略化を意味するだけではありません。様々なバックグラウンドを持つユーザーが、質の高い3Dアセット制作をおこなえることでもあります。そのため、Substance 3D Collectionにはプロダクション品質の3Dモデル、マテリアル、ブラシ、背景、ライティングプリセットなどのパワフルなアセットライブラリが付属しており、バーチャルフォトに取り入れることで、本物同然の画像を作成できます。

アドビがお役に立ちます

Adobe Substance 3D Collectionにはスマートなクリエイティブアプリと膨大なプロ仕様のアセットライブラリが集約されているため、3Dデザインをこれまで以上に身近に感じられます。使い勝手が良く、手放せなくなること請け合いのこれらのツールは、あらゆる業界や経歴のデザイナーのワークフローを変革し、魅力的なコンテンツの作成を驚きの速さで実現します。

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