写真撮影
シャッター優先モードで時間をコントロール
シャッタースピードがいかに時間を止め、画像をブラーさせて、素晴らしい写真を生み出すか見ていきましょう。
シャッター優先モードとは?
シャッタースピード優先はシャッター優先モードとも呼ばれ、写真家が一定の露出時間に合わせてマニュアルでシャッタースピードを設定すると、カメラは自動的に、シャッタースピードに合わせて 絞りとISOの設定をします。シャッター優先はほとんどのデジタルカメラのモードダイアルで、通常「s」または「tv」(time value: 時間値)で表示されています。
シャッター優先モードで時間を優先する
シャッター優先モードを使って、絞りやISO設定のことを心配せず、まず時間とスピードのことを第一に考えましょう。スポーツイベントの写真撮影で、選手を可能な限り鮮明に捉えたいなら、速いシャッタースピードとシャッター優先モードを使い、あとはカメラに任せましょう。
大抵、速いシャッタースピードで撮影する場合、広い絞り、さらに感度の高いISOまたは、その両方の組み合わせが必要になります。露出には光が必要です。その光を、どこかから取り入れる必要があります。もしカメラを短い時間のみ開けるなら、それを広い絞りでもっと多くの光を取り入れるか、高い感度の ISO値(カメラが光に対してさらに敏感になります)で補うことができます。
写真撮影におけるシャッターの役目
写真家は時間をあやつります。写真は一瞬の時間、例えばバットがまさにボールを打つ瞬間を見せることができます。あるいは、流れる滝の水を一瞬ずつ捉え、まるで踊るシルクかベルベットの反物のように見せることができます。
シャッタースピードは、写真家が時間をコントロールするために使う鍵となるツールであり、写真撮影の露出トライアングルの基礎となるパーツの1つです。露出 は写真撮影の基礎となる考え方です。それはカメラのセンサーに届く光の量であり、イメージを形作ります。露出トライアングルには、以下の3つの要素が含まれています。
- シャッタースピードとは、カメラが1枚の写真を撮る間、どれだけの時間シャッターを開けているかということです。シャッタースピードは、1秒の1/8000から数分に及ぶまで様々です
- 絞りはレンズの開け口のサイズをコントロールします。fストップとも呼ばれ、絞りの数値は「f値」として知られています。f値が小さいほど絞りは大きく開いています
- ISO は、光に対するカメラセンサーの感度です。ISOは元々、フィルムの感度を測定するものでした。デジタル撮影においては、画像を捉える時にカメラのセンサーの感度がどれだけ高いかを測定します
速いシャッタースピードを使うのはいつか
速い速度で動く物体を捉えたい時に、速いシャッタースピードを使います。短距離走のスプリンターを撮影する時、彼らがゴールのラインを切る瞬間を捉えたいなら、速いシャッタースピードを使って、モーションブラーを起こすことなく彼らを捉えれば、まるで時間が止まったように、その瞬間を表すことができます。
遅いシャッタースピードを使うのはいつか
遅いシャッタースピードは、モーションブラーで動きをトレースし、時間の経過を描き出すことができます。「遅いシャッタースピードは、動きを現す手段の一つです」と語るのはビデオグラファーのジョシュア・マーティンさんです。「時間を止めるのではありません。カメラの前で時間を流れさせていくのです。画像の中で動きを感じます」
シャッタースピードは、実際、大変長いこともあります。特定のタイプの風景写真や長時間露出撮影では、写真家はシャッターを長時間開けて、ゆっくりと徐々に変わっていく動きを捉えます。長いシャッタースピードを使うと、車のヘッドライトが暗い道路に長い光の線を描き、ダンサーはドラマチックなブラーによって、その動きが強調されます。
他の撮影モードについても学ぶ
露出トライアングルをマスターするには練習が必要です。シャッタースピードや絞りが、画像にどう影響するか理解する最高の方法の一つは、カメラモードの一つをマニュアルでコントロールし、他の設定はカメラが自動的に選ぶようにすることです。
絞り優先
絞り優先モードでは、写真家が「絞り」、つまりfストップを自分で選び、カメラがシャッタースピードとISOを選びます。これはポートレート写真で、背景を被写体よりもっとソフトなフォーカスにしたい時によく使われます。
プログラムモード
このモードでは、ISOなどの変数を自分で設定し、それに合わせて絞りとシャッタースピードをカメラが選びます。
自動モード
自動モードとは、その名が示す通りの機能です。:被写体にカメラを向けるとカメラが全てを選択し、写真家は写真の構図に集中することができます。
手動
手動モードでは、カメラの設定をすべて自分で調整します。自動機能に任せるものは一切ありません。すべての設定を完全に自分でコントロールしたい写真家は、手動で撮影する傾向にあります。
「すべて自動からすべて手動に移行する準備ができていなかったら、シャッター優先をステッピングストーンとして使うといいでしょう」とジョージフォックス大学の写真家であるクリス・ローさんは語ります。
いったん自分のカメラについて知り、モードを理解し、スピードと光とセンサーがどのように作用して写真ができるか理解したら、創作する余裕が生まれます。モードは、もはや訳の分からないものではなくなり、写真を自分の思い通りに撮影するための身近なツールとなります。
「どんな設定も、それに頼りすぎないようにしましょう」とローさんは言います。「これはツールなんです。自分のクリエイティビティをカメラが邪魔しないようにしましょう」完全にマニュアルで撮影できるようになると、まず写真のイメージを想像できるようになります。そしてそのビジョンを、カメラという言語に翻訳するのです。「自分で決定して設定しましょう」とローさんは言います。「自分の想像で描いた写真を元に設定するのです」
Adobe Photoshop Lightroomで完璧な写真を
シャッター優先とその他のカメラモードは、自分の写真を思い通りに見せるための、ほんの序の口に過ぎません。シャッターを切り、センサーがイメージを記録した後でも、写真家が写真家のために作成したLightroomのプリセットで、光、シャドウ、色を調節することができます。
風景写真と自然の写真のために特別にデザインされたプリセットを使ったり、Clarityスライダーと「かすみの除去」スライダーで被写体を鮮明にしたり、 画像の背景を自動的に選択して、写真を部分的に調整してみましょう。すべてをコントロールし、編集して、自分だけのユニークなビジョンを、実際の写真にしてください。
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