3Dモデリングのポリゴンとは
ポリゴンとは、3Dメッシュの構成要素となる2Dの図形です。学校で立体図形について学んだとき、紙を切ってたくさんの図形を作り、それらを貼り合わせてピラミッドや立方体などを組み立てた覚えはありませんか? ポリゴンモデリングのメッシュとは、そのとき組み立てたものを指す言葉です。
ポリゴンは3Dモデリングに欠かせない基本要素
ポリゴンの構成要素
頂点
辺
面
思いつく限りのあらゆるシェイプをポリゴンで作成可能
ポリゴンと完全な3Dモデルの簡単な例として、シンプルな立方体の構造を考えてみましょう。1つの立方体は、互いにリンクされた6つの面、12の辺、8つの頂点を含み、それらの要素で構成されている1つのオブジェクトです。CGアーティストは、この基本概念を応用することで、ポリゴンを使ってあらゆるシェイプを作成します。
3Dオブジェクトのメッシュやワイヤーフレームを見ると、人間の顔であれ、完全な想像上の産物であれ、様々なものの形が多数のポリゴンの組み合わせで形成されていることがわかります。
ハイポリ、ローポリ、リトポロジーの違い
ハイポリ
ハイポリモデルとは、きわめて緻密に構成したメッシュを使用するモデルです。通常、最終的なポリゴン数は問題にされません。ハイポリモデルはポリゴンをまったく使用せずにデザインされる場合も多く、ボクセルベースのスカルプティングで3Dの造形を扱うのが一般的です。
ボクセルとは、2Dアートにおけるピクセルのようなものと考えてよいでしょう。個々のピクセルがポイントの色情報を保持しているのと同じように、個々のボクセルは、3次元グリッド内に配置された単一のポイントに対応する3D情報を保持しています。
このような手法では、アーティストがリアルタイムのスカルプティング操作で3Dオブジェクトの造形を扱うことができます。完成させた後に3Dモデルをメッシュとして書き出すと、その段階で、コンピューターのアルゴリズムによってポリゴンモデリング処理が実行されます。きわめて精巧な出力結果が得られる反面、ポリゴン数が膨大になるという、「ハイポリ」の呼称どおりの側面もあります。
ローポリ
リトポロジー
そこで登場するのが、ハイポリモデルからローポリモデルへの変換プロセスを意味する「リトポロジー」という概念です。リトポロジーにはいくつかの異なる手法があり、リトポロジープロセス支援機能に特化したツールを備えているソフトウェアもいろいろあります。多くのアーティストにとって、リトポロジーは制作ワークフローに欠かせない手順の1つです。
トポロジーを単純化する際には、単純化したオブジェクトの表面に複雑なハイポリバージョンのテクスチャを張り付ける手法がきわめて一般的に使われています。このようにすると、ディテールをほとんど犠牲にすることなくモデルのパフォーマンスを大幅に向上できるからです。
画像提供元:Olivier Beaugrand
ポリゴンモデリングに使える基本テクニック
押し出し
サブディビジョン
サブディビジョンは、ポリゴンから滑らかな3Dモデルを作成できる便利なツールとテクニックです。先ほど例として挙げたシンプルな立方体で考えてみましょう。立方体を構成する6つの面を、より細かい単位に分割するとします。例えば、立方体に垂直と水平の切れ目を入れると、各面が4つずつの小さな面に分かれます。
サブディビジョンは、このようにシンプルな形状をモデリングの出発点にしてポリゴン数を増やす優れた方法の1つです。一般に、サブディビジョンには以下の2つの手法があります。
- 均一サブディビジョン: オブジェクト全体を均一に分割する方法です。メッシュ全体に影響を及ぼします。
- 選択的サブディビジョン: アーティストが単一の象限(例えば1つの面)を選択し、そこだけを必要に応じた数に分割する方法です。そこ以外のメッシュ全体には影響しません。
ベベル
モデルを構成する個々の辺(エッジ)は、それ自体としては非常にシャープです。引き続き立方体の例で考えると、1つの辺は2つの面が接するところです。それら2つの面の角度は、直角、鈍角、または鋭角に変化させることができますが、いずれにしても辺そのものは鋭いままです。
ベベルツールでは、1つの辺を選択して任意の数のベベル(面取り)を挿入し、2つの面のつながりを柔らかくすることができます。便利なツールですが、気軽に余分なポリゴンを増やしすぎてしまう可能性や、1つのベベルに多くのディテールを加えすぎてトポロジーとの競合を招く可能性があるため、慎重に使う必要があります。
Adobe Substance 3Dで、ポリゴンの扱いに煩わされることなく刺激的なアートを作成
多くの3Dワークフローにおいて、ポリゴンモデリングは必要悪の煩わしい作業と思われているかもしれません。トポロジーの管理は面倒に感じられるかもしれません。整然とした合理的なメッシュを作る必要がない用途などでは特にそうでしょう。製品づくりの目的意識が強い分野で3Dを活用する必要が生じた場合などにありがちな状況です。
そんなとき、形状のブロック構造を手早く効率的に作成できるソフトウェアがあり、しかも、硬質な表面と有機的な温かみがある表面の両方で高品質のモデリングが可能だとしたら、3Dの活用で格段に大きな成果を得る可能性が生まれるでしょう。
Adobe Substance 3D Modelerは、本物の粘土を扱うのと同じ自然な操作と使用感を目指した、ボクセルベースのスカルプトソフトウェアです。最初から最後まで、アーティストがポリゴン、トポロジー、UVマッピングなどの作業に頭を悩ませる必要はありません。そのような手順は書き出し時にソフトウェアによって処理され、アーティストは、書き出しのオプション指定でプロセスの実行方法をコントロールできます。
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