「見積書」は、取引先に費用や条件を提示するうえで欠かせない文書です。しかし、いざ作成しようとすると「最初から作るのは手間がかかる」「何を記載すればよいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。
そこで本記事では、無料で使えるPDF形式の見積書テンプレートをご紹介します。テンプレートを活用すれば、必要な項目に沿って入力できるため、ミスのない見積書を作成できます。
さらに、見積書の役割や基本的な記載項目、作成時の注意点をチェックリスト付きで解説。
記事の後半では、見積書の作成から管理までを効率化できる便利なツールもご紹介します。
煩雑になりがちな見積書作成を、スピーディーかつ正確に行いましょう。
目次
【用途別】見積書の無料テンプレート(PDF)
見積書のPDFテンプレートを用途別に用意しました。
各テンプレートには必要な基本項目が、あらかじめ記載されているので、内容を編集するだけで、スムーズに正確な見積書を作成できます。
いずれのテンプレートも登録不要で、無料ダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
【タイプ1】ベーシックな見積書テンプレート
「テンプレートをダウンロードしたけれど、何から記入すればよいのかわからない」という方もご安心ください。
ここからは、見積書に記載すべき基本項目について、初めて見積書を作る方にもわかりやすく解説します。
見積書とは
見積書は、売り手が買い手に対して、契約前に金額や取引内容を伝えるための文書です。
商品やサービスの内容・価格・納期などを明確に示し、取引条件を双方で共有できます。
また、見積書は社内の稟議や予算承認の資料としても活用され、正式な発注に進む前の判断材料として重要な意味があります。
提案内容をあらかじめ見積書として書面化しておけば、後から条件の食い違いを防げるため、交渉や意思決定のスピード向上に効果的です。
なお、見積書の作成は法律で義務付けられているものではありません。
実際には、口頭やメール上のやり取りで、契約が成立するケースも存在します。
とはいえ、取引条件を双方で共有しておくことは、トラブル防止や信頼関係の構築に欠かせません。
そのため、見積書は「原則として提示すべき文書」として扱われるのが一般的です。
そして、見積書と同様に契約や商談の場に欠かせないのが「納品書」や「請求書」です。
これらの文書は、それぞれの役割や送付のタイミングが異なります。
商品やサービスの内容・価格・納期などの取引内容を伝えるための文書
売り手が買い手に対して、契約前に送付する
納品内容を記録するための文書
商品やサービスの納品時に送付される
代金を請求するための文書
一般的に、納品後や作業完了後に送付される
※契約内容によっては、請求(支払)と納品の順番が前後する場合もあります
見積書だけでなく、納品書や請求書についても理解しておくことで、業務の流れを正しく把握でき、取引をよりスムーズに進められます。
次の章では、見積書に必要な基本項目について解説します。記入例も一緒にご紹介するので、ご自身のケースに合わせてアレンジしながら、作成を進めていきましょう。
見積書に記載する基本項目
見積書に記載する項目に不足や誤りがあると、取引先との認識違いやトラブルの原因になりかねません。基本項目の内容や書き方を理解しておくことで、迷わずスムーズに見積書作成を進められます。
また、ケースによって追加したい項目もご紹介するので、アレンジしてご活用ください。
それでは「ベーシックな見積書テンプレート」を使って、見積書の記載項目をひとつずつ確認していきましょう。
取引先の会社名や住所、担当者名を記載
例.
〒000-0000
東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー
株式会社△△△△ 御中
見積書を発行する自社の情報(会社名・住所・担当者名・電話番号など)
例.
株式会社●●●●
東京都●●区△△△△
電話番号:00-0000-0000
メールアドレス:<●●●@example.com>
担当:アドビ太郎
見積書を作成した日付
※発行日は見積書の有効期限を計算する起点になるため、正確に記載する
例.2025年4月1日
社内で見積書を管理するための通し番号やインボイス制度に対応していることを示すための登録番号(頭に「T」が付いた13桁の番号で記載する)
例.
M-123456
登録番号:T0000000000000
商品の納入予定日やサービス提供の完了予定日
例.2025年4月30日までに納品/契約後2週間以内など
代金の支払条件(支払期限・支払方法・分割支払の有無)
例.
銀行振込、2回払い可(初回支払日は5月末日)
見積内容が有効な日付または期間
例.
2025年5月31日/発行日から2週間以内 など
提供する商品やサービスの詳細(項目ごとに品名、型番、仕様などを記載)
例.ノートパソコン(型番:ABC12345)
各品目の数量、ひとつあたりの単価、合計金額を記載
例.
数量:10個
単価:111,000円
合計:1,110,000円
見積もった全商品の合計金額
消費税額を税込価格に含めている場合でも、内訳として税額を別途記載する
例.
小計:1,000,000円
消費税(10%対象):100,000円
合計:1,110,000円
特記事項や注意書きがあれば記載する
キャンセルポリシーを記載するケースもあり
見積書に記載する基本項目は以上です。
また、以下のような項目は、必要に応じて追加しましょう。
- 繰越金額:過去の未払い残高を加味した場合
- 値引:一定条件に応じた割引がある場合
- 源泉徴収:特に業務委託契約で、源泉税を控除する場合
- 承認欄:社内稟議や押印フローに活用される場合
- 印鑑欄:紙で提出する際に押印が必要な場合
この記事では、値引対応版や英語対応版の見積書テンプレートもダウンロードできます。見積書の内容に応じて、最適なテンプレートを選んでみてください。
【用途別】見積書の無料テンプレート(PDF)をダウンロードする
見積書に必要な項目を押さえたところで、次は「作成時の注意点」も確認していきましょう。
見積書は、金額や取引条件を提示するだけでなく、ビジネスにおける信頼関係を築くための重要な文書です。
取引先からの信頼を損ねてしまわないよう、内容の正確性やわかりやすさはもちろん、提出後のトラブルを防ぐためにも、次に解説する3つの注意点を意識して作成しましょう。
見積書を作成する際の3つの注意点
適切な見積書を作成するには、いくつか注意すべきポイントがあります。
ここでは、見積書作成時によく見落としがちな点や、トラブルを防ぐためのポイントを3つ解説します。
【注意点1】有効期限・支払条件を明確に記載する
見積書を提出する際には、「見積の有効期限」と「支払条件」を明確に記載することが一般的です。
見積書の有効期限は、一般的に2週間〜6か月程度で設定されますが、自社の取引ルールや商談スケジュールに合わせて調整し、「○年○月○日まで有効」のように具体的に記載しましょう。
有効期限を設けることで、相手先に期限内での発注判断を促す効果もあります。
また、支払条件(支払期限、支払方法、分割払いの可否など)についても具体的に示します。例えば「納品後30日以内に銀行振込」や「2回払い可(初回支払日は○月○日)」などと記載するとよいでしょう。
【注意点2】記載漏れや誤記に注意する
ちょっとした記入漏れや数字の誤りが、取引先からの信頼を損ねたり、業務に思わぬ支障をきたしたりすることがあります。
そのため、見積書を作成したあとは、提出前に内容を丁寧に見直しましょう。
例えば、項目がすべて記載されているか、社名や担当者名に誤字はないか、金額や計算式にミスがないか――といった基本的なチェックポイントを確認します。
可能であれば、別の人にも確認してもらうと、自分では気づきにくいミスを発見しやすくなります。
また、こうした見直しをサポートするためのチェックリストもご用意しました。
見積書提出前の最終確認に、ぜひご活用ください。
【注意点3】PDF形式で安全に共有する
見積書には、金額や取引先情報などの重要な内容が含まれるため、セキュリティへの配慮も欠かせません。取り扱いを誤ると、情報漏えいや内容の改変につながる可能性があるため、送付形式や共有方法には十分な配慮が求められます。
そのため、見積書を電子データで送付する際は、PDF形式で共有するのがオススメです。
PDF形式であれば、デバイスや環境を問わず、レイアウトを安定して保つことができるうえ、パスワードによる編集操作の制限もカンタンに行えます。
第三者に内容を変更されてしまう心配も少なく、信頼性の高い文書として扱うことが可能です。
関連:【無料】PDFにパスワードをかける方法(Windows・Mac対応)
さらに、社印の画像や電子署名を入れておくと、見積書としての信頼性も一段と高まります。契約や承認をオンラインで完結させる場面でも有効です。
関連:PDFに電子署名するやり方と仕組みを解説(無料で電子サインする方法も)
ここまで、見積書作成時の注意点を3つご紹介しました。
しかし「きちんと作成できているかな」「内容の抜け漏れはないかな」と不安になることもあるでしょう。
そんなときに役立つのが「提出前の最終確認に使えるチェックリスト」です。
ミスを防止できる!見積書作成時のチェックリスト
見積書作成に慣れてきても、うっかりミスは起こり得ます。入力ミスや記載漏れといった小さな誤りが、大きなトラブルにつながることもあるため、提出前の最終確認は必ず行いましょう。
そこで、見積書の提出前に確認したいポイントを一覧にした「チェックリスト」をご用意しました。
以下のチェックリストを活用して、一つひとつの項目を見直せば、ミスを防止できるだけでなく、信頼感のある見積書が完成します。
チェックリストはこちらからダウンロードできます
チェックリストは印刷して使うのはもちろん、データで保存して繰り返し使うのもオススメです。チェックの習慣が身に付くと、記載ミスの防止につながり、見積書の正確性と信頼性を高められるでしょう。
さらに、次の章で紹介するアドビの便利なツールを活用すれば、オリジナルの項目を追加した「自分だけのチェックリスト」を作成することも可能です。
業務のスタイルやチーム体制に合わせて、自由にカスタマイズしてみてください。
見積書の作成から管理をカンタンに行えるアドビの便利なツール
見積書を正しく作成しても、その後の編集や管理に手間がかかれば、業務全体の効率化にはつながりません。
そんなときに頼りになるのが、PDFの開発元であるアドビが提供するツールです。
ここでは、見積書の作成から送付、管理までをサポートしてくれる以下の3つのツールをご紹介します。
- 変換や圧縮などの機能を無料で使える「Adobe Acrobat オンラインツール」
- さらに多くの機能が搭載された「Adobe Acrobat Pro」
- 紙の書類をカンタンに電子化できる「Adobe Scan」
それでは、それぞれのツールの特徴をご紹介しましょう。
変換や圧縮などの機能を無料で使える「Adobe Acrobat オンラインツール」
Acrobat オンラインツールは、ブラウザー上でPDFの編集や変換ができる無料ツールです。ソフトのインストールは不要で、インターネット環境があれば、PCやスマホ、タブレットで手軽に利用できます。ファイルをドラッグ&ドロップするだけのシンプルな操作で、誰でもすぐに扱えるのも特長です。
例えば「見積書作成時のチェックリスト」を「PDFをExcelに変換」機能を使って変換し、チェック項目を編集すれば、自分用のチェックリストを作成できます。
また、見積書のPDFを送付する際に「PDFを圧縮」でファイルサイズを小さくしたり、「PDFを保護」でパスワードをかけたりと、セキュリティ面の対策も手軽に行えます。
さらに、生成AIベースの対話型エンジン「Acrobat AIアシスタント」搭載によって、PDFファイルの内容を要約したり、質問に対する回答を抽出することも可能です。
Acrobat AIアシスタント機能について詳しくは、以下の記事で解説しています。
【無料】PDFをAIで要約!Acrobatで文書の要点をすばやく抽出
※Acrobat AIアシスタントを利用するには、別途有料オプションの契約が必要です
さらに多くの機能が搭載された「Adobe Acrobat Pro」
Acrobat Proは、PDFの作成・編集・管理を、より柔軟かつ効率的に行える高度なPDFツールです。
例えば、「PDFを編集」機能を使えば、WordやExcelに変換しなくても、PDF形式のまま直接内容を編集できます。
また、機密情報を完全に削除できる「墨消し」や、複数ファイルを比較して差分を確認できる「文書比較」など、ビジネスシーンで役立つ多彩な機能も利用可能です。
さらに、見積書の承認段階では「電子署名」機能を使って、オンラインで契約や承認作業を完結させることも可能。
見積書作成から契約までのフローをデジタル化できれば、文書作成にかかる手間や時間を大幅に削減できます。
7日間の無料お試し期間があるので、この機会にぜひお試しください。
紙の書類をカンタンに電子化できる「Adobe Scan」
https://www.youtube.com/embed/_R6yojUGUJ0?si=7Nb_ax-ynem5DkaL
Adobe Scanは、紙の書類をスキャンして、すばやくPDFに変換できる無料アプリです。
例えば「取引先から紙の注文書が届いたが、デジタル文書として保管しておきたい」というケースでも、Adobe Scanを使えばすぐにデジタル化できます。
操作は非常にシンプルで、スマホでアプリを起動して書類にカメラをかざすだけ。書類の角度や明るさもきれいに補正して、PDFに変換してくれます。
スキャン後のファイルはクラウドに保存したり、メールで送信したりできるため、書類の整理や部署内での共有もスムーズです。
【Android版】Adobe Scanをダウンロードする
この記事では、見積書のテンプレート紹介に加え、見積書の基礎知識や作成時の注意点、便利ツールについて解説してきました。
見積書は、ただ作成するだけでなく、その後の管理や共有までを見据えて、適切に扱うことが重要です。急な確認や再送が必要になった際、すぐに対応できるよう、日頃から見やすく、編集や共有がしやすい形式で保存しておくと安心でしょう。
その点で、PDFはレイアウトが崩れにくく、誰でも扱いやすいファイル形式として、見積書の保存や送付に最適です。
さらに、アドビのツールを活用すれば、PDFの編集やセキュリティ設定、電子署名などもカンタンに行えるため、見積書業務全体をよりスムーズかつ正確に進められます。
取引先との信頼関係を築きながら、業務を効率化するための第一歩として、ぜひアドビのツールをお試しください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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