ヒアリングシートの無料テンプレート(営業・web制作など)と効果的な使い方
ヒアリングシートのテンプレートをExcel・Wordに変換するには、Acrobat オンラインツールが便利です。以下のページをぜひチェックしておいてください。

ヒアリングシートを作る際に、「どんな項目を入れればいいのか」「内容がこれで十分なのか」と悩んだ経験はありませんか?ヒアリングは業務の質を左右する大事なプロセスですが、毎回ゼロから考えるのは大変ですよね。
そこで本記事では、ヒアリングシート作成のノウハウを分かりやすく解説します。また、「BtoB営業用」「web制作用」「採用面接用」「社内1on1用」の4つのテンプレートも無料でご用意しました。さらに、文書作成を効率化する「Acrobatオンラインツール」も紹介します。テンプレートを活用して、効率よく質の高いヒアリングを実現しましょう。
目次
ヒアリングシートの目的
ヒアリングシートを作成することで、業務の効率や成果を高められます。
しかし、「なぜわざわざシートを用意する必要があるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。ヒアリングシートを作成する主な目的は、以下の3つです。
- ヒアリングの質を担保するため
- 事前準備の効率を上げるため
- 商談をスムーズに進めるため
それでは目的ごとに確認していきましょう。
【目的1】ヒアリングの質を担保するため
第1の目的は、「ヒアリングの質を担保するため」です。
ヒアリングシートには確認すべき項目が事前に整理されているため、これを使えば、経験が浅い担当者でも重要なポイントを見落とすことなく情報収集できるようになります。
つまり、個々の担当者のスキルに左右されず、ヒアリングの質を一定に保つことが可能です。
また、全員が同じ雛形を使うことで、あとで振り返る際に知見を集約しやすくなります。運用の中で得られた洞察をもとに質問項目自体を改善していくことで、組織全体でヒアリングの質をよりいっそう高められます。
【目的2】事前準備の効率を上げるため
2つ目の目的は「事前準備の効率を上げるため」です。
ヒアリングシートがない場合、何を聞くべきかをその都度ゼロから考える必要があり、時間や手間がかかります。
一方で、ヒアリングシートがあれば、「企業情報」「課題やニーズ」「予算感」「スケジュール」など、あらかじめ整理された項目をスムーズに確認できるため、準備の手間が削減されます。その分、「顧客ごとの課題に対する提案内容の検討」「過去の商談事例や競合情報の調査」など、より本質的で具体的な準備に時間を使えるようになります。
結果として商談の成功率も高まるでしょう。
【目的3】商談をスムーズに進めるため
そして、3つ目の目的が「商談をスムーズに進めるため」です。
ヒアリングシートは商談中に使うだけでなく、以下のような活用方法もあります。
- 事前に送付して記入してもらう
- 商談後に議事録として送付する
先方に事前に記入してもらうことで共通認識をもてるため、商談の精度を高められます。
仮に事前の記入が難しい場合であっても、質問項目を事前に把握していただくことで商談の場で的確な回答を得やすくなります。
また、商談後に議事録として送付すれば、先方との認識齟齬を防止でき、提案の方向性がズレることを避けやすくなるでしょう。
ヒアリングシートに含めるべき9つの項目
ヒアリングシートを作成する際、「具体的に何を聞けばいいの?」と迷うこともあるでしょう。
そんなときは、以下の9つの項目を基本として押さえておくと安心です。
- 顧客情報
- 達成すべき目標
- 現状の課題
- 過去の取り組み
- 予算
- 決裁権者・キーパーソン
- 時期
- 他社の検討状況
- 組織体制
それでは、各項目について詳しく解説します。
1.顧客情報
基本的な顧客情報はコーポレートサイトに掲載されているので、事前に確認しましょう。
例えば、事業概要や人員規模などが挙げられます。「調べればわかること」をわざわざ商談の時間にヒアリングしてしまうと、「きちんと下調べしていない」と思われ、信頼を得るのが難しくなってしまうため要注意です。
そのうえで、ヒアリングでは公開されている情報よりも踏み込んだ内容を把握します。具体的には、市場の中での立ち位置やメインターゲット、競合他社などが考えられます。
2.達成すべき目標
顧客の目標を把握していなければ、自社の提案やサービスの提供内容を決められません。そのため、「目標を正確に把握すること」はヒアリングにおいて非常に重要です。
以下のような観点から質問し、詳細な回答を得ることを心がけましょう。
- 具体性:「月に◯件の契約を獲得」「現状から◯%改善」など具体的な数値目標があるか
- 優先順位:複数の目標がある場合、どの目標が優先されるか
- 背景:どのような背景で、その目標を持つに至ったか
3.現状の課題
現時点で存在している課題を把握します。現状と目標の間にどのようなギャップがあるかを理解することで、それを埋めるための提案内容を明確にできます。
その際、発生している表面的な課題だけでなく、背景にある原因まで深堀りしましょう。
例えば「webサイトからの注文が少ない」という課題であれば、アクセスはあるものの注文に繋がっていないのか、そもそもアクセス自体が少ないのかで、実施すべき施策は変わります。
4.過去の取り組み
顧客が以前に試みた取り組みを理解することで、何がうまく行かなかったのか、または部分的に成功した要素が何かを把握できます。
これにより、同じ失敗を避けられ、より精度の高い提案が可能です。過去の取り組みをヒアリングする際に考慮すべき点として、以下が挙げられます。
- 取り組みの成果と課題:その取り組みがどの程度成功したか、またどのような問題に直面したか
- 得られた知見:過去の取り組みからどのような知見が得られたか
- リソース:取り組みにどの程度の時間、予算、人材などのリソースを投下したか
5.予算
顧客の予算を超過する見積もりを出してしまうと、いくら提案内容が優れていても受注できる見込みが大きく減ってしまいます。
そのため、ヒアリングの段階でできるだけ具体的に予算を把握することが重要です。
ただ、直接的に質問してもうまく回答を得られない場合もあるでしょう。
そのようなときは、以下のように質問に条件を付けることで先方が答えやすくなります。
- 「このラインを超えたら検討余地がなくなるという金額はどれくらいですか?」といった、上限値を尋ねる
- 「〇〇様の所感としては、おいくらくらいで考えていますか?」のように、担当者としての個人的見解の形式で尋ねる
なお、予算を含む以下の項目群を、頭文字を取って「BANTCH」と呼びます。
BANTCHは、顧客に有効な営業・提案をするうえで非常に重要で、ヒアリングの段階で確実に把握しておきたい情報です。
このうち「必要性」は先述の課題や目標でカバーしているので、これ以降の項目では残りの情報を整理していきます。
- 予算(Budget)
- 決裁権者(Authority)
- 必要性(Needs)
- 時期(Timeframe)
- 他社の検討状況(Competitor)
- 組織体制(Human resources)
6.決裁権者・キーパーソン
BtoBの提案においては、決裁権者や意思決定において大きな影響力を持つキーパーソンからの合意を取ることが重要です。
そのために、まずはそれに該当する人物を特定する必要があります。
注意すべき点として、「稟議の構造の中で決裁権を持っている人物」と「実質的に意思決定を左右する人物」が異なる場合があります。
例えば、「決裁者は社長だが、実際には担当部門の部長が発注先候補の優劣を判断し、社長に形式的な承認を得るだけ」というケースが考えられるでしょう。
そのため、ヒアリングにおいては「決裁権者」と「キーパーソン」をそれぞれ把握することが効果的です。
7.時期
顧客がいつまでに契約を締結して取り組みを開始したいと考えているかを把握しましょう。そこから逆算することで、適切な商談ステップを組めます。
また、成果物を納品してプロジェクトが完了するサービスの場合は、納品時期の確認が必要です。開始と終了の時期がわかれば、必要な中間目標地点も定まり、具体的なプロジェクトスケジュールを提案できます。
また、自社でのリソース確保の見通しが立てやすくなることも利点です。
8.他社の検討状況
顧客が自社以外にどの会社を比較・検討しているのかを把握しましょう。
それにより、競合他社に対する自社の優位性を強調した提案ができます。
9.組織体制
対象のサービスによっては、導入を意思決定する部門と、実際に利用する部門とが一致しない可能性があります。例えば、勤怠管理システムであれば、人事や総務が導入・管理しつつ、他の部署も含めた全社員が使います。
実際に利用する部門からの反発を生まないことは、導入のスムーズさを担保するうえで重要です。ヒアリング段階で顧客の体制や社内での関係性を把握して、提案に活かしましょう。
【無料】ヒアリングシートのPDFテンプレート
これまで解説してきた「BtoBの営業用」に加えて、「web制作用」「採用面接用」「社内1on1用」のヒアリングシートのテンプレートをご用意しました。
いずれも無料でダウンロードできます。
【BtoBの営業用】ヒアリングシートのテンプレート
BtoBの営業に使えるヒアリングシートのテンプレートです。
顧客への理解を深めて有効な提案をするためのヒアリング項目をまとめています。
【web制作用】ヒアリングシートのテンプレート
web制作に使えるヒアリングシートのテンプレートです。
サイトやページ制作時にヒアリングしておきたい項目をまとめています。
【採用面接用】ヒアリングシートのテンプレート
採用面接に使えるヒアリングシートのテンプレートです。
スキルや志望動機など、面接時に押さえておきたい項目をまとめています。
【社内1on1用】ヒアリングシートのテンプレート
社内での1on1に使えるヒアリングシートのテンプレートです。
振り返りのメモや目標設定など、定期的に使用するのに役立つ項目をまとめています。
また、PDFテンプレートの編集にはブラウザーで使用できる「Adobe Acrobat オンラインツール」が便利です。直感的に操作できるうえに、PDFをMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordに変換し、大幅な編集もできます。
自社の状況に応じてチェックリストを調整する際に、ぜひご活用ください。
テンプレートをExcelやWordに変換する方法
今回ご提供したテンプレートは、印刷や共有がカンタンで、誰でもレイアウトが崩れずに使えるPDF形式でお渡ししています。
ただ、実際の業務に合わせて「項目を追加したい」「自分流にアレンジしたい」と思うこともあるかもしれません。
そんなときにおすすめなのが、「Adobe Acrobat オンラインツール」です。
Acrobat オンラインツールを使えば、PDFのテンプレートをExcelやWordにサッと変換でき、自分の用途に合った編集やカスタマイズが可能です。
また、編集が完了した後は再びPDF形式に戻せるので、最終的には印刷や配布、社内共有に最適な状態で活用できます。
以下では、Acrobat オンラインツールを使った変換手順を画面とともに分かりやすく解説します。誰でもカンタンに使えるので、安心してお試しください。
- 【手順1】PDFファイルをアップロードする
- 【手順2】ExcelやWordのファイルをダウンロードする
- 【参考】ExcelやWordのファイルをリンクで共有する
【手順1】PDFファイルをアップロードする
Acrobat オンラインツールの「PDFをExcelに変換」または「PDFをWordに変換」を開き、PDFファイルを以下のいずれかの方法でアップロードしてください。
※以下、Excelに変換する場合の画面キャプチャを掲載しますが、Wordでも操作方法は同じです。
- グレーの破線で囲われたエリアに、PDFファイルをドラッグ&ドロップする
- 中央の「ファイルを選択」ボタンをクリックしてPDFファイルを選択する
アップロードすると自動的に変換が始まるので、そのままお待ちください。
【手順2】ExcelやWordのファイルをダウンロードする
変換が完了したら、画面左上の「ダウンロード」ボタンからExcelファイルまたはWordファイルをPCやスマホに保存できます。
ヒアリングシートのPDFテンプレートをExcelやWordに変換する手順は以上です。
【参考】WordやExcelのファイルをリンクで共有する
Acrobat オンラインツールなら、変換後のExcelやWordのファイルを他の人に送付したい場合、ファイルをダウンロードせずにリンクでそのまま共有することも可能です。
共有用のリンクを発行するには、「ダウンロード」の右側にあるリンクボタンをクリックします。
Acrobat オンラインツールへのログインを求められたら、Adobeアカウント、Google アカウント、Facebook アカウント、Apple IDのいずれかでログイン、または無料アカウントを作成してください。
ログインできたら、画面右側の「コピー」をクリックしてリンクのURLをコピーします。
以上で共有リンクの発行は完了です。そのままメールやチャットで共有しましょう。
ちなみに、ヒアリングシートへの記入や編集が終わった後は、ファイルをPDF形式に戻して管理するのがオススメです。PDFに戻すことで、レイアウト崩れや誤った編集を防ぎ、社内での共有や保管がスムーズになります。
ExcelやWordファイルをPDFに変換する手順については、以下の記事をご覧ください。
無料でExcelをPDFに変換する方法(初心者向け・ソフト不要)
【無料】WordをPDFに変換するカンタンな方法(ソフト不要)
PDFをうまく活用して、ヒアリングシートの管理効率を高めましょう。
PDFを使った作業が効率化できる無料ツール「Adobe Acrobat オンラインツール」
Adobe Acrobat オンラインツールは、PDFファイルの作業を効率化するために欠かせない無料ツールです。
25以上の機能が利用でき、ここまでご紹介した「ExcelやWordへの変換機能」以外にも、以下のような様々なシーンで活用できます。あなたが普段感じている面倒な作業も、あっという間に解決するかもしれません。
具体的には、大きく以下の3つの用途に分けて活用できます。
■PDFを他の形式に変換して使いたいときに便利
PDFから他のファイル形式に変換したり、逆に様々なファイルをPDFに変換したりできます。資料を画像やスライドにしてプレゼンで活用したり、バラバラな資料をPDF形式に統一したりしたいときに便利です。
■PDFファイルの構成を整理して、見やすく整えたいときに便利
PDFファイルのページ数や順番を整えることで、資料としての使いやすさを高められます。ページの順番を整理したり、不要なページを削ったりすることで、資料の品質を高めたいときに役立ちます。
■PDF上で承認や署名をスピーディーに進めたいときに便利
共有するPDF書類に署名や確認を依頼できます。契約書や稟議書、承諾書など、PDFで承認や署名を迅速にやり取りしたい場面に最適です。
■大量のPDFから必要な情報を素早く見つけたいときに便利
PDFをチャットができるAIアシスタント機能で、PDFの要約や検索、文章作成がよりスムーズに行えるようになりました。この機能を使えば、PDFの内容を自動で要約したり、PDFの内容を質問して横断的に検索したりと、文書作業の大幅な効率化が可能です。
さらに、有償版のAdobe Acrobat Proなら、Acrobat オンラインツールの全機能を回数無制限で使えます。それに加えて、電子署名や墨消しといった機能もご利用可能です(※ Creative Cloudのコンプリートプランを既にご契約中の方も、回数の制限なく全機能をお使いいただけます)。
Acrobat オンラインツールの詳しい情報については、以下の記事で解説されています。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
無料かつカンタンにPDFを使った作業が効率化できる「Adobe Acrobat オンラインツール」を、ぜひお試しください。
(編集:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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PDFをExcelに変換する安全でカンタンな方法をご紹介。「Adobe Acrobat オンラインツール」なら、ソフトをインストールせずに、PCでもスマホでもすぐに作業可能です。

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